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IMMOTORバッテリー日本上陸。オフグリッドで、電源を楽しみ、世界を救え!

本日10月3日、IMMOTOR(イモーター) BAYシリーズのバッテリーの発表会が渋谷TRUNK(HOTEL)において行われた。このバッテリーは543Whの容量を持つ巨大なバッテリーであり、アウトドア、災害時に役立つとともに、ソーラーバッテリーと併用することで、家庭内でオフグリッド電源として活用することができる。

もっとも特徴的なのは、海外で注目されているNFTを利用したGPN(GreenPower Network)に対応した最初のエネルギーソースだということだろう。IMMOTOR BAY 500は、10月11日からGREEN FUNDINGでクラウドファンディングを開始する予定。価格はBAY 500が7万8000円、BAY 1000が11万円台(税・送料を含む)を想定しているとのこと。

あのMophieのDaniel Huangさんが、IMMOTORで再登場

アップルファンなら、数々のモバイルバッテリーを提供してきたMophie(モーフィー)というバッテリーメーカーをご記憶のことと思う。とりわけJuice PackというiPhoneケースを兼ねたモバイルバッテリーは大ヒット作で、後にアップルに真似されたほど。そのMophieの創業CEOがDaniel Huang(ダニエル・ファン)さんで、彼はその後、IMMOTORブランドを起こし、電動スクーターや、そのインフラとしての交換バッテリーのシステムを構築し、世界60以上の都市で100万人以上のライダーを支援して1万回以上のバッテリー交換、27億kmの走行をサポートした。その貢献は4,680トンの鉛蓄電池の利用を抑制したことになるとのこと。

そのDanielさんがIMMOTORブランドで新たに『革新的なポータブル・グリーン電力』を提供するとのこと。その最初の1台がBAY 500だ。この後、容量が2倍のBAY 1000など多くの製品が提供されエコシステムを構築していくことになる。

ボディはアルミ削り出し、ハンドルは革製。

BAY 500は、AC出力、100WのUSB-Cを介するPD出力、USB-A、ワイヤレス給電などさまざまな出力を持つ543Wの大きなモバイルバッテリーだ。その点において、いくつかの会社から発売されているキャンプ用のモバイルバッテリーと同じような製品に見えるかもしれない。事実、そのようにも使える。

また、iPhoneアプリにも対応しており、現在何Wで充電していて、何Wを供給していて、これまで何回ぐらい使って、トータルで何Wを提供したのか?  などをすべて把握できるようになっている。

もっとも特徴的なのは、GPN(GreenPower Network)に対応した、最初のハードウェアであるということだろう。

充電して、NFTのトークンを得られるってどういうこと?

GPNはブロックチェーンを使ったweb3のテクノロジー。IMMOTORのBAYシリーズのバッテリーのデータはブロックチェーンの技術を用いて暗号化されており、ソーラーパワーなど再生可能エネルギーで充電されるとそれをトークンとして保存する。

グリーンパワーで充電することに価値があるという体験が形作られるのだ。

BAYシリーズはIMMOTORのアプリで充電、給電などをすべて管理できるが、それと同時に利用者が累積でどれだけグリーンパワーを利用したかを蓄積していく。この記録をブロックチェーンの技術を使ってNFTに記録するのが特徴的なところ。蓄積されたトークンはそれぞれのGPN NFTアバターを成長させていく。

ここ以降の話は、GPNという別組織が将来展開していこうとしてることで、IMMOTORが製品の仕様としてコミットしているわけではないが、IMMOTORのBAYシリーズを買うことによって、このGPNの仕組みを利用できる可能性がある……という感じに捉えるべきもののようだ。

web3やNFTの話を筆者が完全に理解しているわけではないので、そこを差し引いて読んでいただきたいが、このトークンはGPTとGPNの2種類が用意される予定。

GPTは再生可能エネルギーを使うことをゲーミフィケーションするトークン。

ソーラー、ウィンド、ライトニング、ハイドロ、ニュークリア、ダークマター、バイオマスの7種類のアバターを、トークンを集めることでレベルアップし、シールドやブーストというアイテムを追加して強化していくことができる。GPTではアバターをレベル40まで強化できる。

その後、レベル41以上になると、他の仮想通貨と兌換性のあるGPNの発行時に優位なスタートを切れる模様。このあたりは筆者も詳しくないので、GPNのサイトでご確認いただきたい。

