これ何だかわかります? パンではなくてビールなんです。

欲しいモノが尽きないライトニング編集部員が、いま気になるモノから実際に購入しちゃったモノまで、ジャンルに限らず何でも紹介!

今回は「今年の夏は本当に暑かった。だからか、ビールを飲みたい気持ちが先に立ってしまった。アップサイクル連載でも“ビール”を取り上げたし、これもウマいんだ」と語る、編集部の紅一点・めぐミルクがお届け!

このビールを飲んでみたかったんです。

今年3月、長野県の野沢温泉にあるブルワリー「AJB Co.」を取材した。ビール好きなイギリス人のご主人と日本人の奥さまが造るクラフトビールは、野沢温泉の水と主に地元長野の素材を使っているのがウリだ。

当時取材をしたのは「ブレッド」というビール。六本木のベーカリー「bricolage bread & co.」の看板メニューであるライ麦カンパーニュ「ブリコラージュブレッド」を作るときに出るパンのミミを使った珍しいビールだ。

ブルワリーを訪れたとき、ブレッドの製造工程を取材させてもらったわけだが、完成したビールの在庫がなく試飲するがすら叶わなかった。取材時に仕込んだビールが完成するのは約3週間後。パンのミミが送られてくるタイミングでしか造っていないレアビールでもある。しかも“超”が付くほど人気商品のため、オンラインショップで在庫があるのを確認したときには、何も考えず“ポチッ”としていた。

さてお待ちかねの試飲。コリンアンダーの爽やかな飲み口から始まり、ローストしたパンの風味がほのかに広がる。最後はビールらしいガツンとした苦み。一口飲んだだけで、これだけの味の変化を感じられるのは面白い! クラフトビールの奥深さを感じる一本だ。

AJB Co.のbread

AJB Co.のビールは日本初のオーク樽を使った樽熟成をしているのが特徴。また造りたてのビールが飲めるブリューパブ「里武士」も野沢温泉内にあり、横浜・馬車道にも今年オープンした。関東でもAJB Co.の味を楽しめるなんて嬉しいことこの上ない。ブレッドは1本510円。

透き通ってくるまで濾過を何度か繰り返す。その目安はこの部分で確認。繰り返すたびに色が鮮やかになっていくのがわかる。

お湯とモルト、オーツ麦を加えてマッシュしたところに、パンのミミを投入。パンが馴染んできたら濾過し、さらに次の工程へ。

副原料として使われているパンのミミ。クルトン状にすることで保存しやすく、パンのミミの風味もほのかに感じることができる。

きれいな琥珀色をしたブレッドビール。少し濁りのあるヘイジータイプで、飲み口は爽やか、後からガツンとくるインパクトのある仕上がり。

【問い合わせ】
AJB Co. 
https://anglojapanesebeer.com

(出典/「Lightning 2022年10月号 Vol.342」)

この記事を書いた人
めぐミルク
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めぐミルク

手仕事大好きDIY女子

文房具、デザイン、ニッポンカルチャーなどのジャンルレスな雑誌編集を経てLightningへ。共通しているのはとにかくプロダクツが好きだということ。取材に行くたび、旅行するたびに欲しいものは即決で買ってしまうという散財グセがある。Lightningでは飲食、ハウジング、インテリアなどを担当。
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