新時代の幕開けを告げる、ハーレーダビッドソン注目の2台。

伝統と革新——。この相反する要素を見事に昇華した2 台のモーターサイクル。搭載するエンジンは、新世代の水冷V 型2 気筒エンジン「Revolution Max(レボリューションマックス)」。新たなるハーレーダビットソンの歴史を切り開くこの意欲的なマシンを往路激しい東京都心で体験する。

1.シティライドも楽しい懐の深さ。PAN AMERICA1250 SPECIAL

大型アドベンチャーバイク群雄割拠の時代に、満を持して登場したのがパンアメリカ1250。車体は大柄だが、ライディングポジションは思った以上にコンパクト。リラックスした乗車姿勢で走ることができる。特筆すべきはサスペンションの出来。街中の轍もしなやかに吸収し、乗り心地はとにかく快適。ツーリングはもちろん、通勤にも使える、まさにマルチパーパスなバイクである。

【スペック】

  • エンジン:水冷V 型2 気筒
  • 排気量:1252 ㏄
  • 全長×全幅×全高:2270×975×1510 ㎜
  • ホイールベース:1580 ㎜
  • シート高:875 ㎜〜830 ㎜
  • 車両重量:245kg
  • 最高出力:150hp/8750rpm
  • 最大トルク:128Nm/6750rpm
  • 価格:274 万5600 円〜

ディテールを拝見!

大型バイク然としたエクステリアだが、走りだすとまるで400㏄クラスのような車体サイズに感じる。高いアイポイントは街乗りにも最適。

最大152馬力を発揮。不快な鼓動感はなく、心地よいパルス感とシルキーな回転が印象的。出力特性もリニアでとにかく扱いやすい。

特徴的なスクエア型LEDヘッドライト。ナイトランも安心の照射範囲をもつ。

ホールド性のよいシートはジーンズでも滑ることはない。

フラッグシップの「1259スペシャル」には電子制御サスペンション「ARH」を装備。停車時や極低速走行時には自動で車高が下がる足つきサポート機能だ。

ウインドシールドの高さはモニター横で調整できる。

タッチ操作もできる6.8インチTFT モニター。Bluetooth対応で、専用アプリを使用すれば電話や音楽、ナビにもアクセスできる。

オートクルーズコントロールをはじめとした多数の機能は左右のグリップ部分で制御可能。走行モードは5つのライディングモードが用意され、また自分の好みに応じたカスタマイズも可能。

2.強烈無比なストリートドラッガー。Sportster S

エンジンはパンアメリカと同じレボリューションマックスを搭載するが、より低い回転数で最大出力とトルクが発生する。そのため、「スポーツ」モードでガツンとアクセルを開けた時の蹴っ飛ばされたような加速感はドラッグマシンのそれ。低いハンドルポジションや片側2本出しのアップマフラーから聞こえる歯切れのよい排気音など、とにかく乗るのが楽しくなる要素が満載の1台だ。

【スペック】

  • エンジン:水冷V 型2 気筒
  • 排気量:1252 ㏄
  • 全長×全幅×全高:2270×840×1085 ㎜
  • ホイールベース:1518 ㎜
  • シート高:765 ㎜
  • 車両重量:228kg
  • 最高出力:121hp/7500rpm
  • 最大トルク:125Nm/6000rpm
  • 価格:194 万8100 円〜

ディテールを拝見!

低重心化による228kgとは思えない車体の軽さにまず驚く。そして765㎜のシート高による足つき性でシティライドにおけるストレスは皆無。

パンアメリカと同じ1252㏄の水冷V型2気筒のレボリューション・マックスエンジンだが、出力特性が変更されている。

新世代のハーレーを象徴するスクエア形状のLEDヘッドライト。ウインカーもすべてLEDだ。

カスタムマフラーのようなデザインと、乾いたパンチのあるサウンドを奏でる片側2本出しのマフラー。乗り手に排気熱が向かないよう設計された。

各設定はグリップ部分で行う。またハーレー特有の左右振り分け式のウインカースイッチだが、パンアメリカ、スポーツスターSともには左グリップ部だけで操作が可能になっている。

メーターはシンプルな丸形メーター。TFTモニターで、すべての情報はここに集約される。専用H-DアプリによるBluetoothにも対応。

タンク前にはUSB電源が装備されている。

【問い合わせ】
ハーレーダビッドソン ジャパン
TEL0800-080-8080

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「Lightning2022年5月号 Vol.337」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

Pick Up おすすめ記事

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...