その人の生き方、考え方が如実に反映される。だから、いしたにまさきさんが考える『ひらくPCバッグ』にはいしたにさんの哲学が反映されているし、コグレさんの『かわるビジネスリュック』にはコグレさんの人生が反映されている。
そして、文具王の考えたバックは非常に『文具王』だ。文具王は論理的、かつ非常に個性的な人だから、文具王のバッグは個性的になる。
新しい文具王のバッグは『移動文房』と言うらしい。
移動文房
https://superclassic.jp/products/20230725
文具王の哲学が凝縮されたバッグ
このバッグがどういう考え方で出来ているかは、こちらを参照のこと。発想の原点から、どういう経路をたどって出来たかが、すべて書いてある。
スーパーコンシュマー 移動文房
http://srcr.jp/022/
文具王は、基本的に荷物が多い人だ。
筆者も荷物が多いが、筆者は取材都合で流浪の民になってしまうが、文具王は筆者より限られた場所(都内?)を移動して、そこでじっくり仕事をするタイプのような気がする。簡単にいうと文具王の方が荷物が重い。以前、文具王が作ったモバイラーズバッグも、デカくて重かった。
重くてなんでも入るバッグはいいのだが、なんでも入ると、つい入れられる限りの荷物を入れてしまって、重くて疲れる。筆者の場合、容量が限られていた方が、入れ過ぎを防ぐことができるような気がする。
というわけで、きっと文具王の作ったバッグだから、重くてデカイのかなと思ったが、実際手にしてみるとそこまで大きいバッグではなかった。サイズ的にはかわるビジネスリュックminiと同じぐらいか。そして、リュックだから持ち運ぶのは楽。
ひらくPCバッグと較べると、このぐらいのサイズ感。
意外とサイズ的には、ひらくPCリュックに近い。しかし、当然のことながらひらくPCバッグは三角形が基本だから、容量的には移動文房の方が大きいと思う。
移動文房は後述のように、重い部分が上に来る。ひらくPCバッグは下だ。たとえば、脱いだ上着をバッグに突っ込んでおこうと思ったら、ひらくPCバッグの場合、上に入れることになるし、移動文房の場合は下に入れることになる。この哲学の違いが、いしたにさんと、文具王の違いなのだと思う。
ペンなどの文房具を入れられる引き出し最上段のようなガジェットケース
一番のキモは、このガジェットケースだ。
ここに身の回りの品が全部入る。文具王でいえば、ペン、万年筆、ステープラー、手帳、マウス……みんな入る。それが最大の特徴。ダブルのファスナーでガバッと大きく口が開くから、中のものが取り出しやすいし、いろいろ吟味して選択するのにもいい。
そして、取り外せる。
このガジェットケースは、モバイラーズバッグに付属しているものと似ているけど、少し違うらしく、こちらの方がサイズが小さいとのこと。
荷物を入れてみると、こんな感じ。
ただし、これ当然のことながら文具王に最適化されているから、私の荷物にはちょっとフィットしない……。このへんが悩みどころ。おそらく、私は普段、ひらくPCバッグに最適化するように、中の荷物を選んでいるから、バッグが変わるとそれがフィットしないのだと思う。そもそも、ペンはほとんど持ち歩かないし……(Apple Pencilぐらいか)。
あと、ちょいと気になるのが、このガジェットケースを入れる部分のフタの止まりが浅い事。
この部分、短いし、ベルクロで止まっているだけだから、背負ってる時に悪意のある人が後ろ側にいたら、簡単に一番大事なガジェットポーチが持ち去られてしまう。治安の悪い場所だとちょっと気になるポイント。またフタがちゃんと閉まってなくて、何かのはずみにガジェットポーチを落としてしまうということもあるかもしれない。文具王は非常にキチンとした人だから、そういう失敗はしないのだろうけど……。
メインコンパートメントをどう使うかがキモ
ガジェットケースを上に置いて、下はフレームで補強された大きなスペースが用意されている。おそらく、これがこのバッグの第2の特徴。
このスペースはかなり大容量で、先ほど筆者がガジェットケースに入れ損なったポーチや、書籍などがガッツリ入る。ただ、私は外出先では電子書籍しか読まないので、本は持ち歩かないのだが……。
そのあたり、『スーパーコンシュマー』に最適化されているバッグなのだから、自分の使い方がたまたまフィットするか、自分が歩み寄るしかない。文具王の強い個性に、筆者はちょっと戸惑っているのかもしれない。
ちょっとレビューとしては反則なことをしてみた
そこで、私も工夫してみることにした。
筆者のメインの要件は、MacBook Proの14インチが持ち運べること(書き忘れたが、これは背中側に楽々と入る。文具王は16インチユーザーなので、MacBook Pro 16インチまでがすっぽり収まるポケットが用意されている)。そして、次にミラーレス一眼が持ち運べること。
そこで使ってみたのが、昔使っていたバッグに付いてたインナーバッグ。カメラバッグのようなバッグでクッションが入っており、これにレンズ2本とストロボがすっぽり入る。ちょっとバッグのレビューとしては反則気味だが。
※注:当然のことながら、このインナーバッグは文具王の移動文房には同梱されていない。
そうすると、非常に収まりが良い。下のインナーバッグにレンズ2本とストロボ、その上にカメラを載せると、私の普段の荷物のほぼフル装備にピッタリフィット。
ちなみに、フタ側にはひらくPCバッグ的な、開いた状態でファスナーが上になるメッシュポケットが用意されている。この使い勝手は良い。
左右、外側に設けられているポケットを開くと、ペットボトルや三脚を入れることができる。三脚は閉じた状態で細身な製品でないと入らないけれど。Peak Designのトラベルトライポットはピッタリフィット。左側のみ、上部に三脚を固定するためのベルトが装備されていて安心。
意外と困るのが、外に大事なモノを安心して入れられる小さなポケットがないことだ。名刺入れ、パスケースなど、パッと出したいけど、絶対落としたくない。そういうものを入れるポケットがない。
バッグは哲学
筆者の日常の荷物は、MacBook Pro 14インチと、iPad mini、EOS R6 Mark IIとレンズを1〜2本とストロボ。そして、小物を入れたポーチや名刺入れ、老眼鏡……などだ。工夫次第でそれらの荷物は余裕を持って納まることが分かった。そういう意味ではひらくPCリュックよりキャパシティは大きい。
ただし、ひらいて書斎のように使える……というコンセプチュアルな便利さはひらくPCバッグの方が使い勝手がよい。文具王のガジェットポーチは微妙にサイズ的に筆者の持ち物にあわない。おそらく私が文具の人ではないからだろう。文具の人でなくても、筆や、ペンなど、細長いものを多数持ちあるく人にはピッタリフィットすると思う。
いしたにさんのひらくPCバッグシリーズ、コグレさんのかわるビジネスリュックシリーズ、それと同じように文具王のモバイラーズバッグ、移動文房も、スーパーコンシュマーシリーズの製品は、彼らしさを強烈に濃縮したものになっている。
こうなってくると、『自分だったらこうするのに!』と、自分専用のバッグが欲しくなったりもする。こういうバッグのオーダーシステムがあればいいのに……と思うが、安くはないよなぁ。
ともあれ、バッグは哲学なのである。
ゆえにバッグ選びは、誰の哲学に一番近いかを選ぶということなのである。
あなたのニーズは、どのスーパーコンシュマーに近いだろうか?
スーパーコンシューマー
http://srcr.jp/
(村上タクタ)
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