今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。

スタイリスト・近藤昌さん|1956年東京生まれ。シップスの前身「ミウラ&サンズ」のオープニングスタッフを経て、1985年よりスタイリスト業を開始。ZOZOTOWNの立ち上げなどにも携わり、2022年より「ツゥールズ」を本格始動。東京と千葉の2拠点生活で得た気づきはものづくりにも反映されている
ウィズダム ツール PR/ デニムティアーズ ジャパンディレクター・吉岡レオさん|1993年東京生まれ。2015年、ユナイテッドアローズに入社、店舗スタッフ、「ユナイテッドアローズ&サンズ」バイヤーを経て2025年3月に退社独立。現在はトラッドなテーラードスーツで知られる「ウィズダム ツール」のPR、「デニム ティアーズ」のジャパンディレクターなどを務める

パンツのシルエットでトラッドをフレッシュに

近藤 レオくんは「ウィズダム ツール」という仕立て屋にも関わっていますけど、これからのスーツってどんなイメージを持っていますか?

吉岡 今は自由な発想でスーツを捉えている人が多くなりましたよね。ただ、ルールや基本を知ったうえで遊びを加えるっていうのが大事だと僕は考えています。でもそれができている人ってあまりいないと思うんですよね。

近藤 いろいろ知ったうえで崩していくのは重要ですよね。

吉岡 ユナイテッドアローズ時代にスーツのことを学びたくて1年くらいネイビースーツを着続けた時期があったんですけど、ルールに縛られすぎてしまって、半年ほどで「自分の好きなファッションってもっと感覚的なものだったよな?」と感じるようになってしまったんです。そこからはスーツでもジャケパンでも決まった枠組みのなかでどうやって感覚的な部分を加えていくかという意識に変わりました。ルールと自由な感性のバランスを楽しむということですね。

近藤 さっきルールって言葉が出ましたけど、今回はトラッドについて語り合いたくて。僕はトラッドの基本アイテムというのはずっと変わらないと思っているんです。ようは紺ブレ、チノパンなどですね。でもそれが今の時代にどんなシルエットで、どんなフィッティングになっているのかを知っておくことが大切なんじゃないかと。そのあたりどうですか?

吉岡 まったく同意見です。基本的な着方を知らなければ絶対にトラッドにはならないと思うんですよ。店で接客していたときによく伝えていたのが「デニム、軍パン、チノパンを持っていればひと通り何にでも合わせられます」ということ。パンツのなかでもこの3つは絶対に持つべきアイテムだと思うんです。いくつあってもいいですしね。

近藤 ある程度年齢がいったかたには「若い人のトレンドを取り入れましょう」ではなく「これが新しいトラッドですよ」と提案したいですよね。で、こちらにこんなパンツがございまして……(笑)

吉岡 おお!

近藤 細身じゃなく、今の気分を取り入れた太めのチノパンです。太めといってもスッキリきれいなシルエット。トラッド好きなおじさんはもちろん、若いかたにも「これだったら」と思ってもらえるんじゃないかな。レオくん、ぜひ試着してみてください。

軍パンみたいな感覚で合わせやすい!

吉岡 (着用して)いいですね、これ。僕はフレンチアーミーのチノパンが好きなんですけど、そんな雰囲気もあって。玉虫調の風合いがちょっと着こなしが難しいのかな、なんて思いましたが、全然そんなことないですね。

近藤 昔からあるトラッドショップが今の時代だったらどんなものを作るかな、というのをイメージしたんです。チルデンセーターとか[G‒9]といったトラッドアイテムに合わせるのもいいかな。

吉岡 ワイドパンツ未経験というかたでもトライしたくなるパンツと思いました。

近藤 トラッドでも現代の空気感をしっかり味わってもらえるアイテムに仕上がっているんじゃないですかね。

「ハリのある素材できれいなシルエットに仕上がりました。レザーシューズからスニーカーまでバッチリいけます」

TOOLS 2 TUCK CHINO TROUSERS

たっぷりとった渡り幅と裾幅でトラッドな面持ちのコットン・トラウザーズを現代的にアップデートした自信作。M、L、XLの3サイズ展開で吉岡さん着用のXLはウエスト約90センチ、裾幅約25センチ。ワイドパンツといいながらもご覧のとおりスッキリしたシルエットだ。裾はあらかじめステッチ仕上げ。写真のカーキのほか、ベージュも用意されている。4万2900円

経糸に超長綿、緯糸に自然な伸縮性を持つ「ソロテックス®」を用いたギャバジン。経緯別色の先染糸のため玉虫調となり表情豊か。着用時期が長いのも嬉しい

11月24日(月)まで、池袋東武百貨店5階4番地イベントスペースで商品展開中! ぜひこの機会に手に取ってご覧下さい!

