1.「DATEJUST(デイトジャスト)」
ロレックスの中でデイデイトに次ぐ高級モデルであり、過去に最も売れたモデルもあるデイトジャスト。ドレスモデルらしい上品さと、スポーツモデルに通じる軽やかな一面も持ち合わせており、カジュアルファッションに合わせるスタイルも人気がある。
1954 DATEJUST Ref.6155 Cal.A296
イエローゴールドケースにブラックミラーダイアルという超レアな組み合わせの初期型デイトジャスト。カレンダーも赤黒より旧い全赤のもの。参考商品(リベルタス TEL06-6643-9455)
1969 DATEJUST Ref.1600 Cal.1570
シンプルなステンレススチールケースで、スムースベゼルを装備した1本。ドレスウォッチなのにスポーツウォッチのような軽やかさも感じさせてくれる。参考商品(原宿コルリオーネ TEL03-3498-7878)
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2.「Submariner(サブマリーナー)」
ダイバーズウォッチの歴史は、世界初の完全防水・防塵ケース「オイスターケース」を開発した英国のオイスター社を、ロレックス社が買収した1926年に遡る。当時の時計といえばドレスウォッチが主流で、時計を目的別に作るという発想は皆無だった。
しかし、第二次世界大戦後にアメリカ国内で起きた探検ブームによって、時計もウエア同様、過酷な環境下に耐え得る機能性が求められるようになった。そこでロレックスは、よりプロフェッショナルなモデルの開発を進め、’53年にエクスプローラーを正式発表。同年、潜水=ダイバーズモデルであるサブマリーナーも開発し、’54年に正式発表された。
ここから始まった、初代モデル「1954 Ref.6204」
今も開催されている時計見本市「バーゼルフェア」にて、1954年にロレックスが発表したサブマリーナーの1stモデルが、このRef.6204。100メートル防水で、ムーブメントはセミバブルバックのCal.A260を搭載。
赤サブが“白サブ”になった「1970 Ref.1680」
赤サブと同じ仕様で、異なるのはダイアルのサブマリーナー表記が白いことのみ。そのためファンの間では“白サブ”と呼ばれている。今日まで続くサブマリーナーデイトのルーツであり、無駄を省きながら最高峰の機能を持ったダイバーズウォッチといえる。
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3.「DAYTONA(デイトナ)」
ロレックスといえば、エクスプローラー、サブマリーナー、GMTマスターなど様々なモデルが存在するが、その中でも絶大な人気を誇るモデルが、ご存知「DAYTONA(デイトナ)」だ。それゆえファンの間では“キング・オブ・ロレックス”と評されるほど。俳優のみならずレーサーとしても活躍したポール・ニューマンが愛用していたことでも有名だ。
Mid 1960s COSMOGRAPH DAYTONA Ref.6241 Cal.722-1
1965年頃に登場したのが、プラスチックベゼルを装備したRef.6241。特にエキゾチックダイアルと呼ばれるこの文字盤ポール・ニューマン(PNダイアル)と称されるが、これは本人が愛用していたことに由来する。まだプッシャーは非防水仕様のため、オイスター表記はない。参考商品(左 / リベルタス TEL06-6643-9455、右 / クォーク新宿本店 TEL03-3354-9091)
1988 OYSTER PERPETUAL COSMOGRAPH DAYTONA Ref.16520 Cal.4030
1988年に登場した第4世代のデイトナRef16520。傑作と称される1969年登場のゼニスのムーブメントであるエルプリメロをもとに、独自で改良を加えた自動巻きのCal.4030を搭載。これによってロレックスのスポーツモデルは、すべて自動巻きムーブメント搭載となった。ここ数年で’94年~’95年頃の個体(シリアルS品番、W品番)を筆頭に黒文字盤のインダイアルが茶色く変色することが分かり(変色したらパトリッツィダイアルと呼ぶ)、プレミア価格で取引されている。参考商品(リベルタス TEL06-6643-9455)
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4.「GMT-MASTER(ジーエムティー・マスター)」
