オリジナル建材で古民家をスタイリッシュにリニューアル! ビフォーアフターを大公開!!

2025 年の夏の時点では床だけが施工されただけの古民家を再び訪れると、当時とはまったく違う姿になっていた。カントリーベースはこの家にどんな魔法をかけたのか?

何でもない空き家が宝物なる材料と技術

「カントリーベース」代表・樋口智也さん|石川県金沢市を拠点とする「日本一ニッチな建材屋」、カントリーベースの代表。デザインコンクリートや塗り壁などのオリジナル建材の企画立案から販売、施工の技術指導などを行っている。また全国の工務店や塗装店とのネットワークを持ち、大規模な現場などがある際は出張施工で国内外を飛び回っている

石川県金沢市に拠点を置くカントリーベースは「デザインコンクリート」などの特殊な材料を取り扱う建材メーカーだ。本誌8月号では倉庫をリノベーションした代表の樋口さんの自宅に訪問した。その取材の際、金沢市郊外で施工中の物件へ立ち寄った。旧い漁師街の一角にある家で、築年数は50年以上。その家のリノベが完了したとのことで再び訪れた。

初見の感想は「本当に同じ場所?」だった。まず外壁は旧さが際立つものだったが、塗り壁材「ソーイ」を塗ることでモダンな印象となっている。さらに中へ入ると、壁はグレーの漆喰塗料「カルミュール」で塗装、床は樹脂でフレークを固めた床材「ポリフレーク」が敷き詰められ、天井は柄入りのプレート「ティンパネル」を貼ることで、殺風景だった車庫スペースはイメージ激変! さらにソファや棚、水場などが設置され、ガレージとしても、リビングとしても機能する、魅力的な空間に仕上がっている。

ガレージから繋がるダイニングキッチンもリニューアルして、空き家が見事に生まれ変わっている。現在2階も施工中で、ゆくゆくは賃貸物件とする予定だそう。

また今後は隣の古民家のリノベに取り掛かるとのこと。こちらの完成にも期待が高まる!

板張りのどこにでもあるような車庫が……

この物件がある地域は旧い漁師街であることから、元々は漁に関わる道具が保管されていたのかもしれない広い土間スペース。壁はべニアが張ってあるだけの一般的な倉庫然としたところだったが、カントリーベースの扱っている材料を使ってリノベーションしたところ、以前とは違う場所かと思うほどに変化。

年季の入った外壁も……

内観の変わり様も驚きだが、外観も以前の姿から大きく変化している。元は年季の入ったサイディングボードを貼った外壁が、フラットな塗り壁に。どうやってこの姿になったのかはこの後紹介しよう。

THE 昭和なリビングも……

昭和な雰囲気が漂う台所が現代的なキッチンに。剥がれかけた壁紙を取り払い、漆喰塗料で壁を白に塗り上げた。木の質感も相まって、温かみのあるダイニングキッチンに仕上がっている。

細かい部分まで徹底的にリニューアル。完璧に生まれ変わった古民家

前半の3枚の写真がガレージ部分。後半がダイニングキッチン。どちらもオリジナルの塗料で塗ることで異なる雰囲気の空間となっている。また、それぞれのスペースの雰囲気に合わせて置かれた家具類はカントリーベースと親交の厚い「ロスト&ファウンド」がチョイスしたもの。

リフォームに使用したカントリーベースのニッチで魅力的な建材を紹介!

ポリフレーク

アメリカの最先端床材技術によって開発されたフレークフロアコーティングシステムである「ポリフレーク」。ガレージや店舗、オフィスなどに最適。施工は1日で完了し、長期間美しさが続く。

