野球アイテムがファッションになった理由とは? 少年たちの憧れがそこにはあった。

ベースボールからファッションへ昇華したきっかけのひとつは、子どもたちがスター選手たちへ憧れて、真似したことだった。そんな背景を「ウエアハウス」の藤木氏のアーカイブとともに振り返る。

「ウエアハウス」プレス・藤木将己さん

1974年生まれ。京都府出身。小学生から野球を始め、ピッチャーとして活躍。大学まで野球を続け、卒業後の1997年にウエアハウスに入社。アメリカの野球文化にも精通している。

【藤木さんコレクション】Tシャツ編

BBキャップと並んで、ファングッズとして人気であったTシャツ。藤木さんはMLBだけでなく、リトルリーグのユニフォームTシャツまで網羅している。

これはファングッズではなく、実際にリトルリーグで使用されていたTシャツ。旧いもので’50年代のヴィンテージが確認できる。審判やマネージャー用にも製作されていたのがおもしろい。

MLBを代表する守備職人のひとりであるオジー・スミスがセントルイス・カージナルスに所属していた時のオフィシャルTシャツ。

【藤木さんコレクション】ベースボールシャツ編

藤木さんが蒐集しているベースボールシャツはファングッズではなく、実際に使われていたもの。レアなミリタリーのゲームシャツから、なんと日本の出版社のものまで網羅。

なかなか出てこないUS NAVYの野球チームもの。おそらく海軍兵学校(ネイバルアカデミー)で使われていたゲームシャツだろう。ロサンゼルスにあったARMSTRONG’Sというメーカーが製作。

出版社の野球チームのユニフォームは、元気堂というショップが製作。1960年代頃と推定。コットン製でとても丁寧な縫製仕様が印象的。

【藤木さんコレクション】ヴァーシティジャケット編

日本ではスタジャンのネーミングでお馴染みのヴァーシティジャケットも様々な年代を蒐集している。レアなチームジャケットからカレッジの実物、ファングッズまで揃っている。

レッドソックスのウォームアップジャケットは’50年代頃のもの。レッドソックスをフォーカスした写真集にも掲載されており、選手やスタッフが実際に着用していた希少なものである。

一見クラシックだが、実は2000年代に製作されたレターマンジャケット。脈々と受け継がれる伝統を感じる。

【藤木さんコレクション】BBキャップ編

野球のファングッズをファッションに昇華させた立役者であるBBキャップ。’70年代よりプロとまったく同じ品質のグッズが登場し、多くの少年を魅了した。

アメリカを代表するベースボールキャップメーカーであり、MLBの公式でもあるニューエラのキャップ。メジャーだけでなく、いち早くマイナーリーグのファングッズも手掛けた。

MLBのオフィシャルキャップを手掛けていた老舗ブランドであり、現在はなくなってしまったローマンプロキャップ。クリーブランド・インディアンスは今年からガーディアンズに名称を変更。

【問い合わせ】
ウエアハウス東京店
TEL03-5457-7899
http://www.ware-house.co.jp

(出典/「Lightning2022年11月号 Vol.343」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

Pick Up おすすめ記事

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...