それでも「レッドウィングのサイズ感が知りたい!」という人に端的にお伝えするならば、レッドウィングのサイトに書かれている「一般的なスニーカーサイズに比べ大きめに作られている」。ゆえに、0.5~1cm程度小さめを選ぶ人が多いようだ。だが、モデルやレザー、ソールによっても感じ方は変わってくる。また一般的にレッドウイングのワイズはDなのでこれも関わってくるだろう。
結局ショップに行って実際に履いて購入するのが一番なのだが、レッドウィングの直営店ではサイズだけでなくワイズも一部商品で選ぶことができるというのをご存じだろうか? これにより、より自分好みのフィット感を追求することが可能となる。このワイズセレクトの提供に至った経緯をレッドウィング ジャパン代表・鈴木理也さん(取材当時)とレッドウィング ヘリテージ・ダン・ダールさんにお話を伺った。
なぜ、レッドウィングの直営店だけが、ワイズセレクトが可能なのか?
説明するまでもないが、靴には足の大きさを表すサイズの他、足幅を表すワイズが存在する。日本人は甲高幅広と言われていたが、近年はそれも多様化し、足の幅は様々。ところが、ほとんどの靴屋で選べるのはサイズのみ。ワイズはワンサイズフィット。
だが、それは仕方のないこと。1モデルにつきサイズ、ワイズ含めて20〜30型の在庫を常備するのは、さすがに難しいのだ。そんな中、何故レッドウィングの直営店だけがシューフィッティングを追及することができたのか?
鈴木 直営店を始めるにあたって「さすがレッドウィング!!」と思わせるにはどうしたらいいのか……悩んでいたんですよね。日本はヴィンテージ市場も成熟しているので、生半可なことではお客さまがわざわざ直営店に足を運ぶことはないだろうと。そんな時、ダンがワイズセレクトの提案をしてくれたんです。
ダン 通常の店舗ではサイズは選べても、ワイズは一型しか揃えられません。ワイズが2〜3型、サイズが10型あったら、1モデルに30種類近く在庫を持たなければならない。
鈴木 昔はどの靴屋に行ってもオーダーで誂えることができたそうです。種類は乏しかった分フィット感を追及することができました。
ダン アメリカもそう。レッドウィングの昔のポストマンの広告を見ると、ワイズだけで7〜8種類もありました。今はデザインのニーズが多様化して、そこまでできませんよ。
鈴木 だったらレッドウィングの直営店では、それをやろうと。自分にピッタリのブーツをここで見つけてもらえるように。レッドウィングはこれまでたくさんの流行の波を繰り返してきました。その度に戻ってきてくれるお客さんの一番の理由は、やっぱり履き心地の良さです。
ダン 履き心地が良い、最初は流行でも、愛着へと変わっていくんです。アメリカでは親父から子へ、代々受け継がれることが多いです。私も息子に買ってあげました(笑)。
鈴木 日本もそうなっていますね。その受け継がれ方は、僕らの目指すところです。
ダン そうやって受け継がれていったのは、レッドウィングがワークブーツとして、製法やデザインを変えなかったからでしょうね。
鈴木 ’ 50年代に♯877が登場した時点で、デザインは完成されていたわけです。その後進化するとしたらコストダウンしかない。でもレッドウィングはそうじゃない部分を、残してきたんですよね。
ダン 創業当時のピューリタンミシンは今でもフル稼働しています。このミシンじゃないとレッドウィングの求めるものができない。
鈴木 パーツは自分たちで修理、ある時は作ったりして……そうやって100年同じミシンを使ってきたんです。
ダン 世の中、目まぐるしく変わっていくものばかり。携帯電話も毎年新作が出るわけで。そうなると人間はバランスをとって、変わらないものも欲しくなるんじゃないかな(笑)。レッドウィングは、常に変わらないものを提供している。だからこそ、靴のワイズも揃えることができると言えますね。
鈴木 もちろん僕らもすべてのニーズに応えることはできないけれど、今までよりも選択肢があっていいのではないかと。
ダン レッドウィングの魅力は色々とあると思いますけど、やっぱり一番はフィット感。ヘリテージショップでワイズが選べるのは、直営店が初です。
鈴木 とは言え初の試みですから、どこまでうまくいくのか(笑)。でも、愛着を持って長く履いて頂くためには必要なことですからね。
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