所有して20年以上。アメリカ旧車を乗り続けるライフスタイル。

随一のアメリカ車好きであり、自身も数々のアメリカ旧車を乗り継いできた編集部の最古参・ラーメン小池。最近ではLightning、2nd、CLUTCH magazineの公式YouTubeチャンネル「CLUTCHMAN TV」でも“ライトニングガレージ”という、アメリカ車好き全開のゆるーい動画連載を開始した。

今回は、プロサーファーの石坂さんが所有する「1964年式オールズモビル・ダイナミック88ワゴン」を直撃。アメリカ旧車との出会いと、旧車愛を教えてもらう。

映画『ビッグウェンズデー』を観たのが始まりだった。

もともとアメリカの文化が好きだった石坂さんが、アメリカ旧車の魅力に傾倒していったのは、父に勧められて観た映画『ビッグウェンズデー』だったという。そこに出てきたクラシックなサーフシーンや、サーファーたちが当時安く買えた旧いフルサイズワゴンやピックアップトラックにサーフボードを載せて走るシーンが目に焼き付いたのがそもそもアメリカ車との出会いだった。

サーフィンにはショートボードとロングボードが存在し、ショートボードからスタートするケースがほとんどというなか、石坂さんは映画に出てきたクラシカルなロングボードから始めたというからおもしろい。

しかもサーフィンがライフスタイルになり、プロ資格を取るまでのサーファーになるというから、映画作品がそのまま人生を決定づけてしまったというストーリーがすごい。

このクルマとの出会いは、実際にプロになったときに、自分へのご褒美もかねて、旧いアメリカ車を探していたときに、友人が乗っていたこのオールズモビルを手放すと聞いて手に入れたという。そこから20年以上、リペアをしながらこのクルマを乗り続けているというから筋金入りだ。

オールズモビルは1908年からGM傘下のブランドとして2004年まで存在したブランド。シボレーなどの同じGMのブランドのクルマよりも高級感のあるスタイルが特徴で、アメリカには今でも多くのファンがいる。

石坂さんが気に入ったのは、映画にも出てくるような長く、プレスラインが効いたデザインだという。リアゲートのガラスを下げて(旧いアメリカ車のワゴンはリアゲートを開けなくても、リアのガラスだけを下げることができる機構がよくある)、そこにサーフボードを入れると、テールが少しはみ出すカタチになるのがまさに当時観た映画のシーンと重なるのが大のお気に入りだという。

多くのプレスラインとそれぞれが独立したパーツで構成されるフロント。エンブレムも凝った作り。GMのなかでもシボレーよりも高級志向だったオールズモビルらしくメッキパーツも多用されている

といっても手に入れてからすぐに快適には乗れなかったというこのクルマ。でもそのスタイリングを気に入り、少しずつ不具合カ所をリペア、カスタムしていき、普段乗るクオリティへと時間をかけて現在の状態に。

ただ、ところどころ、錆びた部分やダメになりそうな部分はあるけれど、場所によってはパーツが存在しないというのがレアなモデルならではの悩み。

リアから見ると1950年代の名残を感じるテールフィンがデザインされる。アメリカの黄金時代とテールフィンの高さは比例する。1960年代になると次第にテールフィンは低くなっていった

リアバンパーはパーツが無いだけでなく、テールレンズは15年探し続けて、やっと手に入れてストックしているという。ただ本人もあまりピカピカの状態のクルマは好きではなく、年式相応の経年変化は大歓迎で、普段乗りとしてあくまで楽しんでいる。

エンジンはもはやオリジナルではなく、2度載せ替えている。現在は1990年代のシボレー製350V8エンジン(5700cc)で走る。元々はオリジナルのビッグブロックの6500cc、次に載せ替えた5700ccのV8エンジンは焼き付いてしまい、このエンジンになったという長いストーリーがある。

現在で3機目というエンジンはシボレー製350キュービックインチ(約5700cc)のV8。普段の足として使っていることがわかる使用感も味わい。アメリカ製V8エンジン特有のドロドロとして排気音を奏でる

20代のときにがんばって手に入れて、ずっとこのクルマだけは手放さないという情熱を聞けば、偏愛なのかもしれないけれど、それこそがアメリカ旧車の魅力なんだとよくわかる。

▼ オールズモビル・ダイナミック88のスタイリングはこちらの動画でチェック!

