人気ブランドに聞いた、春のワーク&ミリタリー推しの一着。【WAREHOUSE & CO.編】

サラッと羽織れるワーク&ミリタリーウエアが欲しくなるこの頃。そこで、本誌が厳選したブランドが推す、この春にぴったりな一着をスタイルサンプルと合わせて紹介する。今回は「ウエアハウス」をピックアップ!

生産技術や時代背景までをも研究し、ヴィンテージを現代に甦らせる。それが「ウエアハウス」

生産背景や当時の時代背景などを徹底的に考察し、ミクロレベルまで研究することでヴィンテージと見紛うほどのプロダクトを生み出し続ける日本屈指のアメカジブランド。スウェットシャツやネルシャツ、ダウンジャケットからバンダナなどのアクセサリーまで、その守備範囲はかなり広く、ワーク&ミリタリーウエアも例に漏れず。膨大なアーカイブと資料から厳選してピックアップされたヴィンテージを忠実に再現したプロダクトは、現代におけるファッションアイテムとして、特にアメリカンカジュアルを愛好する幅広い世代の心を鷲掴みにし続けている。

【ワーク推しの一着】JOHN GLUCKOW by WAREHOUSE 1930s Neverlost Jacket

世界屈指のヴィンテージディーラーとして名を馳せるジョン グラッコー氏と「ウエアハウス」が共同開発したエンジニアジャケット。襟はテーラードジャケットにみられるラペルド仕様で、クラシックなムードが漂う。胸と裾に配置された4つのポケットは、カバーオールの黄金期ともいわれる1930年代に多くみられるディテールであり、左胸の変形ポケットはその最たる特徴だ。ポケットの角ばった形状やオリジナルのメタルボタン、部位によってシングル、ダブル、トリプルを使い分けたステッチワークなど随所にこだわりが詰まっている。3万9600円

「ワークウエアでありながらも襟の形状がややクラシックなので、武骨になりすぎないのがこのジャケットの魅力です。中にシャンブレー素材のワークシャツ、足元に〈レッドウィング〉のワークブーツを合わせてもコテコテになりすぎず、クリーンに着ることができます」(「ウエアハウス 東京店」店長・浅井耕太郎さん)

ヴィンテージのワークウエアやミリタリーウエアに多くみられる、付け替えが容易なチェンジボタンを採用。好みのボタンにカスタムして着用するのも一興だ。

カバーオールにおいて最も個性が出るとされるのがポケットの形状だ。ペンを入れるためのペンシルポケットが付く、エンジニアジャケットらしい作りである。

ラペルドの襟がクラシックなムードを醸し出す。チンストラップ付きの一般的なカバーオールに比べて胸元の開きが大きく、インナーとのレイヤードも楽しめる。

【ミリタリー推しの一着】USMC HBT P53 UTILITY JACKET FIRST-TIME CAMOUFLAGE ONE WASH

アメリカ海兵隊の[P53]ユーティリティジャケット。両胸のフラップポケットやボタン仕様のカフス、トップを除き比翼によって隠れたフロントボタンに加え、特筆すべきは珍しいパターンのカモフラージュ柄だ。ヘリンボーンツイル生地の上から顔料プリントによってマットな質感に仕上げている。この柄には“ウッドランド”や“タイガーストライプ”のような広く知られる一般名称が付いておらず、希少性の高い多色使いのデザインは存在感抜群。Tシャツやスウェットシャツの上からサラッと羽織るだけでコーディネイトの主役となる。4万3450円

「独特なカモフラージュ柄はかなり主張が強いので、インナーにはシンプルなTシャツ、パンツもオーセンティックな色落ちデニムを選んで“引き算”を意識しています。かなりミリタリー色が強いアイテムですが、形はベーシックな[P53]なので意外と合わせやすいんです」

両胸には正方形のフラップポケットが配置されており、フロントボタンは比翼仕立て。アメリカ海兵隊オリジナルの[P53]を象徴するディテールである。

濃淡2種類のオリーブ、ブラック、ベージュを組み合わせた多色使いのカモフラージュ柄を採用。顔料プリントによってマットな質感に仕上がっている。

カフスはボタン仕様。大きくプリーツが入っており、ボタンを外せば腕まくりも容易だ。ボタンはミリタリーウエアらしいオリーブの4つ穴ボタンを採用。

【問い合わせ】
ウエアハウス東京店
TEL03-5457-7899
www.ware-house.co.jp

(出典/「Lightning 2025年6月号」)

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みなみ188
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みなみ188

ヤングTRADマン

1998年生まれ、兵庫県育ちの関西人。前職はスポーツ紙記者で身長は188cm(25歳になってようやく成長が止まった)。小中高とサッカーに熱中し、私服もほぼジャージだったが、大学時代に某アメトラブランドの販売員のアルバイトを始めたことでファッションに興味を持つように。雑誌やSNS、街中でイケてるコーディネイトを見た時に喜びを感じる。元々はドレスファッションが好みだったが、編集部に入ってからは様々なスタイルに触れるなかで自分らしいスタイルを模索中。
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