デニム界の異端児・ラングラー、製造期間は約1年のみの“幻の名作”がついに復刻

ロデオ・ベンをデザイナーに迎えてカジュアルウエアに参入したという歴史やカウボーイカルチャーとの結びつきなど、独自の発展を遂げてきたラングラー。膨大なアーカイブの中から、王道から希少な隠れ名作まで全6型が復刻を果たした。

幻の名作が華麗なる復刻を遂げた。

アメリカ三大デニムブランドのなかでも特異な歴史を紡いできたラングラー。ワークウエアの製造を軸とした母体のブルーベル社が1947年にハリウッド映画のカスタムテイラーであったロデオ・ベンを初代デザイナーとして招聘し、カジュアルウエアに参入。プロトモデルとして知られるジーンズ、11MWを発表した。その後、ブランドの代名詞でもあるジッパーフライの採用、カウボーイカルチャーの隆盛との結びつきを経て、独自の発展を遂げてきた。

そんな彼らのアーカイブを日本製にて復刻させたコレクションが「THE ARCHIVES」である。なかでも注目すべきは写真上の「11MWZ 1964モデル」だ。ラングラーは通常、堅牢度を高めるために2枚の生地を互いに巻き込むように重ねて縫い合わせる“巻き縫い”を採用するのだが、同モデルはアウトシームを左右に平らに割り開いて縫製する“脇割”を採用。脇がごわつかず、すっきりとした着心地とアウトラインを実現しているほか、左右均等に、美しく縦に線が入るようなエイジングを楽しむことができる。

製造は1964年のごく短い期間だけだけという希少なピースとだけあって、ヴィンテージ業界でも高い注目度を誇る、ラングラーの名作のなかでも異端児的な存在である。

現代に甦りし名作たち

ラングラーが保有する希少なアーカイブピースに焦点を当てた「THE ARCHIVES」。1951、1958、1964 年という3つの年代に着目し、華麗なる復刻を遂げた全6 型を紹介する。

【1951年】111MJ 1951MODEL[Lot No.WM9151]

ジョンレノンが愛用したことでも知られる代表モデル。胸ポケットのWステッチやフロントプリーツの通称マルカンドメ、腕周りの可動域を確保するためのアクションプリーツなど、アイコニックなディテールが満載だ。59,400円

【1951年】11MW 1951MODEL[Lot No.WM1151]

プロトタイプの11MWからバックポケットのステッチが変更され、Wステッチが入る。ロープロゴや革パッチ、フラットリベットなどの7アイコンと呼ばれる意匠に加えて、5ポケットジーンズには珍しく内股・脇ともに巻き縫いにて縫製。35,200円

【1958年】11MJZ 1958MODEL[Lot No.WM9158]

111MJをベースとしつつ、ディテールをマイナーチェンジ。注目すべきはデニムジャケットの中では初めてとされるフロントジッパーを採用している点だ。アクションプリーツはそのままにウエストはバックルからゴム仕様に変更。59,400円

【1958年】11MWZ 1958MODEL[Lot No.WM1158]

ジャケットと同様に全モデルの象徴的なディテールは継承しつつ、フロントがジッパー仕様に変更。11MW 1951MODELと同様に、「THE ARCHIVES」用に開発されたラインなしの白耳が付いたオリジナルデニムを採用している。35,200円

【1964年】24MJZ 1964MODEL[Lot No.WM9164]

11MJZからマイナーチェンジを遂げたモデルで、胸ポケットが左右に追加。左胸ポケットのフラップにはボタンホールが付く。複数回の仕様変更がされた品番であり、ネームにベルが付く最後のモデルとしても知られる名作だ。59,400円

【1964年】11MWZ 1964MODEL[Lot No.WM1164]

製造期間はわずか1年、右綾デニムを用いた10MWの後に誕生し、こちらも製造期間は約1年のみという幻のモデル。巻き縫いではなく、脇割り仕様を採用。ブラウン×グリーンの耳が付いたオリジナルの左綾デニムを使用している。35,200円

改めて学ぶ、ラングラーの歴史

【1947年-50年代】カジュルウエア参入。カウボーイカルチャーとの蜜月

前身のブルーベル社がデザイナーにロデオベンを招聘し、カジュアルウエアに参入。カウボーイ文化と結びつき発展。

1957年の広告。この時代はカウボーイがアメリカの象徴のひとつとされており、彼らに愛されたラングラーはウエスタンジーンズの代名詞に。

【1960年代】ジーンズの品種改良と生産規模の拡大

国内のワークウエアの買収や海外工場の始動など生産拠点を拡大。ねじれを防止したブロークンデニムを64年に採用。

【1970年代】13MWZが全米プロロデオカウボーイ協会の公認ジーンズに

とりわけロデオ競技との結びつきが強かったラングラー。馬や牛の上での激しい負荷に耐えうる品質が評価された。

暴れ馬を乗りこなすロデオライダー。負荷は相当なものだ。

【1980年代以降】世界的ジーンズブランドへ

カウボーイのライフスタイルブランドとしての強固な評価を獲得。数々の名作はヴィンテージ市場でも人気を博す。

【問い合わせ】
Wrangler(エドウイン・カスタマーサービス)
Tel.0120-008-503
https://wrangler-jeans.jp

この記事を書いた人
みなみ188
この記事を書いた人

みなみ188

ヤングTRADマン

1998年生まれ、兵庫県育ちの関西人。前職はスポーツ紙記者で身長は188cm(25歳になってようやく成長が止まった)。小中高とサッカーに熱中し、私服もほぼジャージだったが、大学時代に某アメトラブランドの販売員のアルバイトを始めたことでファッションに興味を持つように。雑誌やSNS、街中でイケてるコーディネイトを見た時に喜びを感じる。元々はドレスファッションが好みだったが、編集部に入ってからは様々なスタイルに触れるなかで自分らしいスタイルを模索中。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

革ジャン好きなら一度は通るべき! 「No,No,Yes!」の最上級オーダー“アルチザン”とは?