TOOLSとは?

日常的に使う道具(ツール)を人の工夫やアイデアの結晶ととらえ、見た目のよさや利便性ばかりを追求するのでない、その人らしくいられるデイリー・プロダクトを提案するブランド。環境、SDGsを当たり前に意識しつつ、同時に近藤さんの長年にわたるスタイリスト活動で培った審美眼と本当の豊かさが詰まったユニークなアイテムは、幅広い層からの支持を獲得している。

【問い合わせ】
スタンレーインターナショナル
TEL03-3760-6088

(出典/「2nd 2026年1月号 Vol.216」)

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

今季の「Lee」はブランケット付きジャケットに注目せよ!

  • 2026.10.19

シグニチャーモデル「101」が101周年を迎えるなど、アメカジ好きに多くの話題を提供してくれるLee。そんなアメリカンデニムを代表する同ブランドの注目の新作は、ブランケットを携えたワークジャケットだ。普遍的なデザインと保温性に優れるという機能を備えるこの秋冬の相棒となる逸品を紹介する。 Leeのシグ...

バガブージャケット、40年目の原点回帰。現代に蘇った名作ジャケットの魅力とは?

  • 2026.10.20

1986年に誕生した〈コロンビア〉の名作「バガブージャケット」が、今年で40周年を迎えた。その機能とデザインは、フィールドだけでなく街へも広がっていった。40周年となる2026年、その原点を振り返りながら、現代に蘇った[バガブージャケット]を見ていこう。 Bugaboo II 1986 Interc...

ネイティブアメリカンの美しき手仕事。伝統を守りながらもモダンな表現を得意とする現代作家を紹介!

  • 2026.10.08

ネイティブアメリカンのヴィンテージや工芸品を通して、彼らのカルチャーを伝えるCORNERS。今回は伝統的な手法を守りながらも、モダンな表現を得意とする現代作家をピックアップ。もの作りが乏しくなった今の米国だからこそ、余計に強く輝いているのだ。 Pamela Brown 1868年から続くナバホ族の織...

「Wrangler(ラングラー)」の名作、スタッズを纏う。レザーラバー垂涎スウェードモデルも登場!

  • 2026.10.19

ワークウエアとしての機能だけでなく、ファッション的視点を取り入れることで独自の立ち位置を築いてきた3大ブランドのひとつでありデニム界の異端児・Wrangler。そんな彼らの受け継がれし不朽の名作に“スタッズ”が施された特別モデルが登場した。 “スタッズ”で作るネオ・ウエスタンスタイル ラングラーとい...

Pick Up おすすめ記事

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

武骨な男服に効かす超繊細なメタルフレーム。「ディグナクラシック」の新作に注目

  • 2026.10.09

フライトジャケットやデニムなどの武骨な服に合うメガネで王道として挙がるのはプラフレームの場合が多い。だが、そんな武骨さのなかに繊細さを潜ませギャップを楽しむという意味ではメタルフレームも有用だ。 細かな彫金が施されたディグナクラシックの新作 今季展開されるメタルの新作は計6型で、それぞれにシルバーと...

FINE CREEKを世界でいちばん熱く語る男。

  • 2026.10.07

この男恐るべし、である。北海道・帯広にあるセレクトショップ、...Dannyオーナー、河合裕介さん。彼のセレクトスタイルは一貫している。自分の愛せるものしか、ショップに置かないのだ。「売れるモノ」をセレクトするのではなく、「自分の売りたいモノ」のみを並べる。この時代にあって、その姿勢はまさに「愚直」...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

世界中で探し求める最上の素材。「THE FAT HATTER」秋冬コレクションをクローズアップ!

  • 2026.10.07

日本が世界に誇るハッターであるTHE FAT HATTERの秋冬コレクションをクローズアップ。今回のシューティングでは、それぞれの正義や美学をぶつけ合う場に向かう男たちを表現。彼らの強い決意と威厳を表現したような力強いハットが、精悍な雰囲気を醸し出している。ハットの良し悪しを大きく左右するフェルトは...