これが俺の馬鹿なECWCS。FINE CREEK & CO.のLAW

欲しいモノが尽きないライトニング編集部員が、いま気になるモノから実際に購入しちゃったモノまで、ジャンルに限らず何でも紹介! 今回は、「この原稿を書いているのが1月23日。明日より最強寒波がやって来るらしい。ダウンの威力を試したいところだが……明日は家でゆっくりお酒飲んで過ごします」と語る、革ジャンの伝道師・モヒカン小川がお届け!

革ジャン+レザーダウンベストは俺にとってのECWCS。

俺はただ、馬革と鹿革の重ね着について書きたいだけなのだ。このページの原稿を書けば、俺は脱稿する。しかし、この期に及んでぴたりと筆が止まってしまった。馬と鹿で「馬鹿」。なんで? 馬と鹿の違いすらも分からない状態が「馬鹿」なのだろうか? いや、そんな奴は馬鹿を通り越して阿呆である。

さっそくGoogleで「馬鹿由来」と検索してみる。いろいろ見てみると、諸説あるらしいが、サンスクリット語で「無知・愚か」を意味する「moha」の音に文字を当てたものらしい。だから、馬と鹿にさしたる意味はないっぽい。「よろしく」を「夜露死苦」と書くようなものじゃね? ようやく納得したので、気を取り直して筆を進めることにする。

ファインクリーク&コーの新作ダウンベストLAW(ロウ)を、ファインクリークレザーズのブラウンレオンの上から羽織った図。元は1.6㎜厚の渋鞣しの鹿革を1.0㎜に漉いており非常にしなやかなで、ダウンのボリューム感や柔らかさを存分に味わえる。14万9930円

上の写真は、馬革製の茶ダブル(ファインクリークレザーズのレオン)に、鹿革のダウンベスト(ファインクリーク&コーの新作、LAW)を合わせたもの。革ジャン+レザーダウンベストは、言ってみれば米陸軍のECWCSのような“俺流”レイヤリングシステムなのだ。馬革と鹿革の素材感の違いが楽しめるのも、この重ね着のポイント。

LAWは、鹿革のシボ感を存分に楽しめ、かつダウンベストの“バフバフ感” を実現するため、革を薄く漉いているのが特徴。革が厚いとダウンを押さえつけてしまい、ボリュームが出ないのだ。非常に軽量で、レザーonレザーにはもってこいのダウンベストと言える。

古の人々が「moha」に「馬鹿」の文字を当て込んだように、俺も言葉を当て込んでみる。

E いい感じに
C クールで
W ワイルドで
C 超あたたかい
S システム

……喪悲観小川

フロントは、ジッパーとスナップボタン両方を装備しており、使い勝手も良好。スナップボタンのみでラフにフロントを留めることもできる

ヨークのないすっきりしたデザインのLAW。ダウンベストの魅力であるボリューム感を、レザーで完全に再現している。中身はダウン90%・フェザー10%、730フィルパワーを誇り、保温性も抜群だ

【問い合わせ】
ファインクリークレザーズ 
TEL050-3390-2470
http://www.finecreek.jp

(出典/「Lightning 2023年3月号 Vol.347」)

この記事を書いた人
モヒカン小川
この記事を書いた人

モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

Pick Up おすすめ記事

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...