「ベルベルジン」藤原さんが厳選! 歴史に名を刻むヴィンテージ「スウェード」の名作4選

ヴィンテージスウェードアイテムの名作を知ることで、現行のアイテムもより魅力がわかるもの。たしかな審美眼を持つベルベルジンのディレクターである藤原さんが、知っておくべき名作をリコメンド。そこにはアメリカの原風景であるカウボーイ文化が紐づいていた。

「berberjin」ディレクター・藤原裕さん|1977年生まれ。高知県出身。ヴィンテージデニムアドバイザーとしても活躍しており、数々のブランドや企業に携わる。世界中にファンを持ち、愛用品は高騰する傾向がある。

公式スポンサーであったリーバイスが選手団へ支給したムートントラッカージャケット

Levi’s/SHEARLING OLYMPIA TRUCKER JACKET

「スペシャルヴィンテージのひとつに挙げれるのが、1980年のレークプラシッド冬季オリンピックで選手団へ支給されたリーバイスのムートンジャケット。当時のリーバイスはオリンピックの公式スポンサーを務めており、アメリカの象徴であるウエスタンをテーマにした衣装をアメリカ選手団へ支給しました。ムートン仕様のトラッカージャケットとともに、同素材のムートングローブ、ウエスタンハットで開会式に出席していた写真が確認できます。市販されなかったため、現存数が少なく、入手困難なのです」

実はスモールeの方が少ないリーバイスを象徴するスウェードのカウボーイジャケット

Levi’s/SUEDE TRUCKER JACKET 3rd-type

「リーバイスのスウェードジャケットの象徴と言えば、このトラッカータイプでしょう。50年代のショートホーンタグでもスウェードジャケットがありますが、襟がスムースレザーに切り替えられており、袖がカフス仕様ではないんです。このジャケットはビッグEとスモールeのタグが存在するのですが、実は後者の方が少ないんです。そのため70年代中期には廃盤になったのではないでしょうか。その後は米国以外の生産に移り、スウェードを使ったジャケットはあります。同素材のパンツがあるのも特徴です」

カウボーイ=スウェードというパブリックイメージを確立させた名作ボアジャケット

Levi’s/SHORTHORN SUEDE JACKET

「リーバイスがスウェードジャケットに力を入れ始めたのは、ウエスタンラインであるロングホーンの最終期あたりからだと思います。50年代から60年代初頭にかけて使われていたショートホーンタグでは多くのスウェードジャケットがリリースされ、カウボーイ=タフなスウェードというイメージが確立されました。このボアタイプのジャケットは50年代にリリースされていますが、すでに62年よりデニムで採用された557型のデザインというのもおもしろい。コーチジャケットやベストのデザインも展開されてます」

1959年に誕生したカウボーイのラフアウト仕様ワーク靴

REDWING/#1188 SUEDE PECOS

「スウェードを使った名作ブーツと言えば、1959年に発売されたレッド・ウィングのペコスブーツであるラフアウト仕様の1188で間違いないでしょう。ドレス寄りなウエスタンブーツではなく、カウボーイのワークブーツとしての側面が強く、肉厚なラフアウトを用いたのは、革をそのまま裏返したことでの滑りのよさや耐久性、傷などの防止を目的にしたのではないでしょうか。現行で展開されているラフアウトレザーとは一味違う黄土色のカラーリングもヴィンテージの魅力。運よくマイサイズを購入できました」

(出典/「Lightning 2026年3月号 Vol.383」)

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