JAPANブーツの聖地に拠点を置く、日本生まれのメンズブーツブランド7選

世界的な革靴の聖地といえば、英国・ノーザンプトンが真っ先に挙げられるだろう。産業革命期に靴産業が発展を遂げ、エドワードグリーン、クロケットアンドジョーンズ、トリッカーズをはじめとする名だたるシューメーカーを輩出した。こと日本においてノーザンプトン的な“靴の町”に位置付けられるのが浅草である。

浅草はジャパンブーツ聖地だ。

江戸情緒に溢れ、都内随一の観光地でもあるこの町になぜ、革靴が根付いたのか。

徳川家康によって開かれた江戸幕府の時代において皮革は、武士たちが身につける武具を製造するための必需品であったため、江戸城の城下町であった現在の浅草付近に腕利きの革職人が集まるようになったのがその始まりである。その後、近代化が進み、軍靴の需要が高まると、江戸時代の革職人が集った名残もあり、浅草には革の加工屋が多く存在した。

さらに、浅草との距離も近い千住地域に皮革製造の拠点が多かったことなど、地理的な要因もあり、多くの靴工場が設立されたのである。1970〜80年代にかけては主に婦人靴を中心に浅草の革靴産業が全盛期を迎えたのだという。

このような歴史的背景もあり、浅草には昔から続く小さな靴工房や部材専門店、加工所がいくつも存在する。つまり、国内で革靴ブランドを立ち上げるとなると、浅草はうってつけの場所なのである。

そして、1960年代のアイビーブームにはじまり、ヒッピー、アメカジなど様々な流行を経て日本のファッションが成熟した2000年代以降、この浅草を拠点に多くの革靴ブランドが創業。特にこの十数年で多くのブランドが台頭した。

ひと口に“浅草の革靴ブランド”といっても、パーツごとにいくつもの工場と連携しながら1足の革靴を作り上げるブランドもあれば、自社工場を持ちパターンから縫製、仕上げまでを一貫して行うブランドも存在するなど、その製造背景は千差万別。それぞれが自らが掲げるコンセプトの元、切磋琢磨し合いながらしのぎを削っている。

そこで、“革靴が熱い町”、浅草を拠点とし、かつ今回はブーツを製造している注目ブランドを7つピックアップして紹介する。

ROLLING DUB TRIO|メイドイン浅草を貫き通す実力派ブーツブランド

浅草を代表するブーツブランドのひとつであるローリングダブトリオ。“履き手を思いやる創意工夫がなければ素晴らしい靴は生まれない”という代表を務める徳永さんの信念に基づき、2007年の創業以来、一貫して職人の手作業にて靴作りを続けている。

20周年が見えてきた同ブランドであるが、基本的なスタンスは創業当時から変わらないと徳永さんは断言する。

「自分たちの靴はお客様ありきという考えは創業以来変わっていません。ただ創業当時は小さな工場で小規模でスタートしたため、生産数に限界がありました。『少しでも多くのお客様に商品を届けたい』という想いから、新たな機械を導入して、クオリティをキープしたまま、製法をハンドソーンウェルテッドからダイレクトウェルテッドに変更したり、職人の育成に力を入れたりすることで、生産数を増やすことができたのは成長した部分です。靴作りにおいては、定番モデルを展開しながらも、その時々のトレンドを考慮した新作を織り交ぜています」

「ローリングダブトリオ」代表・徳永克也さん|1979年生まれ。学生時代より靴作りを始め、2007年にローリングダブトリオを立ち上げる。靴職人でもあり、シューズデザイナーとして、同ブランドの他に東京サンダルなど、様々なプロダクトを手掛けている。

手前はマンソンラストをアジア人向けにモディファイした木型を用いたレースアップブーツのルーツ。真ん中は不動の人気を誇る定番のキャスパーで、イタリア産ホースバットを使った仕様。奥はM-42.5でミリタリーブーツを仏産の革で再構築。右から121,000円、99,000円、99,000円

浅草にあるフラッグシップストアにはフルラインナップで商品が並んでいる。新作も並んでおり、ローリングダブトリオの世界観を体感することができる。人気のため在庫のあるモデルは少ないが、足を運ぶ価値がある。

【DATA】
THE BOOTS SHOP
東京都台東区花川戸2-2-6 Tel.03-6802-8083 木金 15時〜19時(土日は13時〜) 月火水曜休

【問い合わせ】
ザ・ブーツショップ
Tel.03-6802-8083
www.craftbank.net/

SURE BOOTS|働く人のための本物のワークブーツを作る

幼少期から靴に夢中だった鈴木さんは、作り手として靴そのものへの情熱と同じだけそれを履く人への思いも熱い。工事現場や自衛隊で働く人の足元を見るたびに、もっと良い靴があればと考えを巡らせているという。

「働く人には、環境や用途に合った良い靴を履いていてほしいと思っています。だからこそ、靴作りにおいて一番大切にしているのは、ワークブーツとして働く現場において実用性のある“本物”であるかどうかということ。つま先の芯材は安全靴に使えるレベルのものを採用し、強度のある革を使いながらも甲の屈曲性は高めており、動きやすくタフな作りに注力しています。また、有名なスポーツシューズメーカーも使用しているカップインソールを初めから入れていたりと、履き心地にもこだわっています。靴が好きであるほど、『革靴とはこういうもの』という固定観念ができがちですが、こうして良い意味でプライドなく新しいものを取り入れている点も、シュアブーツの魅力かもしれません」

「ザ ジン フットウェア」代表・鈴木英明さん|小学生時代からスポーツ用品店に通っては靴の試着を繰り返していたという、生粋の靴好き。靴職人を目指し20歳で浅草の職人育成学校に入学。2014年にブラザーブリッジ、2023年にシュアブーツを設立。

ブーツは店舗から程近い工場で生産される。サイドゴアブーツならホールド力と歩きやすさ、チャッカブーツなら着脱のしやすさといったように、それぞれ環境や目的に応じた機能を備える。全て茶芯のステアハイドレザーを使用。上/69,300円、右/66,000円、左/82,500円

2025年3月にオープン。入谷駅から徒歩5分ほどの場所に店を構え、自社製品以外にも、アパレルや革靴のセレクトも行う。こだわりのインテリアの並ぶ広々とした空間で、ゆっくりと靴を吟味することができる。

【DATA】
THE ZINE FOOTWEAR CLUB
東京都台東区下谷1-12-23 Tel.03-5830-3102 14時~18時(土日祝のみ13時~) 月火水曜休

【問い合わせ】
ザ ジン フットウェアクラブ
Tel.03-5830-3102
https://thezinefootwearclub.com

この記事を書いた人
みなみ188
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みなみ188

ヤングTRADマン

1998年生まれ、兵庫県育ちの関西人。前職はスポーツ紙記者で身長は188cm(25歳になってようやく成長が止まった)。小中高とサッカーに熱中し、私服もほぼジャージだったが、大学時代に某アメトラブランドの販売員のアルバイトを始めたことでファッションに興味を持つように。雑誌やSNS、街中でイケてるコーディネイトを見た時に喜びを感じる。元々はドレスファッションが好みだったが、編集部に入ってからは様々なスタイルに触れるなかで自分らしいスタイルを模索中。
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