【旅とハーレーと日々の風景】CVO ROAD GLIDE ST

旅の途中や日々の撮影、アメリカでの経験など、日常で感じたハーレーシーンを自分なりの目線で紹介したい。ロングラン、カスタム、レースなどなど盛りだくさんで走ります!

Episode 112 CVO ROAD GLIDE ST

「ロードグライド」の2024年モデルは、大幅にアップデートされた。21年モデルに乗り換えてまだ2年半しか経っていないし、自分流にカスタムやチューニングをしてきた僕としては、少しだけ困惑している。試乗してみると確実によくなっているし、シェイプされたカウルとヘッドライトのデザインは、格段にシャープになった。メーターはインフォテイメントと一体化され、すべてがデジタル表示になった。どちらかといえばアナログ好きな僕としては、いまひとつ釈然としない。2灯ヘッドライトの廃止など、伝統的な部分が薄まってしまった気がして、まだあまり興味をもてないでいた。

しかし特別に気になるモデルも発表された。それが「CVOロードグライドST」だ。フロントフォークは倒立、ブレーキはブレンボのラジアルマウント、チタン製サイレンサーなどスポーツライクなパーツを惜しみなく採用している。エンジンは、ストリートモデル最大の121cuを搭載。まさに史上最強のロードグライドだ。実車を見ていたのだが、ようやく試乗する機会ができたので100㎞ほど走らせてみた。

跨る前にひと周り見てみるとビビッドブラックのペイントにタンクのロゴなどの赤のアクセントと、タンクコンソールやシングルシートカウルに採用されたカーボンパネルのせいか、スタンダードモデルより凄みを感じる。スタンドから起こして押してみると明らかに軽い。エンジンをかけると低い排気音が響く。一般道に出てしばらく街中を流す。低回転からのトルクは、僕の114よりかなり出ている。1000回転程度からスロットルを開けてもスムーズに加速する。あまりにスムーズでインパクトが薄いのだが、加速はかなりいい。

何よりも秀逸なのがフロントフォークとブレーキ。今までのロードグライドとはまったく違う。特にブレーキは扱いやすいうえにストッピングパワーはかなり強烈。さすがレースレプリカだけのことはある。実際の車重よりも軽く感じるのは、前後のサスペンションが高性能だからだろう。

首都高に乗って湾岸線へ入る。クルマの流れが切れたところでワイドオープンすると、一般道と同じく高回転までとにかくスムーズに回っていく。盛り上がる部分が感じられないので加速感は強くないが、メーターを見るととにかく速い。サスだけでなくフレームも剛性が上がっているようでハイスピードでのコーナーリングでも不安感はない。スタンダードと比べて低めのスクリーンが付いているが、防風性に不満は感じなかった。

ポジションは、ハンドルのエンドが下がっているが、一般道で使うなら水平のほうが扱いやすいだろう。大きな不満はなく、走りに関しては期待を遥かに上回る。正直いってあまり興味のなかった24年モデルだがSTに乗ったことで不覚にも魅力を感じている。

フォトグラファー・増井貴光|二輪メディアを中心にマルチに活躍するフォトグラファー。アメリカ・ユタ州のボンネビルで開催されるランドスピードレースに通い出して14年。2017年に写真集「bonneville」をbueno!booksより出版

121High Output

車体は、ブラックの塗装に鮮やかな赤のロゴやストライプが入る。タンクコンソールは、カーボン製。エンジンは、121ハイアウトプットを搭載。トルクはかなりあるがスムーズなので扱いやすく速い。エルボータイプのエアクリーナーは、ライディングの邪魔にならない形状とレイアウトになった。

Wearing racing spec parts

エンジンはもちろん、前後のサスとブレーキが秀逸。ブレンボ製のラジアルマウントされたキャリパーは、ストッピングパワーが強烈ながらコントローラブル。SHOWA製の倒立フォークは、これがハーレーのサス? と思うほどよく動きハイスピードのウエット路面でも恐怖感をまったく感じない。

Innovative front face design

ツアーグライドから40年以上続いた2灯ヘッドライトの面影はまったくなくなった。カウルのデザインもシャープでありながらウインドプロテクションがよくなっている。スタンダードなロードグライドよりかなりコンパクトなスクリーンだが、ライディングポジションが低いせいか不満は感じない。

Race tuned ROAD GLIDE

スクリーミンイーグルエクストリームフロー・チタン製マフラーを採用。ヒロ・コイソさんによると社外品の同様の製品より軽いそうだ。低めの排気音で迫力がある。24年モデルは、サドルバッグのデザインも変わりキング・オブ・ザ・バガーズ風にエッジがつきコンパクトに見える。容量は変わらず。

(出典/「CLUB HARLEY 2024年10月号」)

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