2ページ目 - JAPANブーツの聖地に拠点を置く、日本生まれのメンズブーツブランド7選

Makers|レザーから始まる独自のプロダクトデザイン

ポルシェや銀塩カメラ、英国製自転車など、靴以外のプロダクトデザインにも精通する手嶋さん。丁寧な手仕事から生まれる流麗なフォルムが人気の同ブランドであるが、そのインスピレーション源は、新たなレザーとの出会いだと手嶋さんは語る。

「レザーを見て、この革がもっとも活きる靴のデザインは、どんなものだろう?と考えることが、靴作りのスタートになることが多いですね。あとは眺めることを大切にしていて、型紙、木型、縫製したアッパー、完成したサンプルをその都度で様々な角度から眺めるんです。そうすることで俯瞰してデザインを捉えることができる。そこで細かな修正を行い、ひとつの靴がやっと完成するんです」

「メイカーズ」代表・手嶋慎さん|1978年生まれ。セレクトショップやヴィンテージショップのバイヤーなどを経て、2009年にメイカーズを立ち上げる。デザインから生産まで手掛け、近年はシューズのみならず、時計などのプロダクトも展開。

右はアパレル時代から愛用しているパラブーツに別注したMUSY。オリジナルのスウェードを用いて廃盤モデルを復活。中は十八番であるコードバンを用いたチャッカブーツのディール。左はマリアム社のホースバットを用いたボーンというモデル。右から129,800円、192,500円、92,00円

浅草にあるメイカーズの工房では、吊り込みや底付けなど、その靴の良し悪しを左右する工程を少数精鋭の職人がすべて行っている。デザインから生産はもちろん、サンプルの製作から自社製品のリペアまで行う。この環境があるため、ひとつのプロダクトに向き合い、妥協せずに徹底したクオリティを追求できるのだ。

【問い合わせ】
ディアドルフ
Tel.050-1721-7587

Home

WHEELROBE|アメリカの靴作りをメイドイン浅草でリファイン

ディレクターの工藤さんは、浅草育ちの生粋の江戸っ子。シューズのOEMや輸入卸業を手掛けていた父親の影響もあり、靴作りに従事することは自然なことだったと振り返る。ウィールローブはアメリカ靴好きの琴線に触れるコレクションを展開しているが、そのルーツは米国東海岸の伝統的な靴作りにある。

「2010年にブランドをスタートしたのですが、当初はアメリカ生産だったんです。メイン州にある伝統的なモカシン製法を得意とするファクトリーと靴作りに取り組みました。そこで得た経験が今のモノ作りの原点になっています。やはり距離的に離れていますし、より細かな点までこだわるために拠点を置く浅草に生産を移したんです」

「ウィールローブ」ディレクター・工藤類さん|1987年生まれ。浅草育ち。アメリカの有名ブランドの輸入卸業などを経て、2010年よりウィールローブをスタート。当初はすべてアメリカ生産であったが、2014年より拠点を置く浅草にて生産を始めた。

ウィールローブではアメリカを代表するタンナーであるホーウィン社からドイツのワインハイマーなど、世界中からレザーを厳選。手前のモックトゥはホーウィン社のクロムエクセルレザーを使用。奥のサイドゴアはワインハイマーのボックスカーフ。右/7,0400円、左/68,200円

短靴もグッドデザインが多くラインナップ。近年のヒット作であるオペラパンプスは、従来のグッドイヤーウェルト製法ではなく、ダイレクトウェルト製法を採用。それによってシャープなフォルムと快適な返りを実現。素材だけでなく、製法にもこだわるウィールローブらしさが詰まったモデルである。

【問い合わせ】
トライ・アップ
Tel.03-5824-3190
https://wheelrobe.com

SKOOB|多種多様な靴を製造してきたファクトリーブランドの矜持

スクーブの最大の特徴は、開発から製造までを一貫して浅草の自社工場で行っている点だ。それは、代表の笹野さんの掲げる“靴作りの理想の形”でもある。

「靴作りの本場である欧米の歴史あるファクトリーブランドの中には世界的評価を獲得しているブランドも多く存在します。OEMを請け負い、様々な形の靴を製造することで培われるノウハウやパターン作成、マテリアルの選定、そしてメイキングを一貫して行えるファクトリーがブランドとして台頭するのは自然なことだと思います」。

その点、スクーブにはOEMで培ってきた木型、フィッティング、デザインの蓄積があり、それらを活かした良品を生み出し続けている。

「1920〜30年代のアメリカのブーツであったり、クラシックなモノから着想を得ることが多いですが、単なるリプロダクトはしません。既に完成されたものを真似してもオリジナルには勝てないので、それらの良き部分を抽出し、培ってきたノウハウを活かした靴作りを続けています」

