「染めQ」でどこまでリペア&カスタムできるか試してみた。

塗ったり、貼ったり、染めたりと、愛用のファッションアイテムをカスタム&リペアするも、ファッションを愛する人たちが楽しんでいる趣味のひとつだろう。なかでも簡単にセルフカスタムできることからよく使われている「染めQ」の実力を、Lightning編集部のふたりが試してみた。

1.染めQでくたびれたスウェード靴を復活させたい!【ランボルギーニ三浦の場合】

今回補色して蘇らせたいのがこちらの、程よくゆる〜い佇まいがすごく気に入っているRFWのサイドゴア・スリッポン。クルマの運転でどうしても付いてしまう踵の黒ずみを取りたくて、今回染めQエアゾールで色補正をすることにした。果たしてうまく塗装できるか!?

使うのはこちら!

染めQのエアゾールというスプレー。ナノ単位の粒子を素材の表面に吹き付け、まるで染めたかのような仕上がりになるのが特徴。264㎖で各2920円

まずは丁寧にマスキング!

スウェードのアッパーのみ色補正をしたいので、ソールをしっかりマスキングする。

ソールの細部やゴア部分も細部までしっかりとマスキングすることが成功の秘訣。

近づけ過ぎは色ムラの原因になるので注意!

マスキングが終わったら、いざ塗装開始。一気に大量にスプレーせず、うっすらと吹き付けて乾燥させてから再度吹き付けるとムラにならない。

さて結果は? パット見わからないけれど、まずまずの出来栄え。

サンドベージュで再塗装した後の姿。見た目は元のものよりも少しグレーっぽさが出たかな……くらい。スウェー
ドの表面も若干硬くなり、フォルムが綺麗になった気がする。ビフォーアフターを見比べてみよう。

脚の甲からつま先にかけて、しっかりと刻まれたシワはそのままに、薄っすらあった黒ずみは馴染んだ。

一番気になっていた踵部分の黒ずんだ汚れは、かなり目立たなくなった気がする。これはかなり嬉しいぞ! 目的だった踵の汚れがかなり改善されて満足!

2.染めQで、愛用のレザーダウンベストをシックに生まれ変わらせたい!【モヒカン小川の場合】

ジェラード×レインボーカントリ ーのレザーダウンベスト。ボディはバッファローで、ヨークはホースハイドを採用。革ジャンの上にコイツを羽織れば、真冬のNYでも耐えられた

次に取り掛かるのは、モヒカン小川が5年前に手に入れたレザーダウンベスト。真冬は革ジャンの上にコイツを羽織り、今でもバリバリの先発として、ワードローブを支えてくれている。こいつのタンカラーのヨークを、もっと落ち着いたブラックにして、ちょっと気分を変えてみたい。真冬の相棒なだけに、失敗は許されない。染めQの実力はどれほどのものか、チャレンジしてみた。

まずはマスキング!

ペイント作業のキモは、事前準備。スプレー式だけに、徹底したマスキングが必要だ。ボタンや、ライニングもしっかりと保護しよう。

クリーナーを使って下準備!

染めQを吹き付ける前に、クリーナーで革表面の汚れや油分を除去していく。これにより塗料の乗りがよくなる。

液体なので、布に吸い込ませ丁寧に拭いていく。

吹き付け開始!

この際、一気に強く吹き付けずに、軽く吹き、数分乾かしてまた吹いて……を繰り返すのが吉。塗り残しのないように。使っているのは先ほど靴のリペアで使った染めQのブラックだ。

地面にベストを置いた状態で吹くと、腰も痛く、塗りにくいことに気付いたモヒ小川。ハンガーラックに掛けて吹くことに。色ムラのないよう、襟裏なども忘れずに吹いていく。

完成! ポイントは「引き際を知ること」。やり過ぎは禁物だ。

塗りが若干甘かったために、下地から元のタンカラーがうっすらと見え、ちょうど“茶芯の出始め” のような佇まいを見せる小川のベスト。これはこれでアリ。実は乾かしている間、塗り残し箇所を見つけては染めQを吹いていたが、吹き過ぎて塗料が垂れたりしはじめ、失敗の前兆を嗅ぎとり、勇気ある撤退をした。

「染めQ」を使った簡単なリペア&カスタム術いかがでしたでしょうか? あくまで手軽にできるアイテムなので、小さなものから試してみて、テクニックをマスターしていくのがおすすめです!

(出典/「Lightning 2021年4月号 Vol.324」)

この記事を書いた人
ランボルギーニ三浦
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ランボルギーニ三浦

ヴィンテージ古着の目利き

全国的に名を轟かせていた札幌の老舗ヴィンテージショップに就職。29歳で上京。Lightning編集部、兄弟誌・2nd編集部で編集長を務めた後、現在は、Lightning副編集長に。ヴィンテージ、古着の知識はその道のプロに匹敵。最近はヴィンテージのロレックスが最大の関心事で、市場調査も日課のひとつ。ランボルギーニ三浦の由来は、もちろんあの名車。
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