1950年代築の映画館を改装したアウトドアブランドの店舗は、乗り物、音、道具、本物を突き詰めた究極空間。

めちゃめちゃ天気が良い絶好のツーリング日和だけど、あえて今日は走らずに愛車と共に過ごす。そんな日があってもいいじゃないか。ハーレーの楽しみ方は何も走るだけではない。気になるところをイジってみたり、日がな一日眺めたり。それだけでも十分楽しい。それがハーレー。そんなハーレーライフを送るのに最適なのがガレージだ。ただし、ガレージを100%満喫するのには、ハーレー乗りそれぞれのこだわりやアイデアが必要。そこで、自分だけのこだわりの空間を作り上げた、先輩たちのガレージにお邪魔した。今回紹介するのはアウトドアブランド「オールドマウンテン」の旗艦店「オールドシアター」だ。

オールドマウンテンはすべてガレージから始まった

トラディショナルなホットロッドやハーレーが鎮座するその横には、ランタンや工具など、いにしえの時代に作られた“本物”が所狭しと並ぶ。2017年にスタートしたアウトドアブランド「オールドマウンテン」は、破竹の勢いでフォロワーを拡大し、昨年夏に初の旗艦店「オールドシアター」をオープン。このガレージは、そのオールドシアターの一角を占める代表・辻ノ内さんの趣味部屋だ。

アウトドアとガレージは、一般的に繋がりにくいキーワードだが、そこがオールドマウンテンの個性といえる。辻ノ内さんにとってのキャンプはあくまでも目的ではなく宿泊手段。バイクやクルマなど、屋外の遊びに付随するもので、キャンプシーンだけを見据えたモノ作りではなく、ファッションや乗り物、ギアなどさまざまな要素をアウトドアに落とし込む視点が特徴だ。辻ノ内さんがガレージでカスタムしたものからブランドが始まっているから、発信源である旗艦店にガレージは必須だった。

特筆すべきは、オールドマウンテンは屋外で“居心地の良い空間を作る”アウトドアブランドだということ。その象徴が、12ボルト電源のオリジナル真空管オーディオで、要は旅先のテントの中でアナログな音質を楽しめるということ。創業当初からヴィンテージギアも含めたキャンプスタイルの空間作りを発信し続けてきた。そして、初の旗艦店が、ひとつの建物にシアター上映が可能なジャズ喫茶とオリジナルプロダクツのオンリーショップ、そしてガレージを併設するという、アウトドアブランドの常識を逸脱するスタイルに驚愕するが、独自の世界観を発信するにはこれがベストな旗艦店のカタチだったというわけだ。

「当初からシアターの構想があったわけではないですが、結果的にやりたいことがすべてカタチになったのがこの場所。出先で居心地が良い空間作りを発信してきて、それを建物で表現したのがオールドシアターです。もともと旧いギアや乗り物が好きで、ガレージは生活の一部でした。この場所は、自分にとって居心地が良い空間をオープンにしている感覚なんです」

地元の出雲市で築き上げた空間作りの夢の究極。オールドシアターを訪れた際には、ガレージものぞいてみてほしい。珠玉の車両たちもさることながら、さまざまなヴィンテージプロダクツをリスペクトし、遊びの中にスタイルを見出すオールドマウンテンの圧巻の世界観が広がっている。

1950年代に建てられた映画館を改装した、オールドシアター。狭い路地に佇むエントランスには当時の名残が感じられる。建物の至る所に描かれたアーティストL.さんのサインペイントも見どころ

ジャズ喫茶とショップ、そしてガレージを併設した空間

OLD MOUNTAINの原点はガレージにあり。バイクやギアをガレージでいじって、カスタムしたものを使っていたところから、徐々に広まっていったというだけに、このガレージを作る時も作業台は必須のスペースだったのだ。

ガレージはプライベートな空間だが、ブランドの世界観の発信源でもあるため、喫茶スペースに隣接し、ガラス越しに中を見ることができる。旧いアメリカ映画に出てくる納屋のガレージのような圧巻の世界観が作り上げられている。

ガレージの棚にはヴィンテージランタンやストーブが並ぶ。キャンプなど、アウトドアレジャーで実用するものばかりだが、ミュージアムクラスの超希少モデルも所有。

ファサードの壁やガラスに描かれたサインペイントはすべてアーティストL.氏の仕事。ここだけでもさまざまな手法のアートワークを堪能できる。

通常営業時はジャズ喫茶として、シアター営業時にはバーカウンターの背後に大型スクリーンを設置して、劇場仕様へと姿を変える。ソファはTRACK FURNITUREとのコラボレーションで、店内のソファやテーブル、食器、グラスに至るまでここで使われるもののすべてが購入可能。

ジャズ喫茶2階スペースにOLD MOUNTAIN初の旗艦店を併設。全ラインアップをそろえる唯一のショップであり、シアターやガレージと同じ空間に存在するためOLD MOUNTAINの世界観を余すことなく体感できる。

LEATHER ARTS & CRAFTS MOTOのレザーアーティスト、本池秀夫さんが手がけた実物大の“革の鹿”。すべて手作りだがうっとりしてしまうほどリアルな表情は必見。

良い音、良い空間の中の食事は美味しく感じる、をコンセプトにフードはあえてシンプルに。看板メニューのチキンライスは驚くほどレトロで庶民的なスタイルだが癖になる味。

1932 FORD ROADSTER“GOLD SNAKE”|「VALLEY AUTO」が製作し「HCS2024」の「BEST HOT ROD」に輝いたデュース。V8をホップアップしたトラディショナルなスタイルと、オリジナリティの強いL.によるアートワークが最大のアイデンティティ。

1946 H-D WL“OLD GOLD”|「CHABOTT ENGINEERING」木村信也さんがビルドした“OLD GOLD”。ZERO時代の名作のオマージュで、グースネックフレームによる低くシャープなシルエットに加え、木村節といえるメタルワークが冴え渡る。

(出典/「CLUB HARLEY 2026年2月号」)

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ハーレー好きのためのマガジン

ブランドとしての知名度が高く、独自のアパレルにもファンが多いハーレーダビッドソンは、バイクにあまり馴染みのない『ごく普通の人』にも大変な人気を博しています。バイクの知識がない人はもちろん、今日ハーレーのことが気になり始めた人、そしていまハーレーが好きで好きで仕方ない人たちも満足のいく情報を詰め込んだ雑誌が『クラブハーレー』です。
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