デニム業20年の達人が教える、ブラックデニムの魅力と旬な着こなし方

黒色名品は数あれど、やはり2nd読者として絶対に見逃せないのがブラックデニム。しかし、いま穿くべき正解の一本はどんなモノ? そこでデニム業20年の達人に黒デニムの持つ魅力にはじまり、旬な着こなし方を細かくレクチャーいただいた。

黒の持つトーンの違いにも注目したい

人気デニムブランド「オーセン」の代表でありデザイナーを務める前村拓実さん。かつてリーバイスのジャパン社に始まり、アジアや米国本社においてデザイナーを歴任した経験を持つ。そんな達人も普段からブラックデニムを愛用すると言う。

「ブラックデニムは1970〜80年代にファッションアイテムとして認知され、以降定番として支持を広げました。もちろんジーンズなど、デニムのメインは今もってブルー。ですがシックな装いを好む人に継続的に選ばれていると思います」。

かく言う前村さんも、装いに変化を付けたいシーンではブラックをチョイスする。

「ブラックデニムはどこかクールで洗練された印象。ですのでいつもの服装も、ジーンズをブラックに替えるだけで洒落た雰囲気になります」。

そこで前村さんに、現在お気に入りの黒デニムスタイルをふたつご提案いただいた。

「どちらもカジュアルな装いですが、黒で締めることにより、洒脱なメリハリや落ち着いたルックスに仕上がります。これは自分の好みになりますが、細身よりはやや太めのフィットを、そしてテーパードよりはブーツカットや先細りでないストレートを選ぶのが、今の気分」。

また、前村さんはブラックにもバリエーションがあると指摘。

「新品の濃いブラックと洗いざらしのグレーイッシュなブラックに加え、縦緯の織り糸の違いでもトーンが変わります。またオーバーダイを経たブラックの微妙な味わいなど、さまざまな黒デニムに合わせ、着こなしを考えるのも面白いと思います」。

「オーセン ジャパン」前村拓実さん|デニムブランド、オーセンの代表にしてデザイナー。日本人として初めてリーバイス、サンフランシスコ本社にて、デザイナーを務めた経歴を持つ。足掛け約20年のデニム達人

達人によるブラックデニムの今季らしいこなし方

ブラックデニムはどのように穿くのが正解か? 前村さんオススメコーデの2例をピックアップ。ともにカジュアルだが、適度に洗練されたやや綺麗めな着こなしがポイント。大切なのはタイトではなくゆとりあるシルエットの選択。ピリッと締まりながらも、肩肘張らない軽妙な洒落感が楽しめる。

上下ブラックならさらに 洗練されたルックスになる

ブラックのデニムonデニムスタイル。黒色の持つクールな印象が十分に楽しめるコーディネイト。太もも部分にゆとりあるテーパード型デニムが、スタイルにほど良いメリハリをもたらしてくれる。ジャケット3万5200円/オーセン(ラフォエム info@authenjapan.com)、その他前村さん私物

ミリタリースタイルも シャープな雰囲気に仕上がる

ミリタリーなファティーグジャケットを軸とする着こなしも、ブラックデニムで固めれば土臭さも和らぎ、スマートに引き締まった雰囲気。やや太めのストレートレッグのデニムが、男らしさと安定感をもたらす。キャップ8800円、パンツ3万3000円/ともにオーセン(ラフォエム info@authenjapan.com)、その他前村さん私物

ブルーデニムの場合……

ミリタリースタイルにブルーデニムの合わせは、ある意味テッパン。ただし、ともするとワイルドさが先行しがちに見える場合も。そんな時は迷わずブラックに替えてみよう。

微妙に異なる“黒”のニュアンスを穿き分ける

染め方や洗いの回数によりトーンが異なるブラックデニム。先染め生地でも緯糸に白糸を使用した場合は、比較的軽快でカジュアル感が強い。同様の先染め生地でも、縦緯黒糸の場合は黒のトーンも深くシックな印象。また前村さんは、ブルーデニムにブラックオーバーダイしたモデルを愛用。

デニムマスターの前村さんは、ブラックデニムも数種類ストックしている。トーンやシルエットの違いで着こなし方を変えるという。だから完成度の高い装いになるのだ。

先染め(経糸黒、緯糸白)

 

先染め(経糸黒、緯糸黒)

 

後染め(オーバーダイ)

(出典/「2nd 2025年12月号 Vol.215」)

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