青春の一足であり、永遠のスタンダード。
’90年代のレッドウィングの大ブームが直撃した我々アラフォー・アラフィフ世代にとって、その定番モデルとして摺りこまれているのが、今回紹介する#875である。なにせ当時はあらゆるファッション誌がこの6インチ丈のモックトゥが取り上げ、ヴィンテージジーンズと合わせた着こなしを打ち出していた。それを憧れの眼差しで眺めていたのだから、#875は我々の中でレッドウィングの代名詞なのだ。
しかし、実際このブーツにはそれに呼応するだけのポテンシャルがある。ヴィンテージがお好きな方ならお分かりだと思うが、実は’70年代以降、アメリカの様々なブーツメーカーが、このモデルに似たものをずっとリリースしている。つまりアメリカでも当時から人気があったというわけだ。
#875というモデルは、’50年代に誕生した。先にリリースされていた8インチ丈の#877などと同じく、ハンティングモデルに付けられた『アイリッシュセッター』というシリーズで発売されたものである。
絶妙なハイトに加え、ハンティング用に開発されたトラクショントレッド・ソールの履き心地が、実は都会のアスファルトの上でも歩きやすく、かつファッション的にも着こなしを選ばない万能さを秘めている。四季を問わずに履くことができるブーツ、#875。まさに唯一無二の存在といって過言ではないのである。
1年を通じて履けるのが#875の魅力なのだ!
アメリカのいわゆるワークブーツにカテゴライズされるモデルで、
季節を問わずに着こなしも選ばず履くことができるモデルなんて他にはない。しかもポップな着こなしから厳つい着こなしまで、その汎用性は非常に高い。これが#875 の凄さなのだ。
【春】
春はGジャンが活躍するシーズン。デニムと#875の組み合わせは鉄板なので、ボトムをチノパンや軍パンにしても楽しめる!
【春】
スウェットシャツと白パンやホワイトジーンズの着こなしなら革靴でもいいけど、実は#875でもこんなにオシャレにまとまる。
【夏】
夏のショーツスタイルは、#875と相性抜群。チラ見せする靴下の色味とトップスの色味を合わせることで、全体にまとまりが生まれる。白Tシャツを挿すことで爽やかな印象が強くなる。
【秋】
秋もGジャンが活躍する。ウールやネルを中に着ると王道のワーカ
ースタイルになりがちなので、スウェットパンツで遊びをプラス。
【冬】
冬は基本的にはダークトーンが多い。そこでアウター、もしくはインナーや帽子を#875と同系色にする全体がきれいにまとまるのだ。
他にもまだある! オススメの万能ブーツ。
レッドウィングの万能なブーツは#875 だけじゃない。ここではオススメしたい他のモデルを紹介する。すでに#875 をお持ちの方はぜひご検討くだされ。
1.RED WING #8875 6” CLASSIC MOC
’90年代の赤みの強いオロラセット・レザーを再現したオロラセット・ポーテージというレザーを使い、’96年に日本市場向けに投入されたのがこの#8875だ。4万5870円
2.RED WING #8833 6” CLASSIC MOC
1989年に日本企画として誕生したベージュのラフアウトレザー「ホーソーン・アビレーン」を使った#8173の進化版としてリリースされた新モデル。このベージュのラフアウトレザーが着こなしを柔らかに見せてくれるので、汎用性は非常に高い。4万5870円
3.RED WING #8864 6” CLASSIC MOC GORE-TEX
ラセット・タオスという風合い豊かな防水レザー、ライニングにゴアテックスを使った、最強の防水仕様ながら、カジュアルに着こなせる見た目をキープ。5万5550円
4.RED WING #3192 CLASSIC CHELSEA
英国の乗馬用ブーツがルーツのサイドゴア・ブーツ、” チェルシー”に、コーヒー・トラクショントレッド・ソールを組み合わせて上品さとカジュアルさを両立させたモデル。4万3450円
5.RED WING #3190 CLASSIC CHELSEA
上の#3192のラフアウトレザー「ホーソーン・ミュールスキナー」に対し、こちらはオイルが豊富なプルアップレザー「アンバー・ハーネス」を使用。その他は同じ仕様だ。4万3450円
6.RED WING #9198 POSTMAN ROMEO
1954年に誕生し、制服を着て働く公務員のサービスシューズとして誕生したポストマン#101と、1920 ~’30年代にルームシューズから外履き用に昇華したロメオを組み合わせた、レッドウィングの定番オールブラックシューズ。4万2350円
(出典/「Lightning 2023年5月号 Vol.349」)
Text/T.Miura 三浦正行 Photo/S.Kai 甲斐俊一郎
関連する記事
-
- 2024.11.16
キズもデザインに。革に対する「新たな気づき」を教えてくれるクリンチの新プロジェクト。
-
- 2024.11.06
PALLADIUM(パラディウム)からJOTT(ジョット)とコラボしたブーツが登場。
-
- 2024.10.30
日本有数のフィニッシャー、レーデルオガワ謹製のコードバンブーツがヤバイ。