Greenpower Network
https://www.greenpowern.com/

筆者の理解できる範囲から想像すると、GreenPower Networkは、再生可能エネルギーを作って利用することでトークンという価値が発生する仕組みを作ろうとしているようだ。おそらく、この543Whのバッテリーとソーラーパネル程度では(地球規模でいえば)大きな影響を与えることはできないとは思う。しかし、ゲーミフィケーションすることで、再生可能エネルギーを利用することを楽しみながら、それが評価される仕組みを作ろうとしているのだと思う。

この仕組みはオープンなものであるから、他のバッテリーメーカーや、国内家電メーカーなども参加することができる。多くの企業が参加することで、生活でのエネルギー消費のどれぐらいの割合を再生可能エネルギーでまかなっているかを立証できるトークンになっていくと思う。興味深い試みだ。

さらに、自動車メーカーや、大規模なインフラ企業などが参加してくるようになると、GPNは大きな価値を持つようになるだろう。IMMOTOR BAYの最大の付加価値は、そのGPNを産み出す動きの最初の一歩に関わることができるということだと思う。

ACポートも、DCポートもふんだんに用意

BAY 500の仕様の話に戻ろう。BAY 500は最大600Wの電力をアウトプット可能。ホットプレートや電子レンジなど大きな熱を発生する家電を駆動するのは、無理だが、スマホ、タブレット、パソコン、ディスプレイ、プリンター、スキャナーなどのIT機器はもちろん、照明、電気毛布、アウトドア用のクーラー、プロジェクターなどを動作させることができる。

アウトドアはもちろん、災害時にもおおいに役に立つはずだ。

BAY 500の本体前面にはDCの出力、入力に加え、PD 100Wまでの出力が可能なUSB-Cポート×2と、USB-Aポート×2が備わっている。また、中央にはLEDライトも用意されている。

BAY 1000の場合は、USB-Cポートが4つになり、DCの出力も2つになる。加えて、シガレットポートも備えられている。

背面にはAC100Wのコンセントが2つ用意される。

上面には、ワイヤレス充電装置が用意され、iPhoneなどを充電することができる。

アウトドアライフが大きく変わる

実際、アウトドアに持ち出した場合、BAY 500はどんな用途に利用することができるだろうか?

最も有効なのは照明だ。USBポートやAC電源で駆動できるLEDライトを用意すれば、壊れやすいホワイトガソリンのランタンなどを持ち歩く必要がなくなる。

ミュージックプレイヤーや、スピーカーを用意して、野外で静かな音楽を楽しむのもいいだろう。他のキャンパーの迷惑にならないようにはしたいが、焚き火を囲みながら音楽を楽しむというのは、新しいキャンプのスタイルになりそうだ。

熱を発生する家電は600Wを超えるものが多いが、アウトドア用の電気毛布は問題なく利用できる。秋になると標高が高い場所にあるキャンプ場は夜に想像以上に冷え込むことがある。そんな時に電気毛布が1枚あると、どれほど助かることか。寝袋にかけて寝るのもいいかもしれない。

冷却機能付きのクーラーボックスにもAC電源を利用できるものがある。従来は氷が溶けてしまえばあとはぬるくなるしかなかったし、食料品の保存には若干こころもとないものがあったが、BAY 500で電源を供給できれば、安全に食料品を冷やして保存できる。ビールだって冷たいものが飲める。

また、ソーラーバッテリーで給電しながら使えば、数日間のキャンプでも(天気さえ良ければ)電力を供給し続けることができる。

災害時にこれが役に立つことは言うまでもない。

デスク周りだけでもオフグリッドに

さらに、筆者が提案したいのが日常での利用だ。

ソファー周り、ベッドまわりにコンセントがない家は多いと思う。iPhoneや、Macなどをそこで使うために延長ケーブルを引き回している方も多いのではないだろうか? BAY 500を家庭内で使えば、何日かに1度充電するだけで移動可能な電源として使い続けることができる。

さらに、ベランダで太陽電池で充電してデスク周りなどで使えば、iPhone、iPad、Macなどをオフグリッドで利用し続けることも不可能ではない。

日常生活何もかもを再生可能エネルギーで賄うのはまだ難しいかもしれないが、デスク周りのiPhoneやMacだけでも再生可能エネルギーで賄っていくというのは現代的な試みだと思う。BAYシリーズを使っていれば、そうやっていくうちにトークンが貯まって、再生可能エネルギーを使っていることが評価されるワケだからさらに面白い。

GREEN FUNDINGでIMMOTORのBAY 500を支援し、自宅にオフグリッドのシステムを構築してみてはどうだろうか?

IMMOTOR BAY 500(GREEN FUNDING)
https://immotor.jp/

(村上タクタ)

この記事を書いた人
村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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