今注目高し! 沖縄の訪れたい4つの個性派マイクロブルワリー。

その土地に根付いた小さなブルワリー。生産量も少なく、他にはあまり出回らない、その地ならではの味わいが楽しめる。沖縄にもそんなマイクロブルワリーが存在する。ここでは4つのブルワリーを紹介。それぞれの特徴を楽しみながら、ハシゴするのもアリだ。

1.浮島ブルーイング|素材をよさを駆使した新しいビールに挑戦。

古代米(籾殻)や謝花きっぱん店タンカン、ハダカムギなど、沖縄産の素材を使ったビールを製造するブルワリー。ユニークなのは、それらの素材が沖縄の歴史と関連しているものが少なからずあること。オーナーの由利さんは、沖縄の歴史を語りながらビールを製造するというちょっと変わったブルワーなのだ。これらの原材料を聞いただけでは味の想像はできないかもしれないが、由利さんの話を聞きながらビールを飲んで、琉球に想いを馳せるのもいいかも。

由利充翠さん|まちづくりのコンサルティング会社の代表を務めながら、2018年にクラフトビールづくりをスタート。同年7月に浮島ブルーイングをオープンさせた
仲村渠ウィートXは、稲作の発祥地である仲村渠(なかんだかり)の古代米(籾殻)を使った小麦麦芽ビール
久高島ヴァイツェンは、琉球開闢の地 “神の島” と呼ばれる久高島で取れた麦を使用したビール

【DATA】
浮島ブルーイング
沖縄県那覇市牧志3-3-1 2F
TEL098-894-2636
営業/17:00~23:00
休み/水曜
https://www.ukishimabrewing.com

2.クリフビール|英国エールと沖縄食材の美味しいコラボ。

イギリスの伝統的な醸造方法で作るリアルエールを作りたい! そんな思いからビール製造をスタートさせた宮城さん。しかしリアルエールは炭酸が弱く、泡がほとんどない。当初リアルエールだけ作ろうと思ったそうだが、暑い沖縄にはやっぱりシュワッとしたビールの方が飲みやすい。最近は沖縄産の素材を使ったビールを造っている。フルーティな「かなさんホワイト」や紅芋のレッドエール「FARMAER’SPRIDE紅芋」などビールが苦手な人にもおすすめだ。

宮城クリフさん|デザイナーでもあり、3年程前からビール製造を行うオーナー兼ブルワー。イギリスに10年半ほど暮らしていた頃、ビールに興味を持ったという。2019年にお店をオープン
沖縄産のフルーツやシナモン、小麦などを使った飲みやすく沖縄の空気を感じられるビール。ラベルデザインはもちろん宮城さん
ビールの原料となる大麦。店舗の片隅には加工した大麦のサンプルが展示されている
外国人住宅をリノベーション。店舗から工房の様子を見ることも。瓶詰め機材などは自作したというから驚きだ

【DATA】
クリフビール
沖縄県沖縄市比屋根6-18-1
TEL098-953-7237
営業/13:00~18:00
休み/月・火曜
https://www.cliffbeer.jp

3.ウォルフブロイ|本場ドイツビールを沖縄で再現。

ドイツビールには「ビール純粋令」というものがある。その内容は麦芽、ポップ、酵母、水のみを原材料とすること。その製造方法を忠実に守り、日々ビール造りを楽しんでいるウォルフブロイ。メインはのひとつはドイツ伝統のヴァイツェン。スタンダードものや大麦麦芽を焙煎したものも味わえる。その実力は大手も認めるほどで、オリオンビールとコラボした「首里1427」を商品化。いま勢いのあるブルワリーだ。沖縄で本場ドイツビールを飲むならここしかない。

ウォルフラム・オーピッツさん|某大手メーカーを退職し、趣味だったビール造りを本格化。当時静岡県に住んでいたが、首里に移住しブルワリー兼タップルームをオープン。奥さまの自家焙煎珈琲にも注目
右から小麦麦芽の無濾過白ビール「ヘーフェヴァイツェンヘル」、シトラスポップエールの「首里の風」、ヴァイツェンヘルを焙煎した「ヴァイツェン・ドゥンケル」
エンジニアだったこともありブルワリー内の設備の組み立てにも関わった
オリジナル樽はイベント用。ここにビールを詰めて生ビールを提供している

【DATA】
ウォルフブロイ
沖縄県那覇市首里池端町34
TEL098-975-5669
営業/14:00~19:30
休み/水曜
http://www.wolfbrau.com

4.コザ麦酒工房|酒屋の3 代目がつくるユニーク食材を使ったビール。

「クラフトビールってお値段は張りますが、うちのビールは肩肘を張らずに飲んで欲しいんです。だからうちではジョッキでご提供しています。『普段着ビール』ですね」と笑いながら話すのはオーナーの大浜安彦さん。ベルギービールの多様性に驚愕し、自分でも作りたいと。そして街の沖縄そば屋さんのように街のビール屋さんをやりたいと思ったそうだ。ちょっと立ち寄って、ジョッキでグビグビ飲めるビール。ウンチクはいいからとりあえず乾杯したい。

大浜安彦さん|酒店の3代目でコザ麦酒工房のオーナー。ワインソムリエの資格も持っていたり、酒店の一角で立ち飲みを始めたりと根っからのお酒好き。コザ麦酒工房は2014年にオープン
インパクトのあるボトルラベル。ロゴも覚えやすい秀逸なデザイン
普段着ビールなのでジョッキでご提供
店内に貼られたビールのメニュー。ユニークなネーミングに思わずクスッと笑ってしまう。ちなみにペナントはラガーマンだった頃のもの
店内の奥にタンクを設置。ビールは狭い場所でも造れるのが特徴のひとつ。出来たビールは冷蔵庫に移され、タップから提供される

【DATA】
コザ麦酒工房
沖縄県沖縄市中央1-24-13 2F
TEL098-975-6119
営業/17:00~24:00
休み/日・月曜

(出典/「Lightning2022年8月号 Vol.340」)

この記事を書いた人
めぐミルク
この記事を書いた人

めぐミルク

手仕事大好きDIY女子

文房具、デザイン、ニッポンカルチャーなどのジャンルレスな雑誌編集を経てLightningへ。共通しているのはとにかくプロダクツが好きだということ。取材に行くたび、旅行するたびに欲しいものは即決で買ってしまうという散財グセがある。Lightningでは飲食、ハウジング、インテリアなどを担当。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

Pick Up おすすめ記事

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...