大自然に囲まれた冷涼な環境はウイスキー造りに最適。
スコッチウイスキーとは、イギリス北部にあるスコットランドで造られているウイスキー。大麦麦芽のみを使ったモルトウイスキーと、トウモロコシと小麦、大麦麦芽を原料としたグレーンウイスキーがあり、両者を混合させたブレンデッドウイスキーが1853年に発売されたことで、ウイスキーが世界に広まったとされている。
スコッチウイスキーの熟成に使うのはオーク材の樽だが、その樽は一度ウイスキー以外のものを詰めたものを使う。その多くはシェリー酒やバーボンが詰められていたものだが、スコッチが詰められていたプレーン樽を再々利用することもある。使う樽によって風味や香り、色も異なってくるため、蒸溜所だけでなく樽の個性によって様々なウイスキーを楽しめるというわけだ。
スコッチウイスキーの特徴といえば、モルトウイスキーの香りを特徴付けるピートという炭化した泥炭を使っていること。スモーキーな香りと風味が特徴で、最近では日本でもスモーキータイプのウイスキーを造る蒸溜所が徐々に増え、認知されてきた。
シングルモルトスコッチとは?
モルトとは大麦麦芽の意味で、100%大麦麦芽を使ったものをモルトウイスキーという。シングルモルトとは、1つの蒸溜所で造られたモルトウイスキーだけをボトリングしたもの。生産地区は、ハイランド、ローランド、キャンベルタウン、アイランズ、アイラ島に集中しており、各地域ごとの味の特徴は多少あるが、はやり蒸溜所によって個性が出る。
1.スペイサイド
スペイ川流域で造られるモルトウイスキー。多くの蒸溜所がこの地域に集中している。
2.ハイランド
ハイランド地域は広範囲にわたるため、酒質が多種多様なのが特徴。さらに蒸溜所の個性も出てくる。
3.アイラ島
人口3500人ほどの島で、ブナハーブン、カリラ、アードベックなどの蒸溜所が存在する。
4.キャンベルタウン
最盛期には 30 を超える蒸溜所があったが、現在は3つのみ。有名なのはスプリングバンク蒸溜所だ。
5.ローランド
穏やかな気候で、クセのないマイルドなローランドモルトが特徴。グレーン原酒の発祥の地でもある。
6.アイランズ
島々という意味で、オークニー島、ルイス島、スカイ島、マル島、ジュラ島、アラン島を指す。
ブレンデッドウイスキーとは?
ブレンデッドウイスキーとは、通常30~40種類のモルトウイスキーと3~4種類のグレーンウイスキーを混合させたウイスキーのこと。グレーンウイスキーは主にブレンデッドに使われるため、そのままで飲むことはほとんどないが、グレーンをベースに、様々なモルトの個性を加えることで、お互いを引き立てる役割をしている。
[グレーン原酒]
トウモロコシや小麦などの未発芽を穀物を主原料として造られ、蒸溜されたウイスキーのこと。
[モルト原酒]
大麦麦芽100%を使ったウイスキーで、個性豊かな風味や香りが特徴で、グレーンによってより引き立つ。
Illustration/H.Yoshimoto 吉本穂花
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