「シュガーケーン」福富さん愛用の、卓越した技術とデザイン力が詰まったカバーオール。

カバーオールは、自身の服を汚れから守るために生まれた生粋のワークウエアだ。アメリカでは1920〜30年代にかけて、様々なメーカーが台頭し、その機能性やデザイン性を競い合い、大量生産品にはないこだわりの意匠が生まれた。そんなカバーオールをファッションとしてだけでなく、リアルに仕事でも使うワークウエアラバーたちをピックアップして紹介する。今回は本場仕込みのワークウエアを展開し続ける老舗「SUGAR CANE」企画統括の福富雄一さんにお話を伺った。

理想的な経年変化のヴィンテージを再現

海外でも高い評価を得ているジャパンデニムブランドの雄であるシュガーケーン。ディレクターである福富さんは、パタンナーとしてキャリアを積んだ経験を活かし、今でもサンプルを制作する際は、自身でパターンから縫製まで行う。アメリカンヴィンテージを史実や資料だけでなく、パターンという本質的な部分から解析できるのも、シュガーケーンのプロダクトに深みを与えている。そんな福富さんが愛用するカバーオールは、まるでヴィンテージと見間違えるユーズド加工が目を引く。

「多くのヴィンテージのパターンを分析した経験を生かし、オリジナルの型紙を引くときも、ワークウエアとしての本質を損なってしまうようなことはしないのが信条。このカバーオールは30〜50年代の良い部分を自分なりにミックスしたもので、作業しやすい本質的なパターンを守っています。デニムのエイジングの好みは千差万別だと思いますが、良い職人さんとの出会いもあり、このワークコートは所有するヴィンテージでもっとも理想となるエイジングを体現してもらいました。かなり気に入っています。仕事柄、様々なジャケットの色落ちをテストするため、夏以外は重ね着をして作業することが多いです。Gジャンの上にカバーオールを羽織るスタイルが自分の定番となっていますね」

「SUGAR CANE」ディレクター・福富雄一さん|デニムブランド「シュガーケーン」の企画統括。パタンナーとしての経歴を持ち、自らサンプルを試作して改良を重ねている。ディテールからパターンに至るまで、ヴィンテージワークウエアの魅力の再現を追求する職人。

インナーにはGジャンを合わせるのが福富さんの定番。当時のワーカーの定番的な合わせであり、デニムのコントラストが際立っている。ジャケットの品番はLot No. SC15708。

30〜50年代のディテールを組み合わせたデザインであり、カフスは1つボタンの戦後の仕様となる。パターンを引く際にも邪魔にならず、アームホールもゆったりと設計した。

ブランド:SUGAR CANE
生産国:Japan
素材:11oz Selvage Denim

(出典/「Lightning 2026年4月号 Vol.384」)

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