リペアカスタムの範疇越え!? これがヴィンテージの“魔改造”だ!

ヴィンテージから最先端のモードまで精通するオーベルジュの小林さん。サイズなどの問題で着られなくなってしまった古着やヴィンテージを“魔改造”として称して、自らがミシンを踏み、モダンにカスタマイズしている。実は不定期イベントでは、お客さんからのカスタムオーダーで魔改造イベントも開催しており、大盛況なのだ。

愛を持って着られるヴィンテージにカスタム。

「オーベルジュ」デザイナー・小林学さん|1966年生まれ。神奈川県藤沢市出身。文化服装学院を卒業後に、フランスへ遊学。海外の有名デニムブランドの企画などを経て、独立した

大のヴィンテージ好きである一方で、フランスに留学していたこともあり、モードや欧州のサブカルチャーにも精通する小林さん。また縫製の技術を持ち、パターンも熟知しているため、そのセンスとテクニックで様々な古着を“魔改造”として称してカスタムしている。しかしそこにはしっかりとヴィンテージ愛がある。

「ヴィンテージ好きとしてハサミを入れてしまうことに躊躇はあったのですが、着られなくなってしまったものもあり、宝の持ち腐れだと。それなら今の視点で着られるように、改良しようと思ったのがきっかけ。着られるヴィンテージを魔改造するようなことは避けています。

当初は自分だけで楽しんでいたのですが、ディーラーさんからの要望もあって、不定期ですが、お客様の要望を繁栄した魔改造イベントを行っているんです。ありがたいことに毎回、完売するのですが、すべて自身でやるので大変なんです(苦笑)」

旧き悪きを旧きよきに改良する。

ヴィンテージデニムがモダンなフレアに!

サイズアウトしてしまった517の66モデルをバギーブーツカットシルエットにモディファイした力作。アウトシームはそのままに、インシームを解き、デニム生地を足すことで、バギーシルエットに変更。もともとのブーツカットのシルエットも活かしている。

魔改造の経験を活かした加工モデル。

オーベルジュの加工デニムは、今シーズンにリリースされたスペシャルアイテム。カート・コバーンが愛用していたデニムからインスパイアされたリペアを施している。オリジナルは上から叩いているが、酷似した生地を裏から当てることで強度を高めた仕様にしている。8万5800円

’50sのニットの弱点を改良。

雰囲気は抜群であるが、サイズ感やチクチクする素材感がウィークポイントである’50sのニット。サイドに同色のニットは継ぎ足し、肌が当たる首元のリブを交換することで、すべてのウィークポイントを改善。着られなくなってしまった古着を蘇らせた。

’90sの復刻501XXをモダンに仕上げる。

近年、プライスが上がっている’90年代のバレンシア工場の501XXをリメイク。あえて前後で異なる個体をドッキングして、ウエストやシルエットをワイドに再構築した小林さんならではのアイディアが光る1本。膝部分にもダメージ加工をしており、てんこ盛りの内容。

ポケットを古生地で洒落たリペア!

フランスのモールスキンを用いたオーバーオールは、朽ちる美しさを体現したようなエイジング。フロントとバックのポケットが取れてしまったので、ヴィンテージの生地を使った再構築。まるで当時にリペアされたような雰囲気に仕上げている。

王道ストレートをテーパードに!

ベースはバレンシア工場の501XXだが、テーパードシルエットに魔改造したもの。またウエストを継ぎ足しており、それもアクセントになっている。一見、地味に見えるカスタムであるが、イベントでは一番人気だそう。

【問い合わせ】
ホワイト代官山
TEL03-3770-5931
https://auberge.shop

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning 2024年2月号 Vol.358」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

オリジナル建材で古民家をスタイリッシュにリニューアル! ビフォーアフターを大公開!!

  • 2025.12.28

2025 年の夏の時点では床だけが施工されただけの古民家を再び訪れると、当時とはまったく違う姿になっていた。カントリーベースはこの家にどんな魔法をかけたのか? 何でもない空き家が宝物なる材料と技術 [caption id="attachment_887933" align="alignnone" w...