「スクーブ」代表・笹野康二さん|他業種で働きながら大好きであった靴の勉強を始め、その想いを抑えきれずに靴工場に転職。その後、職人仲間とともに2011年に浅草を拠点に独立し、2017年にオリジナルブランド、スクーブを立ち上げる。

1900年代初頭から中頃、職種や用途によって様々なシャフト丈の編み上げブーツが登場した。その歴史から着想を得た定番モデル。アッパーにはホーウィン社のクロムエクセルを採用し、シャフト丈は5、8、10インチの3種類。5インチ84,700円、8インチ96,800円、10インチ104,500円

ファクトリーのオリジナルブランドとしてスタートし、現在もビルトバックのブーツの一部のOEMを担うスクーブ。木型、デザインの作成、底付けまでの開発・生産のほとんどを一貫して自社工場で行っている。

【問い合わせ】
ブックス
Tel.03-5808-9042
https://skoob.co.jp/#

RENDO|シューズパタンナーの匠が作る美しいベーシックブーツ

レンドは2013年にスタートした指折りの実力派ブランド。オーナーの吉見さんは、英国留学時にロンドンコードワイナーズカレッジで靴作りを学び、帰国後はシューズブランドのパタンナーとして活躍した技巧派だ。ベーシックだけどどこかひと癖あるデザインこそ、当ブランドの真骨頂。

「2008年に独立してシューズパタンナーとして活動していたのですが、よりパターンを極めるには骨組となる木型を勉強しなければいけないと気付きました。そこでビスポークのトレーニング講座に通い、様々な方からのサポートを受けながら突き詰めていきました。そこで手応えを感じて、2013年にブランドを立ち上げました。パターンオーダーと既成靴を展開しているのですが、数年前よりシーズンテーマを設けて展開しています。自分の強みはパターンと、オーダー靴のノウハウを活かしてアトリエでサンプルまで作れる部分。今シーズンはバックトゥザベーシックをテーマに、素材やパターンにひと癖あるものを展開しています」

「レンド」代表・吉見鉄平さん|1977年生まれ。徳島県出身。イギリス留学時に靴作りを学び、帰国後にシューズパタンナーとして活躍、2008年に独立後、ビスポークの技術を学び、2013年にレンドをスタート。パターンオーダーも行う。

今シーズンは”バックトゥベーシック”をテーマにクラシックながらも、どこか一癖あるコレクションを展開。手前のGBSGサイドゴアは、独自のアプローチでモックトゥを製作。奥の7706チャッカブーツはチャールズFステッドのスーパーバック。右/106,700円、左/84,700円

店内には新作のコレクションだけでなく、これまで手掛けたオーダーシューズなども並び、吉見さんの幅の広さが伝わってくる。自身の手掛ける独創的なパターンに、美しい素材とラストが組み合わされている。

【DATA】
RENDO SHOE & REPAIR
東京都台東区浅草7-5-5 Tel.03-6802-3825 13時〜19時(土日祝は12時〜18時) 火、水曜休

【問い合わせ】
レンド シューアンドリペア
Tel.03-6802-3825
https://rendo-shoes.jp

The Ruttshoes & Co.|最上のレザーを浅草のクラフトマンシップで誂える

“一緒に同じ記憶を刻む”をコンセプトに、月に4日オープンするアトリエにて完全オーダー制という独自のスタンスを取るラッドシューズ。その大きな理由はお客様に最上の靴を提供したいという想いと、徹底したクオリティを追求しているため、裁断から底付けまで各工程で精鋭少数の職人を起用しているので生産数が少ないことからだ。

「心から信頼できる職人さんたちにお願いしているので、僕も含めて7人のメンバーで生産を行っています。ひと月で多くて50足程度しか作れず、現在はオープン日を月に4日ほどにしています。1つの木型をベースに幅をDかEを選んでいただき、製法や使用するレザーを選択することが可能です」

「ラッドシューズ」ディレクター・川村健さん|浅草のブーツブランドのスタッフなどを経て、2018年にラッドシューズをスタート。2020年より現在のオーダーシューズを始め、月に4日ほどアトリエをオープンしている。自身も職人として靴作りを行っている。

看板となっているコードバンモデルはすべてホーウィン社のものを使用。個体差がある革なので、数ある中から1枚を選び、それをベースに作ってもらえるのは靴好きにとって最高の体験。ホースバットやカーフなども展開する。右から102,300円〜、209,000円〜、88,000円〜

40年代のミリタリーラストを改良したオリジナルラスト168Mは、幅をDかEを選択可能。また、グッドイヤーウエルト製法のほかに、オプションでダイレクトウエルト製法、ハンドソーンウェルテッド製法も選べる。すべてのモデルにストームウェルトを駆使するのも特徴である。

(出典/「Lightning 2026年1月号 Vol.381」)

