2〜4年に1度アップデートされる
初代のApple TVが登場したのは、なんと2007年。iPhoneと同じ年なのだ。
初代のApple TVは40GBのHDDを搭載していて、Macの写真や動画をテレビで見たり、iTunesの音楽を楽しんだりするためのデバイスだった。もはやご記憶の方は少ないと思うが、当時のMac miniのようなサイズで、天板が乳白色のプラスチックで『TV』と書かれていた。
急激に進化して、現在のApple TVに近いサイズ感、機能になったのは2010年のApple TV(第2世代)から。その後、第3世代、第4世代を経て、2017年にApple TV 4K(第1世代)、2021年には第2世代、そして今回、Apple TV 4K(第3世代)に進化した。トータルで7世代目にあたる。およそ2〜4年ぐらいのサイクルで、少し型落ちのiPhoneやiPadのチップセットを搭載しつつ進化している。
Apple TV+などストリーミングを観るのに最適
現在のApple TV 4Kで一番使用頻度が高いのは、Apple TV+をはじめ、Disney+、プライムビデオ、Netflix、hulu……などのストリーミングサービスの再生機能だろう。
これらの機能を持つデバイスは数多くあるし、最近ではテレビ単体でも可能なものが多いが、画質も音質も最高レベルで楽しめるのが、Apple TV 4Kのメリットだ。
また、iTunesの音楽や、ミュージックビデオも楽しめるし、iPhoneの写真.appからiCloudに同期されている写真も見ることができる。また、iPhone、iPad、Macなどのディスプレイをミラーリングすることもできる。これらの機能だけでも、アップル製品のユーザーにとっては投資する価値のあるデバイスだといえるだろう。また、Apple Arcadeのゲームをプレイすることもできる。
128GBのストレージを内蔵しているWi-Fi+Ethernetモデルは2万3800円(税込)、今回新たに設けられたEthernetポートを持たないWi-Fiのみの仕様の64GBモデルが1万9800円(税込)となっている。機能の割に、非常に安価だ。
半分の重さになっている、そのワケは?
ここで、今回のApple TV 4K(第3世代)の特徴について述べておこう。
写真で見ると、従来のものと同じように見えるが、実は縦横のサイズが各5mmずつ小さくなっている。1辺のサイズは93mmだ。そして、高さが35mmから31mmへと4mm小さくなっている。
そして、非常に驚くのはとても軽くなっているということだ。
従来モデルは425gあったのだが、今回のモデルはWi-Fiモデルが208g、Wi-Fi+Ethernetモデルが214gになっている。おおよそ、半分の軽さだ。
この違いの理由は実は冷却システムの有無にある。
従来モデルはA12 Bionic搭載で冷却ファンを積んでいたが、Apple TV 4K(第3世代)は、A15 Bionic搭載で、冷却ファンを持たない。
A15 Bionicといえば、去年のiPhone 13シリーズ、そして今年のiPhone 14/14 Plusに搭載されている非常に新しい世代のチップセットである。ぜいたくにもそれを搭載することによって、冷却する必要をなくしてしまったということだ。
まぁ、持ち歩くものではないので、軽くなっても仕方がないのだが、超高性能化されたゆえに軽いということは知っておきたい。
Apple TV 4K(第3世代)はドルビービジョンに加えて、HDR10+に対応するようになった。今のところHDR10+に対応しているテレビを探す方が難しいが、今後対応機種が増えてきた場合に、よりあざやかな色彩を提供できるようになる。
Siriリモートと呼ばれるリモコンは、従来のApple TV 4K(第2世代)と同じ形状だが、従来モデルではLightningだったコネクターがUSB-Cになっている。
PS5のゲームコントローラーも使える
定額でプレイできるが、比較的おとなしめのゲームラインナップとなっているApple Arcadeのゲームをプレイするのにも良い選択肢だ。tvOS 13から、PS4のゲームコントローラーなどが使えるようになっており、コントロール性が向上してる。
Apple TVのリモコンで遊ぶより、これらのコントローラーでプレイした方が、操作しやすいことは言うまでもない。
ドライビングゲームのAsphalt 8で遊んでみたが、Apple TVのリモコンで遊ぶより、PS5 用のDualSense (デュアルセンス)で遊ぶのは非常に快適だった。
もし持っていなければ、すぐ買った方がいい!
処理能力が高いからといって、従来のモデルから買い替えるほどのことはないが、あなたがまだ4Kでない世代のものをお持ちなら、今度の新型に乗り替えた方がいい。
ストリーミングはもちろん、iPhoneやMacの映像を表示するにしても、新しいApple TVは非常にパフォーマンスに余裕がある。画質などのクオリティにおいてもアドバンテージがある。
安価なFire TV Stickや、テレビ内蔵の機能でだいたいまかなえる機能も多いが、最新のiPhone同等のA15 Bionic搭載のApple TV 4Kはやはり高機能だし、iPhoneやiPad、Macを使うユーザーにとっては連携性が高く、非常に快適だ。
4Kでない世代のものを使っているなど、久しく買い替えていない人は、高価なモノでもないので、アップデートしておくといいだろう。
(村上タクタ)
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