令和のウエスタンはここが違う! 「シュガーケーン」福富さんが提案する、王道とはひと味違うネオロカビリースタイル。

アメリカ西部の開拓時代、カウボーイや農夫たちが身に着けていた服装にルーツを持つウエスタンスタイルは、アメリカを象徴するファッションのひとつである。現代のアメカジブランドでも定番の要素として存在しているが、近年はそのウエスタンテイストをアクセントとして取り入れる動きが広がりを見せている。ここでは、そんなウエスタンデザインを提案するブランドのひとつ「シュガーケーン」の2025年版コーディネイトを紹介していこう。

横振り刺繍とエイジング加工が無二の存在感を放つ。

シャツ3万6080円、パンツ2万1780円/ともにシュガーケーン、Tシャツ7590円/ホワイツビル(すべて東洋エンタープライズ TEL03-3632-2321)、ベルト/HTC、シューズ/ジョージコックス

シュガーケーンの企画統括を務める福富雄一さんは、音楽をきっかけにウエスタンの世界に魅了されたそう。いわゆる1950年代の王道ロカビリーというよりは、1980年代に英国を中心に興ったネオロカビリーというジャンルに影響を受けた。

「’70年代後半ごろにロンドンパンクが台頭した影響でロカビリーが見直され、よりテンポが速く激しいネオロカビリーというジャンルに派生していきました。10代後半〜20代前半にかけて、そんなネオロカビリーにハマっていた私は、アーティストたちが着ていたウエスタンアイテムに興味を持ち、自分でも買ったり着用したりするようになったんです」。

スタイリングの主役は、SUGAR CANEからリリースされた新作のウエスタンシャツだ。

「ベースはウエスタンシャツの黄金期とされる1950年代に見られた王道の仕様ですが、見てのとおり、モチーフの刺繍と鋭いエイジング加工で、一枚でも十分存在感のあるシャツに仕上げています。両胸と背中にはネイティブ・アメリカンのブランケットに見られる幾何学模様を、左裾には雪や嵐を司るとされるサンダーバードの刺繍をあしらいました」。

アメリカ生まれの王道ロカビリーではなく、英国で隆盛したネオロカビリーがルーツにあるということもあって、王道のウエスタンブーツではなくDISPENSARYというブランドのスリッポンやGeorge Coxのブルースウェードシューズをウエスタンスタイルに取り入れるところが福富さんらしい。

「ベルトには、通称“ロンドンピラミッド”とも呼ばれる四角錐型のスタッズが付いていたり、足元にはジョージコックスを合わせたりと、英国のニュアンスもあるウエスタンアイテムを取り入れているところは、自分の“好き”が反映されていますね。ちなみに、このジョージコックスのシューズはブルースウェードレザーを使用しているのですが、ロカビリー界の王とも呼ばれるカール・パーキンスが『ブルースウェードシューズ』という曲を作っています。実はロカビリースタイルとも繋がりのあるアイテムなんですよ」

SUGAR CANE Lot No. SC29473 / BLUE DENIM WESTERN SHIRT EMBROIDERED AND AGED MODEL

シュガーケーンの定番として展開されているデニムのウエスタンシャツに、ネイティブな刺繍とエイジング加工を施したスペシャルモデル。ディテールは、黄金期とされる1950年代の仕様を同ブランドらしいクオリティの高さで再現している。3万6080円

雪や風を司るとされるサンダーバードの刺繍がアクセント。50年代らしい3連カフスと、白蝶貝を使った1点ずつ表情の違うボタンも魅力だ。

両胸にはネイティブアメリカンのブランケットに見られる伝統的な幾何学模様を採用。太番手の横振り刺繍は、どこか温かみもある仕上がり。

刺繍がヨークに跨っている点に注目。先刺繍ではなく、縫製してから刺繍を入れるため手間のかかる仕様。先刺繍では出ないアジがある。

【問い合わせ】
シュガーケーン(東洋エンタープライズ)
TEL03-3632-2321
www.sugarcane.jp

(出典/「Lightning 2025年10月号 Vol.378」)

