古着の違いはここで見極め! ヴィンテージワークシャツの魅力的なディテールをおさらいしよう

古着ブームは留まることを知らず、ヴィンテージは枯渇、値段高騰も甚だしい。そんな世間でスポットライトを浴び始めたのが、これからヴィンテージになりうる1970年代以降の「ネクストヴィンテージ」。ここでは、そんな古着たちを深掘りする。第21回目はヴィンテージワークシャツのディテールを改めておさらいしていく。カーハートのダブルニーパンツにディッキーズの874、デニムカバーオールと、古着市場ではここ数年ワークウエアが高く評価されている。そんな中、ワークシャツはあまり注目されていないように感じる。こんな古着らしいアイテムをノーマークなんて勿体ない。まずは、ヴィンテージワークシャツのディテールを復習してみよう。

チェンジボタンとペン刺しステッチ

前開きは通常のボタンで、胸ポケットのみチェンジボタンとなる。ボタンを装着するホールは、ミシンで丸くかがる菊穴仕様。勤務記録やメモ用にワーカー必須だったペンを収めるため、ポケット端には縦にステッチ入り。

濃いブルーコットン地のワークシャツ。ハノーバーによる40s。54,780円(デザートスノー 千葉 Tel.043-225-9600)

チンスト&チョコチン

トップボタンが付く、少し飛び出した台襟をチョコチン、ホールがセンターと先でも留められる仕様をチンストラップと呼ぶ。

マーブルボタン

名前通りのまだら模様のボタン。50s前後のワークシャツに稀に使用された。この珍しい色使いは生地に合わせたものと推測。

ハーフジッププルオーバー仕様の40s。グリーン杢のコバート生地が希少。217,800円(サンタモニカ原宿店 Tel.03-5474-1870)

チンストラップ

ボタンホール側の台襟部分が、センターより先で留めることのできるボタン留めストラップ。40s以前の仕様で、防風防塵のためとされる。

2枚袖

通常の1枚袖に比べ立体的で、フィット感を高める仕様。2枚袖はドレスシャツに多いが、ワークシャツでは年代の旧いモノに限られる。

着丈が長くラウンドテールが深い20s。浅めのフラップポケットも特徴的。132,000円(リカー Tel.03-5305-5103)

ダブルショルダー

肩で荷物を担ぐワーカーのために、ショルダー部分を補強した仕様。ベンチレーション用のホールが入る場合もあるが、こちらは無し。

カバーファスナー

ファスナーのギザギザした噛み合わさる“務歯”部分から風の侵入を防ぐため、生地が被せられている。スウェットなどでも見られる。

デパートメントストア「ヘイルブラザーズ」の40sプルオーバーシャツ。55,000円(リカー Tel.03-5305-5103)

名札用ホール

左胸ポケット上に名札を付けるため、ピン刺し用のホールが生地の補強を含め施される。ユニフォームシャツらしいディテール。

シンプソンズ社の生地

60s前後のアメリカのワークシャツの多くが、ここのポプリン生地を使用していたと思うほど、様々なメーカーのタグを見る。

アメリカ軍やUSポスタルサービスでも使用するエルベコの60s。27,930円(ステップアヘッド原宿本店 Tel.03-6379-4394)

この記事を書いた人
原田学
この記事を書いた人

原田学

断然古着主義

1972年京都府生まれ。『2nd』『Lightning』『CLUTCH』 を支えるスタイリスト。『2nd』での連載は通算200回を超え、現代の古着市場のリアルな声を反映したスタイリングには定評がある。ヴィンテージやアンティークへの深い知識を持ち、素材や背景を理解したコーディネートにファンも多い。自らの“好き“を詰め込んだ私的アーカイブ『the SUKIMONO BOOK』は、ファッション業界内でも愛読者の多い。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

記念すべき第1弾の革をモヒカン小川がプロデュース! AJLP活動報告。

  • 2026.09.01

ALL JAPAN LEATHER PRODUCT。略して「AJLP」なるビッグプロジェクトの活動報告。国産の原皮=地生(じなま)にこだわり、鞣しから縫製まですべてを日本で行う“オールジャパン”に価値を見出し、そのクオリティや魅力を伝えるべく動き出した革のプロたちのリアルドキュメンタリーである。同プ...

上海発・気鋭のアメカジブランド「REAL SIMONS」を知っているか?

  • 2026.08.30

近年アメカジが流行し、大きな発展を遂げている中国。同国で1984年に創業したレザーウエア工場の生産背景を元に2017年に始動したのが「リアル シモンズ」だ。ヴィンテージピースを現代的に再構築した高品質なプロダクトを手がける気鋭のブランドである。 元々は皆さんと同じ『Lightning』の読者だったん...

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

70を超えるレザーブランドが集う! 「Leathers Day TOKYO 2026」が五反田TOCビルで9月26・27日開催!

  • 2026.08.30

雑誌『Lightning』と兄弟誌『2nd』『CLUTCH Magazine』の3誌による、レザー好きのための大規模イベント。4度目を迎える今年は、初の東京会場での開催が決定! 普段なかなか手に取って実物を見ることができないブランドや、このイベントでしか手に入らないアイテムが揃う特別な2日間。さらに...

Pick Up おすすめ記事

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

上海発・気鋭のアメカジブランド「REAL SIMONS」を知っているか?

  • 2026.08.30

近年アメカジが流行し、大きな発展を遂げている中国。同国で1984年に創業したレザーウエア工場の生産背景を元に2017年に始動したのが「リアル シモンズ」だ。ヴィンテージピースを現代的に再構築した高品質なプロダクトを手がける気鋭のブランドである。 元々は皆さんと同じ『Lightning』の読者だったん...

記念すべき第1弾の革をモヒカン小川がプロデュース! AJLP活動報告。

  • 2026.09.01

ALL JAPAN LEATHER PRODUCT。略して「AJLP」なるビッグプロジェクトの活動報告。国産の原皮=地生(じなま)にこだわり、鞣しから縫製まですべてを日本で行う“オールジャパン”に価値を見出し、そのクオリティや魅力を伝えるべく動き出した革のプロたちのリアルドキュメンタリーである。同プ...

「VINTAGE PEANUTS」が約10年ぶりに復刻! 「ウエアハウス」の新作Tシャツ一挙見せ!

  • 2026.09.08

ミクロレベルまで研究し、古着と見間違うほどのプロダクツを現代に蘇らせるウエアハウス。当時の生産技術や時代背景までも丁寧に掘り下げられて完成した服は、限りなくヴィンテージに近い存在だ。そんな彼らが生み出す服こそ、オーセンティックと呼ぶにふさわしい。 装いのアクセントにユニークなTシャツを! ウエアハウ...