2年越しで完成した、最高のレザーをご堪能あれ。
かつてタンカラーのヌメの革ジャンを世に送り出し、レザー業界をあっと言わせた天神ワークス。2年前には、英国に見られるオイルドコットンを革で再現し、話題となったのは、レザー好きなら誰もが知っていることだろう。そんな天神ワークスが、新たな革に着手した。それが、キップレザーをベースにした「リジットレザー」。どんな革かというと、「デニムのようなアタリの出る革」を目指したという。
「例えばGジャンやジーンズみたいなエイジングを楽しめる革を作りたかったんです。でも、納得のいく仕上がりになるまでに2年かかってしまいました(笑)」。そう話すのは天神ワークス代表の髙木さん。日本屈指のレザータンナーである栃木レザーとタッグを組んで、このプロジェクトを完成させた。一緒に作業していた栃木レザーの三柴さんいわく
「いや〜髙木さんの要求するレベルが高くて大変でしたが(笑)、楽しい作業でした。何度も失敗しましたが、今までにはない、素晴らしい革に仕上がったと思います」とのこと。
この革の特徴は、デニムのようなエイジングを楽しんでもらうため、「白芯」なのだ。「茶芯」とは革好きならよく聞くワードだと思うが、「白芯」なんて、あまり聞いたことはないのでは? これは、まず白く革を染めた上から、別の色で染めるという手法。なので、着込むほどにうっすらと白が出てくる設計となっている。
もしかしたら、デニムのGジャンよりもエイジングが楽しめるかも? この素材を使い、本来デニムを縫うヴィンテージミシンを使ってGジャンを作る予定だそうだ。これは、デニムファン、レザーラバー、両方に刺さるジャケットになるはず! 詳細は次号で徹底的に紹介するが、天神ワークスの取り組みからは、ますます目が離せなくなりそうだ。

デニムの質感を再現するため、デニムの綾を革に型押しした。こうした細やかなこだわりも、天神ワークスならではだ。

この「リジットレザー」の構想は実に2年。その間、試行錯誤を繰り返し、ようやく納得のいく革に辿り着いた。こちらがその「夢のカケラ」。失敗作と言うなかれ。


今回は0.8㎜のキップレザーの裏革を使うことにした。革が薄いと柔らかくて着馴染みがいいが、0.6㎜くらいに薄くし過ぎると裏革の毛が立たなくなってしまう。この絶妙な塩梅が重要なのだ。

栃木レザーとは、日本でも有数のピット槽を持つタンナー。今回は、そんな栃木レザーの協力のもと、新たな革の開発に着手した。質感、堅牢度、味わい、すべてが揃った最高の革が完成した。

革にオイルを入れていく工程。熱を加えながら、オイルを革に加えていく。当初、この工程を4回行ったが、それだと型押しをする際にオイルが滲み出てしまい、試行錯誤の結果、2回に落ち着いた。ちなみにオイルは植物由来のものを採用している。革の質感を決める非常に重要な工程だ。


鞣して油分を含ませた革を、「タイコ」と呼ばれるドラムに入れて6時間程度空打ちする。これにより革の繊維がほぐれて柔らかくなる。


染料で革に色を付けていく。この色味の具合で革の雰囲気も変わってしまう。天神ワークス代表・髙木さんが入念にチェックしていく。
【問い合わせ】
天神ワークス
TEL03-3870-8658
https://tenjinworks.com/
Text/T.Ogawa 小川高寛 Photo/D.Katsumura 勝村大輔
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