この記事を書いた人
パピー高野
この記事を書いた人

パピー高野

断然革靴派

長崎県出身、シティーボーイに憧れ上京。編集部に入ってから服好き精神に火がつき、たまの散財が生きがいに。いろんなスタイルに挑戦したい雑食タイプで、ヨーロッパからアメリカものまで幅広く好む。家の近所にある大盛カレーショップの名を、あだ名として拝借。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

奈良の名セレクトショップ「アンボイ」代表がおすすめする『ファインクリーク』のレザージャケット4選

  • 2026.03.06

奈良県にある名セレクトショップ、アンボイ。今回はその代表である今西さんに登場していただいた。ファインクリークのレザーウエアを扱い、シンプルながら奥深い着こなしを提案する今西さんのセンスは、多くのレザーファンに支持され、奈良以外の関西近県からも大勢のお客がアンボイに足を運ぶ。今西さんのファッション哲学...

101周年を迎えた「Lee」、受け継がれし伝統の『COWBOW 101』『RIDERS 101』を継承する逸品が登場。

  • 2026.03.05

1925年に生まれた「Lee COWBOY 101」は、48年に「Lee RIDERS 101」としてリニュアールを遂げ、その後も進化を遂げながら時代を超えて愛され続け、今年“101周年”という節目を迎えた。そして、この名作のまたとないアニバーサリーを記念して特別なコレクションが登場。「Past&F...

ヘビーデューティど真ん中! レトロなデイパックに注目。

  • 2026.01.26

1977年に発売された『ヘビーデューティの本』という名著をご存知だろうか。当時数々の雑誌で、イラスト・ルポ(自ら現地に赴いて取材した内容をイラストを用いながら報告すること)を描いていた小林泰彦さんが手掛けた1冊で、いまだファッション好きにとってのバイブルとなっている。ヘビーデューティとは、「耐久性が...

【VAN×2nd別注】スポーティなレタードカーティガンでひと味違うアイビースタイルを。

  • 2026.02.03

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【VAN×2nd】トラックカーディガン[レタードワッペンセット] 日本にアイビーの礎を築いたブランド、「VAN(ヴァ...

Pick Up おすすめ記事

【Brown Brown×2nd別注】手のひらサイズの、ハンドペイントがま口ウォレット

  • 2026.02.13

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 大好評のハンドペイントがま口ウォレット。第3弾はとびきりアイビーなブルドッグペイント 発売のたびに好評を博している「...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

101周年を迎えた「Lee」、受け継がれし伝統の『COWBOW 101』『RIDERS 101』を継承する逸品が登場。

  • 2026.03.05

1925年に生まれた「Lee COWBOY 101」は、48年に「Lee RIDERS 101」としてリニュアールを遂げ、その後も進化を遂げながら時代を超えて愛され続け、今年“101周年”という節目を迎えた。そして、この名作のまたとないアニバーサリーを記念して特別なコレクションが登場。「Past&F...

【VAN×2nd別注】スポーティなレタードカーティガンでひと味違うアイビースタイルを。

  • 2026.02.03

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【VAN×2nd】トラックカーディガン[レタードワッペンセット] 日本にアイビーの礎を築いたブランド、「VAN(ヴァ...

奈良の名セレクトショップ「アンボイ」代表がおすすめする『ファインクリーク』のレザージャケット4選

  • 2026.03.06

奈良県にある名セレクトショップ、アンボイ。今回はその代表である今西さんに登場していただいた。ファインクリークのレザーウエアを扱い、シンプルながら奥深い着こなしを提案する今西さんのセンスは、多くのレザーファンに支持され、奈良以外の関西近県からも大勢のお客がアンボイに足を運ぶ。今西さんのファッション哲学...