2ページ目 - 「コラージュ」で独自の世界を構築するアーティスト・M!DOR!に注目!

「アート・ディレクションも含め世界観を表現するのは楽しいです」

2017年に手がけたルミネ新宿のウインドウ・ディスプレイ。2メートルもの大きさのウインドウで展開されたコラージュは街の風景に素敵な違和感をインストールすることとなった。「ウインドウ・ディスプレイは長年の夢。嬉しかったですね」(M!DOR!さん)

――――クライアント・ワークについてお聞きしますが、これまでで印象深いお仕事はなんでしょうか。

ルミネ新宿のウインドウ・ディスプレイです。ウインドウ・ディスプレイに自分のコラージュ作品を使えたら楽しいだろうなと高校生のときから思っていたので、その夢が叶いました。2メートルもあるウインドウを手がける機会ってなかなかないですし、いつもは小さなサイズで展開しているコラージュの世界に人が入ることができるっていうのを実現できたのは本当に良かったです。

――――長年の思いが通じたんですね。創作のインスピレーション源はどういうところから?

今は美術、コラージュに限らず音楽やファッションといったいろいろなところからもインスピレーションを得ています。ファッション・ショーを見るのが好きなんですけど、色の組み合わせやフォルムから刺激を受けたり、ショーのテーマが服を通じてどう表現されているかを考えたりします。

――――なるほど。では作家活動を続けてきたなかで変わったことと変わらないことを教えてください。

昔の作品と今のものを見比べると、自分が気持ちよく感じる構図というのは変わっていないなぁと思いますね。変化した点は、以前は初期衝動で素材をとにかく足すという方向で制作していたのが「引く」ことを学んだところです。最初は「いや、これもあったが……」と全然引けなかったんですが、年々できるようになりました。

今はあえて2つの素材だけでやってみたりもしています。そういう挑戦が表現の幅を広げることにつながっていると思いますし、引く気持ち良さもわかるようになってきました。

古くからそうめんの産地として知られる播州を代表するブランド「揖保乃糸」のそうめんギフト・パッケージ。シックな色合いとコラージュがモダンな印象を醸し出している

――――確かにM!DOR!さんの作品は構図に迷いがない印象ですし「引く」ことで主題をブレなく提示するというような俯瞰的な視線はクライアント・ワークにもいい影響を与えていると思います。

クライアント・ワークだと最近ではコラージュ制作だけでなくアート・ディレクションの段階から参加する機会も増えていて。コラージュだけでは表現しきれない世界観をアート・ディレクションを通じて作り上げることができるので、今はそれが楽しいですね。

――――アート・ディレクション込みの仕事だとどういったものが?

雑誌やCDジャケットですね。撮影の段階から関わらせてもらって「こういう写真が撮りたい」「こういう衣装がいい」ってリクエストを出して。雑誌『装苑』では撮影した写真をさらにコラージュして用いました。CDだとジャケットのほかブックレットのアート・ディレクションも併せて行うことが多いですね。

コラージュを仕事として始めた頃は、とにかく自分のコラージュを使いたいというのがありましたが、今はそれにこだわらずトータルで表現することに面白さを感じています。

上は中田裕二『DOUBLE STANDARD』(2020)、下はMr.Forte『sweet life』(2021)。ジャケットだけでなくブックレットのアート・ディレクションも手がけている
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2nd 編集部
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