ブーツ作りとともに自身も研ぎ澄まされていく。
ジャパンメイドのエンジニアブーツと言ったら、まず先にBILTBUCKの名が出てこないと嘘になるほど、国内外で浸透しており、愛用者も多数。日本が世界に誇るエンジニアブーツへとなりつつあるBILTBUCK。2013年に初のエンジニアブーツをリリースして以来、着実に進化しているのは、ディレクター西崎氏が大のエンジニアブーツ好きであり、研究を重ねてようやく辿り着いた境地である。
「バイクとロックンロールと’50sに端を発し、エンジニアブーツへの憧れがありました。ただ作るとなるとシューレースのないデザインなので誤魔化しが一切効かない。自分で履いて少しずつ改良していって。毎回、最高のものができたと思っていますよ。ただ僕らはヴィンテージリプロダクトを目指しているわけではないので、シーズンによって多少変化はありますよね。
その都度、革のスペシャリスト、ソールのスペシャリストに助けられたり、気付かされたり、今は究極を作っていくまでのプロセスを楽しんでいます」
様々なヴィンテージに精通する西崎氏。当然、ヴィンテージのエンジニアブーツもこれまで複数足所有し、実際に履き楽しんできた。もちろん製作初期はヴィンテージをベースにデザインを構築していったが、現在はこの10数年で自身が手掛けてきたブーツをブラッシュアップさせながら、究極のエンジニアブーツを作るため理想を追い続けている。
西崎氏が初めてエンジニアブーツを作ったファーストモデルであるLot.269。コンビネーション鞣しのステアハイドをマテリアルにガラスフィニッシュとは思えない美しいエイジングが雰囲気良し。
定番5型、スペシャル2型、さらにシーズンものと素材違いで複数ラインナップするが基本のラストは3型のみで展開される。
使用するヒールの絶妙なデザインでブーツの印象も大きく変わる。手彫りのアウトソールはBILTBUCKオリジナルで製作している。
【DATA】
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(出典/「CLUTCH Magazine 2024年11月号 Vol.97」)
Photo by Yoshika Amino 網野貴香