業界関係者が注目! ウイスキーの新天地、タスマニア。

ここ数年でタスマニアのウイスキーが徐々に日本でも味わえるようになり、バーテンダーやウイスキー関係者の中で注目されている。1839年に一度は蒸溜禁止法により製造中止となったものの、150年の年月を経て復活したタスマニアでのウイスキー造り。そんなタスマニアウイスキーをチェック!

タスマニアのウイスキーは美味しいのか。

サリヴァンズ コーヴ|シングルモルトウイスキー。ハチミツ入りのバニラアイスのような甘い香りに、砂糖漬けした果物の皮のような味わい

いま、五大ウイスキー産地以外の小さな島のウイスキーが注目されているはご存じだろうか。オーストラリアのさらに南にあるスコットランドとほぼ同面積のタスマニアだ。植民が行われて間もない時代、タスマニアにはウイスキーの蒸溜所が16カ所あったという。

しかし、地元のビール醸造関係者がウイスキーよりもビールのほう が社会的に健全であると主張。そ の結果、ウイスキー造りは1839年に禁止されてしまう。澄んだ空気と清らかな水、ビール醸造にも使われる大麦もある。もともとタスマニアはウイスキー造りに適した気候と風土を備えているのだ。

それから150年後、蒸溜禁止法を取り消して法令を改定したビル・ラークの尽力により、タスマニアでのウイスキー造りが復活。ここ数年で、日本でもタスマニアウイスキーのクオリティの高さに、ウイスキー業界をはじめ、愛好家もザワつきはじめている。まだ試してない方、未知数のタスマニアウイスキーを試してみては。

ヘリヤーズ ロード|小規模の蒸溜所だが、世界的なコンテストに参加するなど意欲的に経験を積んでいる。わずかに柑橘系の香りが感じられる

タスマニアの主なクラフトウイスキー蒸留所。

現在タスマニアにおけるウイスキーの蒸溜所は意外とたくさんある。下に記した蒸溜所以外にも存在する可能性はあるが、その一部紹介しよう。

1.ヘリヤーズローズ蒸溜所

1999年に設立。最初のボトルは2006年にリリースされ、徐々に生産量を拡大しているようだ。

2.ファニーズベイ蒸溜所

2014年から蒸溜を開始した蒸溜所。樽はバーボン、ピノ、ポート、シェリーを使用している。

3.コラリン蒸溜所

不明なことが多いが、わかる範囲で、タスマニア産の大麦麦芽を使用し、熟成はスモールバッチ。

4.ローセストン蒸溜所

2011年に設立。タスマニアの職人が設計したスチルを使い、タスマニア産の大麦を原料に使用。

5.アダムス蒸溜所

2015年設立の蒸溜所。スコットランドのスペイサイドの蒸溜所を訪問し、感銘を受け起業。

6.ナント蒸溜所

年間650樽の生産量というメジャーな蒸溜所。ウイスキー樽の投資を受け入れているらしい。

7.ベルグローブ蒸溜所

2008年設立、ライ麦100%を使用するシングルライウイスキーを生産。自家製のスチル使用。

8.レッドランズ蒸溜所

2017年設立。オーナーズカスクを受け付けていて、20Lの小樽を購入できる。レストランも併設。

9.シェーンステート蒸溜所

2014年創業のタスマニア南部にある蒸溜所。3回蒸留のアイリッシュ方式を採用している。

10.スプリングベイ蒸溜所

2015年に設立し、2017年にファーストリリースボトルを販売。海から500mの好立地。

11.サリヴァンズコーブ蒸溜所

1995年に設立。2014年のワールドウイスキーアワードでフレンチオークウイスキーが世界一に!

12.ラーク蒸溜所

タスマニアで最後の蒸溜が閉鎖してから約150年ぶりの1992年に開業。様々なボトルをリリース。

13.デビアント蒸溜所

20人のタスマニアンが最新の技術を投入して設立した蒸溜所。なかなかユニークな集団だ。

14.オーフレイム蒸溜所

2005年に蒸溜免許を取得し、2007年に製造を開始。何種類かのシングルモルトを発売している。

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/別冊Lightning Vol.214「ウイスキーブック」

この記事を書いた人
めぐミルク
この記事を書いた人

めぐミルク

手仕事大好きDIY女子

文房具、デザイン、ニッポンカルチャーなどのジャンルレスな雑誌編集を経てLightningへ。共通しているのはとにかくプロダクツが好きだということ。取材に行くたび、旅行するたびに欲しいものは即決で買ってしまうという散財グセがある。Lightningでは飲食、ハウジング、インテリアなどを担当。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

Pick Up おすすめ記事

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...