  • 2026.06.01

「世界にひとつだけの革ジャンを作る」。それは、レザーラバーの憧れだ。革好き注目のブランド「No,No,Yes!」が誇るオーダーメニューの中でも最上級に位置する「アルチザン」とはいったいなんなのか? その正体に迫る。 革ジャンの伝道師・モヒカン小川が実際に“アルチザン”を体験 これは単なる革ジャンの話...

アメリカンクラシックの原点「ディグナ クラシック」の[ジミー]なら、カラバリ・仕様も豊富で自分好みの1本が見つかる!

  • 2026.05.21

50sアメリカンスタイルを踏襲した「ディグナ クラシック」の[ジミー]は、シンプルなデザインやクラシックな世界観から多くの人に愛される名作。その人気ゆえ、仕様やカラーのバリエーションが非常に豊富な[ジミー]の全容をいま一度おさらいする。 955E“Jimmy”とはどんなメガネ? 1950年代にアメリ...

磨き続けた伝統が、新たな定番を生み出していく。「アリゾナフリーダム」の新作に注目

  • 2026.06.03

長く愛される定番には理由がある。そして、その定番を更新し続ける覚悟があるからこそ、プロダクツは生き続ける。今回、紹介する新作は、奇をてらった変化ではなく、受け継がれてきた意匠や職人技を礎にしながら、細部にわたり静かな進化を重ねた美しい作品たち。変わらないために進化し続ける。そこには揺るぎないクラフト...

働くヒトとヴァーグウォッチ。【vol.01靴磨き職人/「Chett」店主・大平雄太さん】

  • 2026.05.21

「Time is Money」=「時は金なり」。自身の仕事に誇りを持ち、日々働く人々は有限な“時間”というものを重んじ、身につけるプロダクトにも徹底的にこだわる。アンティークウォッチの旧きよきディテールを備えながら、手軽かつデイリーに使うことのできるヴァーグウォッチはそんな彼らの心強い相棒となる。 ...

夏を彩るカラーゴールド。「市松」定番の18金シリーズはカラバリ豊富で夏に欠かせないアクセサリー

  • 2026.05.18

湘南に工房を構えるオーダーアクセサリーブランド「市松」。1997年に創業し、その2年後から27年も続く定番の18金シリーズは、カラバリも豊富で、いまや欠かせないブランドの顔だ。プロダクツとしての魅力だけでなく、夏の装いにも重宝する。 「市松」の定番、特別な5色の18金 「酷暑日」という言葉が新たに発...

Pick Up おすすめ記事

磨き続けた伝統が、新たな定番を生み出していく。「アリゾナフリーダム」の新作に注目

  • 2026.06.03

長く愛される定番には理由がある。そして、その定番を更新し続ける覚悟があるからこそ、プロダクツは生き続ける。今回、紹介する新作は、奇をてらった変化ではなく、受け継がれてきた意匠や職人技を礎にしながら、細部にわたり静かな進化を重ねた美しい作品たち。変わらないために進化し続ける。そこには揺るぎないクラフト...

働くヒトとヴァーグウォッチ。【vol.01靴磨き職人/「Chett」店主・大平雄太さん】

  • 2026.05.21

「Time is Money」=「時は金なり」。自身の仕事に誇りを持ち、日々働く人々は有限な“時間”というものを重んじ、身につけるプロダクトにも徹底的にこだわる。アンティークウォッチの旧きよきディテールを備えながら、手軽かつデイリーに使うことのできるヴァーグウォッチはそんな彼らの心強い相棒となる。 ...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

落語家たちが洋装に身を包む会、第4弾! 落語会「師匠お似合いですよ」の舞台裏で注目の落語家たちをSNAP!

  • 2026.05.18

アメカジを提案するファッションブランド「ゴールデンベア」が主催する落語会、その名も「師匠お似合いですよ」。弊誌も師匠方のスタイリングを担当。第4回目となる今回も大盛況でした。楽屋裏で撮影したみなさまの素敵な着こなしをお届けします! 落語家たちが洋装に身を包む会「師匠お似合いですよ」の舞台裏に潜入! ...

日本人に最適化された新作の“JAPAN LIMITED”に注目!「MOSCOT」現代に引き継がれるアメリカンクラシックのDNA

  • 2026.05.20

1915年にNYで創業し、アイウエアデザインの王道を形づくった「モスコット」。多様なデザインで溢れるいまこそ、伝統に裏打ちされたクラシックな佇まいに惹かれる。 新作の“JAPAN LIMITED”のラインナップを紹介! 2016年よりスタートした“JAPAN LIMITED”は、インラインにはないノ...