CB で扱っている代表的なフレーク

現在カントリーベース取り扱いのフレークは9種類。他の柄は時間はかかるが輸入も可能。

床にベースコートを塗り、その上にフレークを投げ上げるようにして撒く。乾いたらスクレーバーで余分なフレークを取り、トップコートを塗れば完了。

クオーツという選択肢もある

砂のような細かい粒子のクオーツ。表面がザラザラしているので滑り止めの効果もある。

ポリアスパーティック

ポリフレークの施工に使う樹脂材。耐摩耗、耐薬品、UV耐性がある材料で、施工の自由度が高く安全性も高い。

フレーク

ポリフレークの施工に使用するフレーク。ポリアスパーティックをベースに塗った上に撒き、定着させる。

ティンパネル

1880年代に生まれた装飾用パネル。当時は錫(Tin)やブリキ製だったが現在はスチール製。貼るだけで内装の印象が変わる。

ティンパネルは手軽に施工できるのが特徴。壁や天井に施工する場合、接着剤などで仮止めし、フィニッシュネイルで固定するだけ。

カルミュール

ガレージスペースのべニア壁にカルミュールをローラーを使って塗った。左官のような質感に仕上がっている。

天井の柄付きの壁紙にカルミュールを塗布。柄の凹凸はそのままに、表面の質感だけをリニューアル。

カルミュール

内外装に対応する自然系漆喰塗料。カントリーベースオリジナルの塗料で簡単に施工可能。

カントリーベースオリジナルの外壁材Soiや内壁材ヒッキーウォールと同じカラーを採用しているので、補修やメンテにも最適。

ソーイ

Soiは新築、リノベともに使用可能。こちらは壁に下地材を付加しているが、サイディングなどの既存外壁の上からの施工もできる。

撥水効果があるのもSoiの特徴。シリコン樹脂を使用しているので吸水率が低く、汚れが付いてもメインテナンスしやすい。

こちらの物件には外壁に使用する外断熱材「EPS」を採用している。断熱性に優れているので夏涼しく、冬暖かい。

Soi 撥水仕上げ材

高温多湿な日本の風土に合った国産の塗り壁材。カラーバリエーションも豊富。

2階部分もモダンに改装中

今回紹介している物件の1階部分はほぼ完成済み。現在は2階部分のリノベーションが進行している。もとは砂壁やクロス貼りの壁など統一感のない状態だったところをカルミュールで塗装して内装を変化させた。今後は完成に向けて家具などを置いていくようだ。どんな雰囲気になるか期待大だ。

元はクロス貼りの壁だったが、所どころ劣化で剥がれてしまっていたため、カルミュールを塗ってリニューアル。床のフローリングも敷き直して明るくシンプルな部屋に仕上げた。

和室の柱や梁はそのままに砂壁の上から青色のカルミュールを塗ってイメージチェンジ。床は畳敷だったものをフローリングにして和風の洋室に仕上げてある。

今後は隣の棟の全面リフォームを開始!

樋口さんは今回リノベーションした物件に加え、隣にある旧い家も購入。元々この2棟は増築によって廊下で繋がっていたが今回のリノベで廊下に壁を作り別棟とした。今後はこちらの棟のリノベを進め、シガーバーにする予定なのだそう。こちらは右の物件よりも築年数が旧く、蔵が内部にあるなど特殊な作りになっている。ここがどう変わっていくか今後も追いかける予定だ。

漁師街の中でも特に旧い家のようで、内部には様々な年代のものが残っている。この建物の一角には内部に分厚い蔵の扉があり、中に進むと急な階段。その上には大漁旗や祭りの道具などが置いてあり資料館のよう。他の部屋も純和風な空間になっている。能登半島地震の影響か、水平が取れていいない状態のため、大掛かりな修繕が必要。

【問い合わせ】
カントリーベース
Tel.076-232-7710
https://www.country-base.com/

この記事を書いた人
チューバッカ沼尾
この記事を書いた人

チューバッカ沼尾

旅好き元バックパッカー

1981年式の元カメラマンでパックパッカー。バイクは2007年にクラブハーレー編集部に配属になってから興味を持ったクチなので、遅咲きといえば遅咲き。ただ、旅をするのにこの上ない乗り物と知りドハマり。現在に至る。愛車は1200ccボアアップの2011年式XL883。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

Why Banana Republic? 2nd編集部イチ押し「バナナ・リパブリック」アイテムと、ブランドの魅力を徹底解説

  • 2026.09.16

1978年にアメリカ・カリフォルニア州で創業したバナナ・リパブリック。クラシックとモダンが共存する唯一無二のスタイルや歴史を紐解くことで、我々が彼らのプロダクトを手に取るべき“理由”が見えてくる。(記事をご覧いただいた方への特典を最後に紹介しています) [caption id="attachment...

