書類、名刺、レシートなどすべてデータ化 リモートワークの必需品 ScanSnap iX2500

Apple TV正月のお勧め、ユアン・マクレガーの長い旅が終わる『LONG WAY HOME』

Apple TVを見られるバイク好き、旅好きの人にお勧めしたいのが、ユアン・マクレガーとチャーリー・ブアマンという俳優親友コンビのバイク旅『LONG WAY HOME ビンテージバイクの旅』だ。2004年の『LONG WAY ROUND』に始まったLONG WAYシリーズの最終章ともいえるドキュメンタリー。世界中を旅して来た彼らが、50代半ば、60歳近くになって何を思うのか。10本のエピソードを楽しめる。

(写真は、Apple TVの告知ムービーとそのタイトルより)

スターがリアルに世界を旅した壮大なシリーズ

ご存じスター・ウォーズでオビ=ワン・ケノービを演じたユアン・マクレガーと、その大親友の俳優チャーリー・ブアマンの半プラべートなバイクツーリングを描いたドキュメンタリーが『LONG WAY』シリーズだ。すべてApple TVで、見ることができる。

筆者はバイクも好きだし、旅も好きだし、なんならロードムービーも、スター・ウォーズも大好きなので、このシリーズをずっと見ている。

第1作はLONG WAY ROUND。2004年4月14日から、7月29日まで、彼らの住むロンドンから、フランスに渡り、ドイツ、ベルギー、チェコ……そしてロシアを横断し、アラスカに渡り、カナダを通ってニューヨークまで。バイク乗りなら誰もが憧れる文字通り世界一周の旅だ。走行距離はなんと3万km以上で、ロシアの道なき道を走り、川を渡り、死力を尽くした旅をする。

今にして思うと、ウクライナを通り、ロシアに入っていくのだから、現在なら不可能な旅だ。ロシアで無愛想な男に連れられていって、その男の家に泊まったり、野宿したり……今は紛争地域になっているかもしれない場所だが、そこにふつうに人の営みがあることがよく分かる。

バイクはKTMに提供を依頼するが、彼らは失敗すると予想して提供を断り、BMW R1150を使う(正解だったと思うが)。

第2作はLONG WAY DOWN。こんどは2007年5月12日から、8月4日まで。バイクはR1200GS。ロンドンから、いったんスコットランド北端に向かい、そこから南へ。フランス、イタリア、フェリーでチュニジアに渡り、そこからずっと南下して、アフリカを縦断し喜望峰まで走る。

国が国だけに、非常に危険なシーンも多く、ハラハラさせられる。

そして、第3作はLONG WAY UP。2019年9月5日から12月14日の旅。ルートは南アメリカの最南端から、アルゼンチン、チリ、ボリビアなどを通って北上して、カリフォルニアで終わる。

ちょっと趣向が変わって、アドベンチャーバイクに改造された試作型のハーレーダビッドソンLiveWire電動バイクを使用。サポートの制作チームもできたばっかりのリヴィアンの試作EVピックアップトラックを使用。エコ的なテーマを追ったわけだが、これらのEVの充電場所の確保と、トラブルに悩まされることになる。

いずれの旅もリアルなエピソード満載で、当初はユアンとブアマンのケンカとか、バイクならではの転倒や事故、国境でのトラブルなど、本当に旅が終わるのではないかということもたびたび発生するが、そのリアリティが魅力だ。欧米以外の国ではユアン・マクレガーの知名度もさほどではないようで、地元の人たちとの自然な交流も楽しい。

また、一部彼らの家庭の問題や人生の課題も率直に描かれるので、そういった点でもリアルなドキュメンタリーとなっている。

壮年も終わりにさしかかり、それでも走るのか? 旅するのか?

そして、4つ目のシリーズが、今回公開された、『LONG WAY HOME』だ。

筆者もそうだが、いくら旅が好きでも、バイクが好きでも年齢とともに無理はできなくなってくる。ブアマンもバイクで生死をさまよう大けがをしているし、スーパースターのユアンとはいえバイクに乗れば一人のライダー、事故に遭遇するリスクは変わらない(フォースで避けるわけにもいかないし!)。目も悪くなるし、反射神経も低下する。転んで骨を折った際の治りも悪くなるし、後遺症だって残りやすくなる。

1作目の時は30代だった彼らも、今や50代も後半にさしかかろうとしている(ブアマンは1966年、ユアンは1972年生まれ)。同世代の筆者もよく分かるのだが、何歳までバイクに乗れるのか? ここまできて事故をして人生を台無しにしていいのか? という疑問は湧いてくる。

若い時には、世界中の国を旅できると思っていたが、今となってはあと何カ国行けるのか? 絶対行っておきたい国から旅をしなければ……という考えさえ湧いてくる。おそらく体力的には、アフリカやインドで無謀な旅をする機会はないだろう。

そんな、壮年期(中年後期?)の悩みは、スターである彼らの身にもおいても同様。いや、持てるものが多いだけに、喪失感が大きいのかもしれない。

我々は、どこに向かって、どんな旅をするのか?