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

【VAN×2nd別注】スポーティなレタードカーティガンでひと味違うアイビースタイルを。

  • 2026.02.03

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【VAN×2nd】トラックカーディガン[レタードワッペンセット] 日本にアイビーの礎を築いたブランド、「VAN(ヴァ...

2000年代初頭に姿を消した「XS バゲージ」が復活! スタイルで選ぶ、3つの選択肢

  • 2026.03.18

アメリカのファクトリーブランド「XS バゲージ」。2000年代初頭に姿を消してから10年以上の時を経て、いま再び動き出す。アイコニックなモデルを含む3つのアイテムを、3つのスタイルで提案する。 もし続いていたら。その記憶を、いまの基準で。 独特な“XS”マークのアイコンを掲げ、さまざまなスタイルのカ...

【Tricker’s × 2nd別注】英国の伝統と歴史が宿る質実剛健なカントリーブーツをネイビーで

  • 2026.03.18

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 革靴の名門「トリッカーズ」とのコラボが実現。ストウ ネイビーカーフ 革靴の聖地として名高い英国・ノーサンプトンにて1...

【SETTLEMIER’S×2nd別注】メイドインポートランドの王道スタジャン登場

  • 2026.02.11

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! SETTLEMIER’S×2nd AWARD JACKET  1990年の創業以来、ポートランドの工場で今もなお地元...

101周年を迎えた「Lee」、受け継がれし伝統の『COWBOY 101』『RIDERS 101』を継承する逸品が登場。

  • 2026.03.05

1925年に生まれた「Lee COWBOY 101」は、48年に「Lee RIDERS 101」としてリニュアールを遂げ、その後も進化を遂げながら時代を超えて愛され続け、今年“101周年”という節目を迎えた。そして、この名作のまたとないアニバーサリーを記念して特別なコレクションが登場。「Past&F...

Pick Up おすすめ記事

【VAN×2nd別注】スポーティなレタードカーティガンでひと味違うアイビースタイルを。

  • 2026.02.03

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【VAN×2nd】トラックカーディガン[レタードワッペンセット] 日本にアイビーの礎を築いたブランド、「VAN(ヴァ...

エディー・バウアー吉祥寺 1周年イベント完全レポート! 来店したアツいファンの着こなしにも注目

  • 2026.03.17

2025年12月13日(土)〜21日(日)の期間で開催されたエディー・バウアー吉祥寺店の1周年イベント「Archives Meets New」は、大盛況のうちに幕を閉じた。期間中は多くのエディー・バウアーラバーが来店。熱気に包まれた会場風景とそこで出会ったファンたちをスナップで紹介する。 過去と現在...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

101周年を迎えた「Lee」、受け継がれし伝統の『COWBOY 101』『RIDERS 101』を継承する逸品が登場。

  • 2026.03.05

1925年に生まれた「Lee COWBOY 101」は、48年に「Lee RIDERS 101」としてリニュアールを遂げ、その後も進化を遂げながら時代を超えて愛され続け、今年“101周年”という節目を迎えた。そして、この名作のまたとないアニバーサリーを記念して特別なコレクションが登場。「Past&F...

ヘビーデューティど真ん中! レトロなデイパックに注目。

  • 2026.01.26

1977年に発売された『ヘビーデューティの本』という名著をご存知だろうか。当時数々の雑誌で、イラスト・ルポ(自ら現地に赴いて取材した内容をイラストを用いながら報告すること)を描いていた小林泰彦さんが手掛けた1冊で、いまだファッション好きにとってのバイブルとなっている。ヘビーデューティとは、「耐久性が...