ノーマルでも映画『ワイルドスピード』に出演できるだろう最強で最速のマスタングが発表された。

フォードを代表するモデルでもあるマスタングから「ここまでやるか」のハイパフォーマンスモデルが発売されるというニュースが。マスタングといえばクルマ本来のスポーツ走行が楽しめながら、世代や性別を問わず楽しめるクルマとしてフォードを代表する名車。

そんなマスタングから歴史上もっとも速いモデルを作っちゃうよというアナウンスが。

その全貌はアメリカブランドならではの「やるならとことん」という姿勢をひしひしと感じるとんでもないスペックで登場するという。

買えるかどうかは別として、こういうモデルがメーカー純正で登場するってのは、アメリカのクルマ好きが歓喜するニュースであることは間違いない。

アメリカ映画のカーチェイスに使われることもそう先の話ではないかもしれない。

純正で800馬力のモンスターが市販されるとは。

マスタング史上、公道走行可能な最強モデルとして発表されたのがマスタングGTD。ベースとなるのはマスタングGTとはいえ、もはやそのスタイルはまったくの別物になっている。

オーバーフェンダーで拡大された前後の車幅や、羽根のようなウイングを装着した姿は、これまで歴史上のマッスルカーとはまた違う、世界基準のスーパーカーな出で立ちで登場した。

それもそのはず、このモデルはレースカーとして開発されたマスタングGT3のコンセプトをベースに公道走行モデルとして開発されたもの。

といっても見た目だけで無く、エンジンから足周りまでまったく違う別モノといってもいいくらい手が加えられている。

見えない部分ではカーボンファイバーのドライブシャフトを採用し、ボディにもカーボンを多用することで、スポーツカーとしては理想的な前後50:50の重量バランスを実現させている。

気になるエンジンは5.2リッターのV8にスーパーチャージャーで過給、しかもエンジンオイルはドライサンプ式にするなど、かなりのアップデートがされている。そのスペックはメーカー発表で800馬力というから驚き(一般的なクルマは300馬力でも十分ハイパフォーマンスといえる)。組み合わされるミッションはデュアルクラッチの8速。もはや市販車とは思えないオーバースペックだけど、これを真面目に作って真面目に販売してしまうというからおもしろい。

もちろん限定車だけど、気になる価格は30万ドル(約4500万円)という、スペックだけでなく、価格も史上もっとも高いマスタングになりそう。

通常のマスタングが約3万ドルの定価で販売されていることを考えるとこれは驚きの価格。発売は2024年後半から2025年初頭だともう発表されている。

公道走行が可能なレーシングカーなんて、将来のプレミアカー必至のスペシャルなモデルになりそうだ。

ライバル車でもあるダッジ・チャレンジャーにはレース用のエタノール燃料を使用して1025馬力、ハイオクガソリンで900馬力というデーモン170という限定モデルが存在しているだけに、この流れ、かつて存在したマッスルカームーブメントを思わせる攻防になってきている。

どちらもセレブの趣味のクルマになりそうだけど、1970年代に終わったと言われているアメリカ車のパワーウォーズはまだ終戦していなかったのかもしれない。

フロントの張り出し具合もハンパない。グリルの中央には野生馬のエンブレムが装着されるが、通常のハイパフォーマンスモデルであるダークホースモデルと同様にブラックアウトしているところがただのマスタングとは違うよとアピールしている。photo by Ford Motor Company
大きく張り出したリアのオーバーフェンダーや、リア下部にとセットされた巨大なマフラーエンド(マフラーはチタン製)によって、リアスタイルはかなりマッチョに変身する。キャビン部分がえぐれたデザインが「走り」を感じさせる。photo by Ford Motor Company
全長はノーマルのマスタングと変わらないが、巨大なウイングやフロントサイドに設けられたエアバルジなど明らかにスパルタン。ノーマルのマスタングよりも約4cm低くなった車高に専用のエアロパーツがセットされることによって、ただ者ではないスタイリングになっている。photo by Ford Motor Company
この世代の特徴的なデザインとなったえぐられたリアにはノーマルのマスタングとは違ってハニカム型のメッシュグリルを装備して軽量化。中央には野生馬ではなくGTDのエンブレムが装着される。photo by Ford Motor Company
ホイールは20インチで、アルミとマグネシウムがチョイスできる予定。タイヤはフロント325、リア345mmという極太仕様が標準だ。中に見える巨大なブレーキはカーボンセラミックタイプのブレンボ製が採用される。photo by Ford Motor Company
ボディサイドのエアバルジはオーバーフェンダーの上部まで空いていて、エンジンや足周りの熱を効率的に逃がすように工夫されたデザインになっている。photo by Ford Motor Company
この記事を書いた人
ラーメン小池
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ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
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