大人になった今こそ楽しみたい、’90年代スニーカー&ブーツ6選。

街はまだまだスニーカーが多いが、最近はレアスニーカーのプライスも落ち着いてきたし、また革靴を履きたいと思っている人も増えているのではないだろうか?

CONTENTS

ただそんな時に何を選んでいいか、わからないなんてケースも。そこでヴィンテージ業界のアイコンであり、トレンドもよく知る老舗ヴィンテージショップである「ベルベルジン」ディレクターの藤原さんに、昨今の流行である’90sをテーマに愛用品を紹介してもらった。

当時は買えなかったものを大人になった今に買うのも楽しい。

「ベルベルジン」ディレクター・藤原裕さん 1977年生まれ。高知県出身。老舗ヴィンテージショップであるベルベルジンのディレクターを務めながら、ヴィンテージデニムアドバイザーとして数々の企業と関わっている

「’90年代は、いまと変わらずヴィンテージも多く買っていましたが、アイリッシュセッターやエアマックスなんかも積極的に並んで手に入れていましたよ(笑)。当時は現代みたいに情報が溢れていないから、いかにして発売時期や穴場の店を見つけるかが勝負でした。もちろん、その頃に買いたくても買えなかったものを今になって手に入れているケースもあります。また当時からヴィンテージだったコンバース・チャックテイラーや、高値になっているコンバース・ワンスターローファーなどのローテクな製法の靴は問題ないのですが、ハイテクスニーカーは加水分解により壊れてしまうので、当時のモノは、ほぼ全滅。だからオリジナルにこだわらず、復刻を手に入れることも多いです。一方でレッド・ウィングのアイリッシュセッターなどのブーツは、革質も異なるのでヴィンテージで探すのも面白いですよね」

大人になった今だからこそのコーディネイトを。

藤原さんが今だからこその大人コーディネイトのポイントをレクチャー。ナイキのエアマックスとレッド・ウィングのスーパーソールの2パターンの着こなしを紹介!

ハイテクスニーカーは上下をベーシックにしてスニーカーを際立たせる!

昨年より気に入って履いているスニーカーのひとつが親交のあるアトモスが別注したエアマックス スクエアライト。ニットカーディガンにジーンズという落ち着いたスタイルなので、これくらいパンチの効いた足元にしてもうまくバランスが取れることを教えてくれた。

着用したのはこちら・・・【Atmos×NIKE Air Max 2Light】

ベースとなったスクエアライトは、1995年のスプリングモデルとしてリリース。このアトモス別注は、12種類のヴィンテージウエアを参考したコラージュが特徴。

ブーツはデニムジャケットと合わせて’90sとうまく差別化!

もちろんジージャンとジーンズのセットアップは大好きな組み合わせであるが、レッド・ウィングのスーパーソールを合わせると当時のままなので、デニムのラペルドジャケットで違いを出した。デニムはクロムハーツがヴィンテージの501にカスタムしたもの。

着用したのはこちら・・・【Red Wing Super Sole】

耐久性に特化したオリジナルのスーパーソールは、当時から愛用している。ソールは頑丈だが、インソールにクッション性があり、長時間履いていても疲れないのが魅力。

それではここからは、藤原さんが気になっているアノ頃の靴を振り返る! 

1.【Red wing Irish Setter(レッド・ウィング/アイリッシュセッター)】藤原ヒロシさんが流行らせたブラックが欲しかった。

’90年代に復刻した半円タグが特徴

「このレッド・ウィングのアイリッシュセッターは、当時から持っているブーツのひとつ。それこそ昨年にコレボレーションでリリースされましたが、藤原ヒロシさんがホワイトのソールに張り替えたブラックのレッド・ウィングを履いていて、あまりの人気ぶりにレッド・ウィングから同じ仕様が発売されたんです。それがどうして欲しかったですね。当時、今のベルベルジンの隣にレッド・ウィングの直営店があったんですよ。ものすごい行列ができていて、驚きました」

当時はどんな靴だった?