にも関わらず、彼らは(悩みつつ)旅に出る。

今度の旅は、もう30代の時のような無謀な旅ではない。『LONG WAY HOME』は身近なイギリス近辺の中欧、北欧を巡る旅だ。

バイクはユアンがモトグッツィのエルドラド(850cc)。チャーリーがBMWのR75/5(750cc)。いずれも彼らの生まれ年に近い、つまりは50年以上の歴史を経たビンテージバイクだ。最新のバイクのような猛烈なパワーも、重量もなく、年を経た彼らの身の丈にフィットしている。ビンテージバイクだから故障も多いだろうが、逆に現在のコンピュータづくしの最新バイクと違って手作業で修理もできる。

さほど遠くない自分たち生まれ故郷に近い場所を、ビンテージバイクで旅して、自分たちの人生の取りまとめ方を考えるというのがこの『LONG WAY HOME』のテーマなのだと思う。その結果、彼らはどういう結論に至るのか。もうバイクは降りるのか、それとも走り続けるのか?

筆者もまだ、見始めたばかりなので、この冬、最後まで見たいと思っている。

(村上タクタ)

この記事を書いた人
村上タクタ
この記事を書いた人

村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

今季のテーマは“Preppy in the Sun”! 春の到来にピッタリな「ゴールデンベア」のラインナップを紹介

  • 2026.03.18

デイリーなアメリカンカジュアルウエアを得意とする「ゴールデンベア」。“Preppy in the Sun”をテーマに掲げる今季のコレクションでは爽やかな風吹く春の到来を告げる、涼しげなラインナップを展開する。 フレンチリネンの着心地とオレンジが活きる春 主役は淡いオレンジのシャツ。フレンチリネンを1...

中目黒の名店「PLEST」が仕掛ける、究極のデニムセットアップ受注会が開催中! シルバー925ボタンの圧倒的存在感を見逃すな

  • 2026.03.16

中目黒に拠点を構え、ヴィンテージへの深い造詣と現代的なエッジを融合させるブランド「PLEST(プルスト)」。彼らが放つ新作デニムセットアップの受注会が、3月15日(日)よりスタートしている。 デニムセットアップにシルバー925ボタンという選択肢を。 今回の目玉は、なんと贅を尽くした「シルバー925」...

理想を詰め込んだ名門・麻布テーラーの至極のブレザースーツ。まさにこれが長く愛用できる“一張羅”だ 

  • 2026.03.16

チープシックとは、ただお金をかけずにファッションを楽しむことではない。自分にとっての“一張羅”とも呼べる一着を持ち、長く愛用することこそがその真髄である。理想のデザインを具現化し、身体にも馴染む。パーソナルオーダーの名門・麻布テーラーで“とっておき”を仕立てよう。 麻布テーラーのオーダーメイドでチー...

円盤投げのアイコンが目印! アメリカ生まれの定番スウェット「DISCUS」ってどんなブランド?

  • 2026.03.19

1973年に誕生して以来、キャンパスや街の日常とともに歩んできた「ディスカス」。派手さはないが、気づけばいつも身近にあり続ける。そんな等身大のスウェットブランドの魅力を、ブランドの背景とアイテムから紐解いていく。 米国のリアルが育んだちょうどいいスウェット 1973年、アメリカ・ヴァージニア州で誕生...

【Tricker’s × 2nd別注】英国の伝統と歴史が宿る質実剛健なカントリーブーツをネイビーで

  • 2026.03.18

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 革靴の名門「トリッカーズ」とのコラボが実現。ストウ ネイビーカーフ 革靴の聖地として名高い英国・ノーサンプトンにて1...

Pick Up おすすめ記事

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

こだわりの最上級へ。リングを複数繋いで作られるブレスレットは、究極の贅沢品

  • 2026.03.17

創業から29年にして新たな局面を迎え、“地金から新たな素材を作り出す”という手法に行き着いた「市松」。『自在地金屋 無双』をその名に掲げて作られたブレスレットは、一点一点手作りでサイズのブレが生じるためリミテッドモデルとして製作。放たれるただならぬオーラは、職人の工夫と根気によるものだ。 誠実に地金...

今季のテーマは“Preppy in the Sun”! 春の到来にピッタリな「ゴールデンベア」のラインナップを紹介

  • 2026.03.18

デイリーなアメリカンカジュアルウエアを得意とする「ゴールデンベア」。“Preppy in the Sun”をテーマに掲げる今季のコレクションでは爽やかな風吹く春の到来を告げる、涼しげなラインナップを展開する。 フレンチリネンの着心地とオレンジが活きる春 主役は淡いオレンジのシャツ。フレンチリネンを1...

円盤投げのアイコンが目印! アメリカ生まれの定番スウェット「DISCUS」ってどんなブランド?

  • 2026.03.19

1973年に誕生して以来、キャンパスや街の日常とともに歩んできた「ディスカス」。派手さはないが、気づけばいつも身近にあり続ける。そんな等身大のスウェットブランドの魅力を、ブランドの背景とアイテムから紐解いていく。 米国のリアルが育んだちょうどいいスウェット 1973年、アメリカ・ヴァージニア州で誕生...

理想を詰め込んだ名門・麻布テーラーの至極のブレザースーツ。まさにこれが長く愛用できる“一張羅”だ 

  • 2026.03.16

チープシックとは、ただお金をかけずにファッションを楽しむことではない。自分にとっての“一張羅”とも呼べる一着を持ち、長く愛用することこそがその真髄である。理想のデザインを具現化し、身体にも馴染む。パーソナルオーダーの名門・麻布テーラーで“とっておき”を仕立てよう。 麻布テーラーのオーダーメイドでチー...