兄弟の川に対する想いを美しく描く。|リバー・ランズ・スルー・イット(1992)
アカデミー撮影賞を受賞し、1900年代初頭を舞台に対照的な兄弟がフライ・フィッシングを通じて、繋がっていく様子を描いた作品。自然の景色が美しいと映像美を称賛する声が多い作品だが、杉村さんもその魅力に心奪われた。
初めてこの作品を観た時は20歳。当時は作品の良さに気付けなかったという。歳を重ねるごとに、頭の隅に残ってた記憶が沸々と湧きあがり、大人になったからこそわかる作品の奥深さに気付いたのだ。
休日はカヌーと愛犬を連れて湖へ行き、街の喧騒から離れゆっくり時間を過ごすのが趣味。この作品をはじめ、アメリカ発信のコンテンツには、遊び心という意味の余白があって好きだと語る。そんな杉村さんの生活には、心の余裕という意味の余白があり、この作品の世界観を自身で体現しているかのようだ。
(出典/「Lightning 2025年2月号 Vol.370」)
Text/A.Fujii 藤井葵 Photo/N.Suzuki 鈴木規仁、N.Hidaka 日高奈々子