上野の2つの「SUN HOUSE」で、秋支度。おすすめのアイテムを聞いてきました

  • 2026.09.18

歩いてわずか30秒ほどの距離にある、上野ふたつのサンハウス。今回はそれぞれの店舗で、この秋おすすめのアイテムを聞いてみた。2軒を行ったり来たりしながら、そろそろ秋支度を始めよう。 上野のサンハウスは行ったり来たりが正解です 昨年のリニューアルを経て、アメ横に2店舗を構えるようになった「サンハウス」。...

究極のクラシックを背負う。英国発バッグブランド「Billingham」のカメラバッグ『System-1』

  • 2026.09.24

英国生まれのバッグブランド「ビリンガム」。そして同ブランドを代表するモデル[システム-1]。"用の美"を極めたその実用性とルックスは昔も今も、服好きの心を捉えて離さない。 “機能美”を極めたクラシックバッグの筆頭 創業は1973年。写真を撮るのが大好きだったという創業者のために妻がカメラバッグを手作...

名作[ハリケーントップ]誕生から40周年! 「CHUMS」の「ハローウェア」が再登場

  • 2026.09.23

「チャムス」の名作[ハリケーントップ]の誕生から40年を迎える今年、「ハローウェア」が再登場する。そのコレクションを紹介する前に、まずはブランドが歩んできた歴史を紐解いていこう。これまでの歩みを知れば、「ハローウェア」をもっと楽しめるはずだ。 ハロー、懐かしくて新しいチャムス サングラスを川に落とさ...

ニューヨーク・ブルックリン発! 作業服由来のデイリーウエアはこう着こなす。

  • 2026.09.16

創業1904年、高層ビルの建設が相次ぐ当時のニューヨークでリアルワーカーに向けて、作業服を提供していた「ブルックリンオーバーオール」。そんな確固たる出自に由来する男服は、カジュアルウエアとして現代にDNAを継ぐ。 旧きよきデザインと生地づくりで飽きのこない王道のワークスタイル 40年代の個体をベース...

Pick Up おすすめ記事

究極のクラシックを背負う。英国発バッグブランド「Billingham」のカメラバッグ『System-1』

  • 2026.09.24

英国生まれのバッグブランド「ビリンガム」。そして同ブランドを代表するモデル[システム-1]。"用の美"を極めたその実用性とルックスは昔も今も、服好きの心を捉えて離さない。 “機能美”を極めたクラシックバッグの筆頭 創業は1973年。写真を撮るのが大好きだったという創業者のために妻がカメラバッグを手作...

トラッドの相棒にドゥニームのジーンズを! ウエアハウスが1988年のクラボウデニムを再現

  • 2026.09.17

1980〜90年代に日本のセルビッジジーンズの先駆けとして一世を風靡したデニムブランド「ドゥニーム」。同ブランドの創業当時のレシピをもとに、再始動を手掛けたのが「ウエアハウス」だ。彼らの徹底的な研究・解析によって生み出された至極の1本は、まさにオーセンティックそのもの。そして、本当の意味での“良い色...

イタリア・パルマで誕生。世界屈指のベルト「Anderson’s」、その生まれる場所へ

  • 2026.09.17

1966年、イタリア北部に位置する美食の街・パルマで創業したベルトメーカー「アンダーソンズ」。装いを完成させる“名脇役的存在”のベルトをメインとする稀有な存在にして、世界的な評価を獲得する某ブランドのプロダクトはどのように生まれるのか。その魂が宿る自社工場に足を運んだ。 イタリア・パルマの地に宿る6...

いつもの装いに、頼れる履き心地。この秋は、コートスニーカーとチロリアンシューズがあればいい

  • 2026.09.18

トラッドな装いになら、足元はやっぱり品よくいきたい。でも、履き心地だってこだわりたい。そんな欲張りな気分に応えてくれるのが「ロックポート」。クラシックな佇まいと快適さを両立した2足を紹介する。 品よく履けて、しっかり快適 「お洒落は我慢」とは言うけれど、格好よさも履き心地も譲れない。そんなわがままに...

ニューヨーク・ブルックリン発! 作業服由来のデイリーウエアはこう着こなす。

  • 2026.09.16

創業1904年、高層ビルの建設が相次ぐ当時のニューヨークでリアルワーカーに向けて、作業服を提供していた「ブルックリンオーバーオール」。そんな確固たる出自に由来する男服は、カジュアルウエアとして現代にDNAを継ぐ。 旧きよきデザインと生地づくりで飽きのこない王道のワークスタイル 40年代の個体をベース...