ストレスを感じさせない、オールドVW。
人気のフォルクスワーゲン製のヴィンテージ・キャンパー。なかでも“アーリー”や“レイト”と呼ばれる空冷が特に人気。だが、東京都立川市の空冷ワーゲン専門店『BASE CAMP VWs』のオーナー並木さんの愛車は水冷のT4だ。
「アーリー、レイト、T3、T4と乗ってきましたが、『進化とは、こういうことか』と思いました。T3と比べても、です。エンジンとミッションもそうだし、ついているモノ――例えば冷蔵庫もすごく冷えます。マリンバッテリーがふたつ付いていて、滞在中にレベルゲージが減ってきたらエンジンをかけるとすぐに充電できます。
T3もそうですが、走行用バッテリーはエンジンルームにあるので、使い切っても問題はないし、外部電源もあります。水もひけるから中で料理もできる。とにかく安心して遠出ができるクルマです」
今では13万6000kmを走破した並木さんのT4。最近ではボディのヤレも目立ってきたが……。
「オールペンは100パーセントしません。キャンピングカーですからね。そのままやれた感じで乗りたい。私自身もやれていますから(笑)。そのかわり機関はしっかり治します。子供も大きくなったので、家族でキャンプという使い方はもうしませんが、愛犬と一緒にキャンプに行きたいですね。犬と一緒に泊まれる宿泊施設もありますが、T4なら周りを気にせず一緒に過ごすことができますからね」
完成度の高い老舗ウェストファリア製キャンパー。
リアゲートは跳ね上げ式で、開口部も広い。専用のモスキートネットを貼ることで、ゲートを開けたままでも蚊に刺される心配はない。真夏は就寝時にも有効だという。
T4モデルからフロントエンジンになったため、後部のラゲッジスペースは広くなった。
下段にはウォータータンクが設置されるほか、テントなどを格納可能。積載能力はかなり高いため、キャンプギアをたっぷり収納可能だ。
セカンドシートは座面下部が収納スペースになっているだけでなく、アレンジによってダイニングスペースにもベッドにも変化する優れもの。
シート下に格納されたテーブルをキッチン手前にセットすれば、車内で食事も快適にできる。限られた空間で快適に過ごせるように、上手に活用しているのは老舗ウェストファリアならでは。
空冷なら不安になるシチュエーションも、このクルマなら安心できる。
飲み物や食材を入れる冷蔵庫はコンロの奥にある。深さがあるため、容量はかなりある。
二口のガスコンロとシンクも完備している。
本来ガスコンロはLPガスを使用するが、日本では充填が難しいため、カセットガスを使用できるようにカスタム済み。シンク下にカセットをセットできるようになっている。
通常走行用とは別にバッテリーを搭載し、停止状態でも冷蔵庫や照明を利用できるようになっている。
並木さんが長年愛用しているというかなり古いコールマンのツーバーナー。使っていないVWのホイールを台として活用している。
車内である程度のことができてしまうため、テーブルとチェアがあればキャンプ可能。キャンプギアはいたってシンプルな構成。
ランタンもコールマンをチョイス。こちらも長年愛用しているという。
主に飲み物用に使っているというコンパクトなプラスティッククーラーはコールマン製。
カセットガスを利用して暖を取ることができるコンパクトなストーブはイワタニ製の初期型モデル。こちらも長年愛用している。
大きめのクーラーボックスもコールマン製でこちらはスティールタイプ。
車内にコンロもあるが、調理は主に車外で行うことが多いという。そのためツーバーナーは必需品だという。ポンピングする手つきも慣れたもの。
【問い合わせ】
BASE CAMP VWs
TEL042-534-1103
Photo&Text/D.Katsumura 勝村大輔 Text/M.Sasaki 佐々木雅啓
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