チョッパーに宿るストリートの機能美。「EVILACT」代表のMINATOさんにチョッパーの魅力を訊く!

ルール無用の自己表現の手段であり、そしてサイコーの自己満足といえるチョッパーという乗り物。チョッパーのスタイルが無限にあるように、チョッパーを愛する理由や楽しみ方もチョッパー乗りの数だけあるはず。そこで今回はチョッパーを愛してやまない「EVILACT」代表のMINATOさんのスタイルにフォーカス。

ライフスタイルの一部としてチョッパーがある日常

「EVILACT」Minato|横浜を発信源とするアパレルブランドEVILACT代表でありデザイナー。カスタムカルチャーのヒストリーにも造詣が深く、常に愛車のスタイルに注目が集まる、横浜のチョッパーカルチャーのアイコンのひとり

横浜を拠点に、自身のライフスタイルから生まれるアパレルと共にチョッパーカルチャーを発信している「EVILACT」代表のMINATOさん。新たなバイクを作るたびにそのスタイルが注目される存在だ。

遡れば、ジェシー・ジェームズなどに代表されるニュースクールなフルスクラッチのカスタムやクリーンな60sスタイル、リジッドロングフォークのチョッパーなど、さまざまなスタイルを作り上げてきた。

そして、いまMINATOさんのメインの足は、このオールドスクールなパンヘッド。貴重なオールドパーツを満載にして飾り立てるわけでもなく、ショーバイクのような斬新なギミックが隠されているわけでもない、都会を走ることを優先したシンプルなチョッパーである。MINATOさんのチョッパー歴を考えれば、あくまでもストリートのスタイルを貫くこの一台は原点回帰のように感じられる。

「バイクはハーレーに乗る前からいろいろ乗ってきたけど、チョッパーに関してはフリスコに原点があるから回帰といわれればそうかもしれない。旧いアメリカのMCのスタイルにも影響を受けたし、横浜とか都内をスイスイ走るにはこのスタイルが結局乗りやすい。ハンドルが細いから取り回しは重いけど、すり抜けしやすいし、むしろ楽。気楽に日常的に楽しめるのがいまの気分なのかな」

また、このチョッパーに限らずどんなバイクでも、MINATOさんはとにかく愛車を乗り込む印象が強い。チョッパーはメーカーが作る万人が扱いやすい乗り物ではない。それぞれに個性や癖があるが、愛車のスタイルは変わっても、そのバイクを乗りこなして楽しむ姿は変わらない。

「もちろんどんなバイクでも上手に走りたいし、チョッパーに乗り続けてきたプライドはある。バイクと人間はどうしたって1+1。バイクだけがすごくてもカッコよくないし、逆にほぼノーマルのバイクだってカッコいい人はいる。30年こういうバイクに乗っているから正直普通になっているけど、自分にとっては原付きみたいな感覚でもあって。宝物なんだけど、普段のライフスタイルに欠かせないもの。こだわって作ったって、墓場までは持っていけないんだから乗れるうちに走って楽しまないともったいないでしょ(笑)」

旧車のチョッパーでも不便を楽しむ感覚すらなく、これが日常。毎日の移動や遊びで愛車と乗り手の一体感を増し、人馬一体を築き上げる。ライフスタイルの一部としてバイクを楽しむチョッパー乗りのリアルな姿といえるだろう。

1953 H-D FL

ロングライドを想定した純正タンクからスタイルを一新、横浜の街並みに似合うオールドスクールなパンヘッドチョッパーに。レアパーツや派手なギミックに頼ることなく、都会の走行のためにナローなフォルムに仕上げられている。フィニッシュを意識することなく気分で外装を変更することができる、ストリートのチョッパーの姿だ。

10インチオーバーのロングスプリンガーにフロントブレーキレスのハードなフロントエンド。ハイライザーにナローなロボハンを装備したハンドルまわりは都会のすり抜けに適したスリムなセットアップ。荷物の積載用のシッシーバーは気分でフェンダーステーと取り換えが可能。

もう一台の愛機は47年の「EL」。しばらくオリジナル基調の装備で乗っていたが、約6年前に80sスタイルのフリスコに。イエロー×ブラックのフレイムスとボブフェンダーがトレードマーク。

撮影日に愛用していたアイウエアはEVILACTの『EAGLE』。90sのグランジカルチャーを連想するスタイルだが、スペックはバイク用。スポーツサングラスのようなアールがついた形状によってフィット感が高く防風性も◎。

いまは亡きNYブルックリンのレジェンドビルダー、Indian LarryはMinatoさんにとってのチョッパーヒーローのひとり。アーティストのMUさんが描いたポートレートがショップにディスプレイされる。

(出典/「CLUB HARLEY 2025年10月号」)

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