上質な馬革をシンプルに愉しむ。石炭(COAL)を運ぶために使われていたコールバッグという選択肢

  • 2025.12.27

きめ細かく美しい銀面を持つことで知られる馬革。軽くて強靭、上品な質感、そして使うほどに味わい深い経年変化で、多くのレザーファンたちを魅了し続けてきた。そんな馬革をシンプルに愉しませてくれるのがINCEPTIONのコールバッグだ。 ヴィンテージをベースに、実用性を加味し再構築。 19世紀末から20世紀...

こんなコスパのライダース、見たことある? 「中田商店」のオリジナルブランドのライダースを侮るなかれ!

  • 2025.12.29

東京・上野にある老舗ショップ、中田商店。そのオリジナルブランドが「モーガン・メンフィスベル」だ。中田商店というと、ミリタリーのイメージが強いが、モーガン・メンフィスベルでは、ミリタリーをはじめ、様々なレザーウエアを展開している。もちろん、ライダースのラインナップも豊富。今回は珠玉のライダースを紹介す...

アメリカンヴィンテージやヨーロッパのアンティーク品や建築物からインスパイアされた「ホリゾンブルー」のジュエリー

  • 2025.12.28

宝飾品と呼ぶべき繊細で美しいジュエリーを世に送り出し、国内外で人気を集めるHorizon Blue Jewelry。アメリカンヴィンテージだけでなく、ヨーロッパのアンティーク品や建築物など様々なものからインスパイアされた逸品は、大量生産できないため入手機会の少ない希少な存在だが、ここでは今後発売する...

映画で観た欧米のクラシックな世界観をモダンに昇華。“好き”が詰まった空間で暮らす!

  • 2025.12.30

衣食住は、私たちが生活するうえで必要不可欠な要素である。なかでも日々の生活と最も密接に結びつく住居には、ひと際こだわりたいもの。自分のお気に入りの空間を作るための選択肢のひとつに、リノベーションがある。 “三人四脚”で作り上げた理想の居住空間 兵庫県芦屋市。豊かな自然と落ち着きのある街並みから関西で...

Pick Up おすすめ記事

「ORGUEIL」が提案する、凛冬を彩る大人のガーメンツ。

  • 2025.12.26

凛とした寒さが日に日に増し、コーディネートが重くなりがちな季節。クラシックなデザインと丁寧な作り込みのORGUEILのクロージングが、いつものスタイルを格上げしてくれる。さりげなく上質で存在感のある一着が、冬の日々を彩ってくれるはずだ。 Aniline Steer Oil A-1 Jacket 19...

上質な馬革をシンプルに愉しむ。石炭(COAL)を運ぶために使われていたコールバッグという選択肢

  • 2025.12.27

きめ細かく美しい銀面を持つことで知られる馬革。軽くて強靭、上品な質感、そして使うほどに味わい深い経年変化で、多くのレザーファンたちを魅了し続けてきた。そんな馬革をシンプルに愉しませてくれるのがINCEPTIONのコールバッグだ。 ヴィンテージをベースに、実用性を加味し再構築。 19世紀末から20世紀...

憧れの平屋が実現できる! かつてスクリーン越しに憧れたアメリカンハウスで暮らす

  • 2025.12.31

かつてスクリーン越しに憧れた、夢が詰まったアメリカンハウス。到底叶わないと思っていたその景色が、実は日本でも実現できるそうなんです。新婚ホヤホヤの編集部員、パピー高野とジョージが、アメリカンスタイルを得意とする、埼玉県を中心に海外スタイルのお家を手掛ける注文住宅・輸入住宅の専門店「古川工務店」の住宅...

映画で観た欧米のクラシックな世界観をモダンに昇華。“好き”が詰まった空間で暮らす!

  • 2025.12.30

衣食住は、私たちが生活するうえで必要不可欠な要素である。なかでも日々の生活と最も密接に結びつく住居には、ひと際こだわりたいもの。自分のお気に入りの空間を作るための選択肢のひとつに、リノベーションがある。 “三人四脚”で作り上げた理想の居住空間 兵庫県芦屋市。豊かな自然と落ち着きのある街並みから関西で...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。