【人気車種⑨】「LINCOLN(リンカーン)」のナビゲーター|フォード
リンカーンは1917年にキャディラック創業者のひとり、ヘンリー・リーランドによって設立され、第一次大戦前は航空機用エンジンを製造していた。その後1920年に高級自動車リンカーンモデルLを製造するが、経営はふるわず、1922年にフォードに買収されてしまう。そして現在もフォード内で存続している高級車ブランドである。
そんなアメリカ車を代表する高級車と知られるリンカーンが、SUV人気の高いアメリカ市場に1998年に投入したのが大型SUV「NAVIGATOR(ナビゲーター)」だ。当時、リンカーンは性能、開発面でヨーロッパや日本車に後れを取っており、この高級大型SUVの大ヒットによって再び脚光を浴びることになった。
その後、リンカーンはフォードとは一線を画す独自のデザインと開発を行うようになり、今に至る。そのきっかけとも言えるナビゲーターは、現在リンカーンから販売されている車種で最も古いブランドである。
【人気車種⑩】「LINCOLN(リンカーン)」のコンチネンタル|フォード
1939年の登場から2020年に生産が終了するまで、幾度かの生産休止を挟みつつも愛され続けてきたのが「Continental(コンチネンタル)」だ。最後のモデルは10世代目、リンカーン最後のセダンとなった。
そもそもはフォードの社長であったエドセル・フォードの使用車としてデザイン・開発されたクルマとして知られ、大統領専用車としても使われていたフルサイズ、中型セダンである。その時代時代でフルモデルチェンジ、マイナーチェンジを繰り返しており、世代によってその時代を感じることのできるデザインが魅力だ。
【人気車種⑪】「Chevrolet(シボレー)」のコルベット|GM
初代コルベットがデビューしたのは1953年。当時アメリカのクルマは質実剛健な独自の作りを持ってはいたが、ことスポーツカーというジャンルを存在せず、その意味ではヨーロッパに遅れを取っていた。戦争中に兵士たちがヨーロッパで見た2シータースポーツモデルに匹敵するモデルをアメリカでも発売すべく、これまでにないコンパクトなボディに直列6気筒を搭載して登場したのがコルベットである。
ボディは当時の最先端素材であるFRP製を使用するなど、最新の技術が惜しみなく投入されたが、エンジンは直列6気筒エンジンのみで出力はたったの150馬力と非常に非力だった。1955年にようやくシボレーでスモールブロックV8が登場するのと同時にコルベットにもV8を搭載。その後、歴代コルベットはいつもその時代のシボレーの最高峰のエンジンを搭載し続けているフラッグシップモデルとなった。
現行のC8はエンジンはこれまで同様OHV方式のLT2型6・2リッターV8で、6450rpmで495hpを発生。トランスミッションは8速のDCTを採用。0-100㎞/h加速はベーシックグレードながらたった2.9秒! 最高速度は194MPH(約312㎞/h)という驚異的なスペックに。C8によって、コルベットはもはやアメリカンマッスルカーの頂点というよりは世界に比肩するスーパーカーとなった。
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【人気車種⑫】「Chevrolet(シボレー)」のカマロ・カマロSS|GM
1964年に登場したマスタングの大ヒットによって、ポニーカー(若者向けの低価格帯2ドアクーペ)と呼ばれるジャンルが誕生。GMも新たなにコンパクトなボディを持つスポーツモデル開発が急務だった。そこでFボディプラットフォームにスタイリッシュなハードトップボディを搭載したカマロを1967年に発売。
ハイパワーエンジンをオプションで搭載できるようにするなど、若者のニーズを的確に捉えることで、デビュー当初から人気のモデルとなった。直列6気筒搭載のほか、V8エンジンを搭載した「SS(スーパースポーツ)」、レーシングモデルの「Z28」、ラリーモデルの「RS(ラリースポーツ)」の3種がラインナップされていた。
現行の6代目カマロの外観は先代モデルのキープコンセプトながら、シャシーやコンポーネンツを見直し、剛性を28%向上しつつ、約90 ㎏の軽量化を果たしている。搭載されるエンジンは、従来通り6.2リッターV8と、新開発の2リッター直列4気筒ターボを導入し、初のターボエンジンが搭載されることとなった。
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【人気車種⑬】「Cadillac(キャデラック)」のCTS-V|GM
FORD創設者のH・フォードが1899年に創業したヘンリー・フォード・カンパニーだったが、経営陣との対立からフォードが抜けてしまう。そこで1902年にヘンリー・リーランドが後任となり、社名をキャディラックに変更。1903年に車両の生産を開始する。1909年にはGMグループ入りし、同社の最高級レンジのブランドとなった。
現在でもリンカーンと並びアメリカを代表する高級ブランドであるキャデラック。そんな同ブランドが現在販売しているセダンが「CT6」になる。ラグジュアリー且つ3.6LV6エンジンを搭載したパワフルでスムーズな走りで最上級セダンの確固たる地位を築いてる。
そのCT6やCT5など、高級セダンの系譜の元になるのが2019年に生産終了した「CTS」だ。2003年のCTS登場以前のキャデラックはとにかく大きく、ヨーロッパや日本などの市場では受け入れられなかった。そこでコンパクト化を図ったのがCTSだった。V型6気筒エンジンが搭載されており、V型8気筒エンジンを搭載した高性能モデル「CTS-V」もラインナップされた。
2008年に登場した2代目の「CTS-V」になると、コルベットZR1と同じエンジンが搭載、564馬力に。そして3代目にはV型8気筒OHVエンジンが搭載され(649馬力)、もはやセダンの顔をしたスーパーカーとしてアメリカだけでなく世界中で注目を集める存在であった。
【人気車種⑭】「Cadillac(キャデラック)」のエスカレード|GM
先ほど紹介したリンカーンの大型SUV「NAVIGATOR(ナビゲーター)」に対抗して登場したのがこちらの「ESCALADE(エスカレード)」だ。ファーストクラスのような内装と、キャデラック独自の高級感あるデザインで最高級大型SUVとして存在感を放っている。
2020年に登場した現行モデル(5代目)には、6.2リットルV8エンジンと3.0リットル直列6気筒ターボディーゼルエンジンが搭載。日本市場でもプレオーダーが始まっており(2020年12月現在)、注目の一台だ。
【人気車種⑮】「Cadillac(キャデラック)」のデビル(ドゥビル)|GM
1959年に登場し2005年まで販売されたデビル(ドゥビルとも)は、旧車好きに支持される名車のひとつ。全長は5メートルを超え、初代から1960年代に販売された3代目まではテールフィンが生えており、特に人気の年式となっている。1959年頃がテールフィンの絶頂期であり、その年に誕生したのがデビルなのだ。
▼テールフィンなど歴史に名を刻むデザインについてはこちらをチェック!
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ほかにもまだまだあるが、現行車から旧車まで、特に人気の高いアメリカ車を紹介してきた。本誌でもたびたび紹介しているのでぜひチェックしてみてほしい。
(出典/「別冊Lightning Vol.164 オールドアメリカンカルチャー」「Lightning Vol.279」「Lightning Vol.316」)
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