VWゴルフが今年で生誕50年と聞いて、初代モデルが気になってしまった人へ。

押しも押されぬ世界の名車のひとつといっても言い過ぎではないのがVW(フォルクスワーゲン)ゴルフ。ビートルと並び偉大なる庶民のクルマとして生まれ、誕生からモデルチェンジを繰り返しながら現在も存在しているってのがそのすごさ。なんとその生まれは1974年で、今年で50歳という。そうなると50年目のモデルよりも、最初のモデルが気になってしまうのが旧いモノ好きの悪い癖。初代ゴルフで温故知新してみる。

世界の自動車史に名を刻む偉大なる庶民のクルマ。

どういうクルマが名車なのかと問われれば簡単なことで、たとえ自分が所有をしていなくても、周りの誰かが所有していて、乗せてもらったり見たことのあるクルマってのがいわゆる名車のひとつではないかと。

VWゴルフも自身では所有したことはないけれど、何人か知り合いで所有していた人がいたという経験があったのでそれほど縁遠いクルマではなかった。

まさにそれこそが名車なんだろね。

そんなゴルフはこの世に誕生してから今でもモデエルチェンジを繰り返しながら生き残っているというのがすばらしい。こういうモデルは世界的に見てもそれほど多くない。

数字的に見ても現在までに累計3700万台以上が世の中に出ているというから驚く。

きっと初代の開発コンセプトが間違いなかったというだけでなく、しっかりとそこから時代に合わせた進化をしてきたからがその理由だろう。

というわけで、その歴史の始まりになる初代ゴルフがいまさらながら気になり始めた。もちろん、いまや好コンディションの中古はけっこうな価値になっているのでここに来て気になっている旧車ファンも少なくないはず。あらためて見てみると実にカワイく味がある。個人的にはやはり丸目のゴルフ1(1974年〜)、2(1983年〜)が気になるところ。

そのスタイルは、当時の高級車やアメリカ車とは違った何の変哲もないところに逆に不変の良さを感じてしまう。まだにワールドスタンダードといったところか。

名車っていうのはいつの時代も色褪せないんだなと実感するのであった。

1974年に生まれたゴルフ1。当時の国民車だったタイプ1(ビートル)の後継モデル構想のなかで生まれた。3ドアモデルがクラシカルでかわいい。ちなみに現在、この手のクラシックゴルフは価格上昇中。Photo by Volkswagen
こちらは5ドアモデル。ゴルフ1のスタイリングはジウジアーロによるデザイン。大衆車にしてデザイナーズカーであるところがこれまたニクイ。オシャレ感度の高い人に人気なのもうなずける。Photo by Volkswagen
トランクではなくハッチバックスタイルというのもゴルフのアイデンティティ。初代から横置きのエンジンにFF、ハッチバックが基本構造。後年にはオープン(カブリオ)モデルも存在した。Photo by Volkswagen
素っ気ないと言えばそれまでだけど、必要にして最低限のインパネのデザイン。ラグジュアリーカーとは無縁の質実剛健なスタイルを徹底している。プラスチックを多用しているところにも時代感を感じる。Photo by Volkswagen
3世代のゴルフのそろい踏み。なんかおしゃれにうるさい昔の悪友が乗っていたなあという思い出がよみがえる。ビートルと並ぶVWの金字塔モデルであることは間違いない。Photo by Volkswagen
2019年式からになる8代目が現行モデル。初代と比べるとずいぶんと進化したことはスタイリングからでもわかる。といっても初代からの基本理念は踏襲されているってのが見て取れる。Photo by Volkswagen
この記事を書いた人
ラーメン小池
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ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
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