「裏原宿ブームもあり、レッド・ウィングは定番の875でも買えない状況に。神保町にある街の靴屋に入荷しているとの情報をキャッチし、実際に訪れたら買えたんです(笑)。今の時代なら難しいでしょうね」

2.【NIKE AIR JORDAN 1(ナイキ/エアジョーダン1)】エアジョーダン1 はまさに高嶺の花でした。

画像提供/スキット吉祥寺

「’90年代はヴィンテージブームとともにスニーカーブームも訪れ、プレミア価格なるものが一般的になった時代でした。定価で手に入れた人気のスニーカーなら、代々木公園のフリーマーケットに持っていけば、数倍にもなったすごい時代です。ヴィンテージ、現行問わず、様々なスニーカーが高値となりましたが、その中でも別格であったのが、ナイキ・エアジョーダン1でした。ヴィンテージ好きなら誰もが憧れた存在です」

当時はどんな靴だった?

「1985年に発売され、当時はそこまで売れなかったというエアジョーダン1ですが、ヴィンテージブームが起こったのは1994年頃。20万円を軽く超えるプライスになっていましたね。特にツマ黒は別格でした」

3.【NIKE AIRLIFT(ナイキ/エアリフト)】当時はそのデザインに本当に驚きました!

「ここ数年は、女の子の間で大ヒットしているエアリフト。1996年に発売されたのですが、日本の足袋を彷彿するような画期的なデザインで驚きました。今見ても新鮮なランニングシューズですよね」

当時はどんな靴だった?

「当時はパタゴニアなどのアウトドアブランドも流行っていたので、当時のオリジナルカラーもよかったですが、今履くならブラックカラーが気分。夏場にサラッと履きたくなりますよね」

4.【NIKE AIR MAX 95(ナイキ/エアマックス95)】 当時、2日ほど徹夜してやっと手に入れました。

画像提供/スキット吉祥寺

「スニーカーブームを象徴するモデルのひとつであるエアマックス95。エアマックス94を買い逃してしまったので、このモデルはどうしても欲しかったんです。池袋のマルイに友人と二日前から並びました(笑)」

当時はどんな靴だった?

「エアマックス94の大ヒットが社会現象になり、その勢いのまま発売されたので、みんな殺到しました」

5.【NIKE ACG AIR REVADERCHI(ナイキ/ACGエアリバデルチ)】’90年代に大ヒットしたナイキのアウトドアライン。

画像提供/スキット吉祥寺

「1989年に誕生したナイキのアウトドアラインであったACGもいろいろなモデルを手に入れた思い出深いもの。1992年に発売されたエアリバデルチなんかは特に人気が高くて、かなり高値で取引されましたね」

当時はどんな靴だった?

「ナイキACGのアウトドア用クロストレーニングシューズモデル。アウトドアブランドが台頭した時代でもあったので、この手のモデルはお洒落な人が履いていました」

6.【Converse Chuck Taylor(コンバース/チャックテイラー)高校生の時に憧れた自分の定番モデルです。

「当時からヴィンテージの中ではコンバース・チャックテイラーは別格の存在でした。いつかは欲しいなんて思っていたところ、上京してすぐに高円寺の古着店でビッグサイズのみでしたが4800円になっていて即購入」

当時はどんな靴だった?

「当時の現行オールスターとは明らかに違うボリューム感やディテールの違いで、高校生の時から憧れていました。今は手軽に買うことができない価格ですが、当時も安くはなかった」

 

あの頃手が出なかったあの名作スニーカーやブーツ。大人になった今なら手に入れられるチャンス! せっかくならあの頃のままのコーディネイトではなく、大人になった今だからこそのコーディネイトで楽しんでみてはいかがでしょうか?

(出典/「Lightning 2020年5月号 Vol.313」)

この記事を書いた人
ランボルギーニ三浦
この記事を書いた人

ランボルギーニ三浦

ヴィンテージ古着の目利き

全国的に名を轟かせていた札幌の老舗ヴィンテージショップに就職。29歳で上京。Lightning編集部、兄弟誌・2nd編集部で編集長を務めた後、現在は、Lightning副編集長に。ヴィンテージ、古着の知識はその道のプロに匹敵。最近はヴィンテージのロレックスが最大の関心事で、市場調査も日課のひとつ。ランボルギーニ三浦の由来は、もちろんあの名車。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

Pick Up おすすめ記事

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...