この記事を書いた人
みなみ188
この記事を書いた人

みなみ188

ヤングTRADマン

1998年生まれ、兵庫県育ちの関西人。前職はスポーツ紙記者で身長は188cm(25歳になってようやく成長が止まった)。小中高とサッカーに熱中し、私服もほぼジャージだったが、大学時代に某アメトラブランドの販売員のアルバイトを始めたことでファッションに興味を持つように。雑誌やSNS、街中でイケてるコーディネイトを見た時に喜びを感じる。元々はドレスファッションが好みだったが、編集部に入ってからは様々なスタイルに触れるなかで自分らしいスタイルを模索中。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

名作[ハリケーントップ]誕生から40周年! 「CHUMS」の「ハローウェア」が再登場

  • 2026.09.23

「チャムス」の名作[ハリケーントップ]の誕生から40年を迎える今年、「ハローウェア」が再登場する。そのコレクションを紹介する前に、まずはブランドが歩んできた歴史を紐解いていこう。これまでの歩みを知れば、「ハローウェア」をもっと楽しめるはずだ。 ハロー、懐かしくて新しいチャムス サングラスを川に落とさ...

毎日に、最良の定番。B.V.D.の「GOLD」は昔ながらの良さと、いま欲しいバランスを兼ね備えたTシャツ

  • 2026.09.16

長く愛されてきた定番には、変わらない理由がある。B.V.D.の「GOLD」もそのひとつ。肌着として培ってきた心地よさをそのままに、今の気分で一枚でも着られるリラックスフィットが加わった。昔ながらの良さと、いま欲しいバランス。その両方を備えた、新しい定番のかたちを見ていこう。 変わらない着心地にゆとり...

いつもの装いに、頼れる履き心地。この秋は、コートスニーカーとチロリアンシューズがあればいい

  • 2026.09.18

トラッドな装いになら、足元はやっぱり品よくいきたい。でも、履き心地だってこだわりたい。そんな欲張りな気分に応えてくれるのが「ロックポート」。クラシックな佇まいと快適さを両立した2足を紹介する。 品よく履けて、しっかり快適 「お洒落は我慢」とは言うけれど、格好よさも履き心地も譲れない。そんなわがままに...

ニューヨーク・ブルックリン発! 作業服由来のデイリーウエアはこう着こなす。

  • 2026.09.16

創業1904年、高層ビルの建設が相次ぐ当時のニューヨークでリアルワーカーに向けて、作業服を提供していた「ブルックリンオーバーオール」。そんな確固たる出自に由来する男服は、カジュアルウエアとして現代にDNAを継ぐ。 旧きよきデザインと生地づくりで飽きのこない王道のワークスタイル 40年代の個体をベース...

Pick Up おすすめ記事

イタリア・パルマで誕生。世界屈指のベルト「Anderson’s」、その生まれる場所へ

  • 2026.09.17

1966年、イタリア北部に位置する美食の街・パルマで創業したベルトメーカー「アンダーソンズ」。装いを完成させる“名脇役的存在”のベルトをメインとする稀有な存在にして、世界的な評価を獲得する某ブランドのプロダクトはどのように生まれるのか。その魂が宿る自社工場に足を運んだ。 イタリア・パルマの地に宿る6...

日本の技で蘇る、旧きよきアメリカンベーシック。100年前の起毛機を使った「DISCUS」のスウェット

  • 2026.09.18

「ディスカス アスレチック」の「MADE IN JAPAN」プロジェクト。和歌山で受け継がれる約100年前の起毛機とそれを支える職人の技。そのこだわりから生み出されるスウェットの魅力を追った。 スウェットの裏側に宿る百年起毛 1973年、アメリカで誕生した「ディスカスアスレチック」。その歴史を日本の...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

Why Banana Republic? 2nd編集部イチ押し「バナナ・リパブリック」アイテムと、ブランドの魅力を徹底解説

  • 2026.09.16

1978年にアメリカ・カリフォルニア州で創業したバナナ・リパブリック。クラシックとモダンが共存する唯一無二のスタイルや歴史を紐解くことで、我々が彼らのプロダクトを手に取るべき“理由”が見えてくる。(記事をご覧いただいた方への特典を最後に紹介しています) [caption id="attachment...

上野の2つの「SUN HOUSE」で、秋支度。おすすめのアイテムを聞いてきました

  • 2026.09.18

歩いてわずか30秒ほどの距離にある、上野ふたつのサンハウス。今回はそれぞれの店舗で、この秋おすすめのアイテムを聞いてみた。2軒を行ったり来たりしながら、そろそろ秋支度を始めよう。 上野のサンハウスは行ったり来たりが正解です 昨年のリニューアルを経て、アメ横に2店舗を構えるようになった「サンハウス」。...