ブルースを生んだ音楽の街、テネシー州メンフィス。
リンチバーグを“テネシーウイスキーの聖地”とするならば、メンフィスはまさに“音楽の殿堂”。ミシシッピ川に面したこの街は、世の中に多大なる影響を与えたブルースやソウル、ロックンロール発祥の地として知られている。エルヴィス・プレスリーの邸宅である「グレイスランド」もあり、世界中から音楽ファンが集う特別な地と言える。通りのあちこちから音楽が聞こえ、そこかしこに音楽を象ったアートも溢れているエネルギッシュな街だ。もしリンチバーグのジャックダニエル蒸溜所に行くのなら、少し足を伸ばしてもメンフィスを訪れたい。酒と音楽に酔いしれる、贅沢な時間を約束してくれる。
酒と音楽を楽しむなら、Beale STへ!
メンフィスのダウンタウンを東西に貫くビールストリートには、多くのライブハウスがひしめき合い、「ブルースの故郷」と言われる場所。夜になるといろんな音楽が店から聞こえ、ライブハウスをハシゴする人も少なくない。酒と料理を楽しむなら、最高のストリートなのだ。今回訪れたのは「B.B.KING’S BLUES CLUB」。かのB.B.キングの名を冠したこの店では、美味しい南部料理と音楽を楽しむことができる。彼らが楽しむ酒は、ビールかテネシーウイスキーと相場が決まっている。夜な夜な楽しむのも、素敵じゃない?



メンフィスの街には、エルヴィスが溢れかえってる!
ビールストリートの中ほどにあるブルースシティ・ジェネラルストア。スタッフも気さくな方ばかりなので是非お立ち寄りを!
買うのに若干勇気が必要なピンク・キャデラックをイメージしたワンショルダー(34ドル99)。でもファンなら絶対に欲しくなるアイテム。
エルヴィスのマグカップ(14ドル)は、ここブルースシティ・ジェネラルストアの隠れた人気商品。ハンドルがギターなのが洒落てる。
ロックンロール生誕の地、それがSUN STUDIO。
メンフィスが音楽の街として知られるのは、このサン・スタジオの影響も強い。録音スタジオとしてオープンしたのは1951年。1954年に、サン・スタジオのオーナーで音楽プロデューサーだったサム・フィリップスが、このスタジオで当時全く無名だったエルヴィス・プレスリーのデビュー曲「That’s All Right」を録音したことでも知られる。
サム・フィリップスは、黒人も白人も分け隔てなくレコーディングをするというスタンスでサン・スタジオをスタートさせ、それがスタジオの発展にも繋がった。B.B.キングやジュニア・パーカーなど、後に有名になる黒人ミュージシャンたちも、最初のレコーディングをここで行ったとか。白人アーティストにはジョニー・キャッシュや前述のプレスリー、ジェリー・リー・ルイスをはじめ、名だたるミュージシャンが名を連ねている。
このサン・スタジオには見学ツアーがあり、誰でも説明を聞きながら建物内を見て回れる。ロックンロールが生まれたまさにその場所に、一度は行っておきたい。音楽ファンならずとも、きっと何かを感じるはずだ。





(出典/「Lightning 2025年7月号 Vol.375」)
Text&Photo/T.Ogawa 小川高寛 Coordination/Y.Makino 槙野雄介 問い合わせ/ブラウンフォーマン http://www.brown-forman.com/japan
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