発売当時はロレックスのスポーツモデルの中でも高級ラインだった「GMTマスター」。クロノメーター仕様のムーブメントを搭載し、GMT機能も備えるという画期的な仕様の時計だ。これは、飛行機が一般化し始めた’50年代、パンアメリカン航空(PAN-AM)からパイロット専用のモデルとして依頼され、開発されたといわれている。
1970 GMT-MASTER Ref.1675 Cal.1570
ステンレスとイエローゴールドのコンビモデル。ずっと価格は急上昇することなく安定していたが、この2年で大きく上昇。しかも、ジュビリーブレスレットも人気で、一躍”時のモノ”になった。参考商品(リベルタス TEL06-6643-9455)
1985 GMT-MASTER Ref.16750 Cal.3075
カレンダーにクイックチェンジ機能が追加された5桁品番のRef.16750。フチありインデックスだが、トリチウム液光のためこのように経年変化も楽しめる。参考商品(ジャックロード TEL03-3386-9399)
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5.「EXPLORER(エクスプローラー)」
ドレスウォッチの佇まいを残しながら、ロレックスの中で新たにスポーツウォッチというカテゴリーを切り開いたモデル。初期はドレスウォッチにもその名を付けるなど、試行錯誤を繰り返したが、そのバリエーションの豊富さも今では魅力となっている。かの国民的アイドルが着用していたことで有名な時計だ。カジュアルな格好はもちろん、フォーマルな装いにも相性抜群なのにも拘わらず、「探検家」という武骨な名前が付けられた。
1954 EXPLORER Ref.6298 Cal.775
エドモンド・ヒラリー卿のエベレスト登頂をPRに使うため、そのイメージを搔き立てるエクスプローラーという名前を打ち出したロレックス。それはドレスモデルにも及んだ。一説には北米向けとも。同じ型番で3.6.9ダイアルのドレスモデルもあり、そこにエクスプローラーと入っているものも存在する。参考商品(リベルタス TEL06-6643-9455)
1988 EXPLORER Ref.16550 Cal.3085
こちらは第二世代の最初期型の黒文字盤モデル。その後1991年から2か国の時間を把握できるGMT機能を持ったCal.3185にムーブメントを変更した第三世代のRef.16570が登場した。参考商品(ジャックロード TEL03-3386-9399)
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スイス生まれのアメリカ育ち……アメリカと深い関係のあるモデルとは?
ロレックスは言わずもがなスイス生まれの時計である。だが、人気モデルの中にはアメリカが深く関係しているモデルがある。
先に紹介した「GMTマスター」もその一つ。パンアメリカン航空のパイロットのために開発され、2つのタイムゾーンがひと目でわかる画期的な機構で1955年に登場。当時のアメリカ最大手航空会社であった同社の公式時計として採用された。
続いて「コスモグラフ・デイトナ」。このネーミングは、アメリカ・フロリダ州にあるカーレースの聖地、デイトナビーチに由来する。1959年に誕生したデイトナ・インターナショナル・スピードウェイでロレックスは、オフィシャルタイムピースを務めたこともあり、カーレースのドライバー向けに開発したコスモグラフのアメリカ市場向けモデルに、デイトナという名を与えたと言われている。
そのほかにはアメリカ空軍の功労者へ贈られた特別な仕様の「デイトジャスト・サンダーバード」がある。詳しくは下記記事を読んでみてほしい。
その他の注目モデル、「デイデイト」「エアキング」もおすすめ。
デイトナ・エクスプローラー・サブマリーナーなどスポーツモデルが圧倒的人気を誇るロレックス。だが、その一方でアメリカではすでにトレンドになっており、今後の動向に注目が集まているのが最高級ライン「DAY-DATE(デイデイト)」だ。金無垢、ホワイトゴールド無垢など、最高級ラインに相応しいマテリアルは、スポーツモデルとはまた異なるロレックスの魅力が味わえ、ロレックス好きにならばコレクションに加えたい逸品である。
▼詳しくはこちらの記事をチェック!
続いてはこちら。数多くあるロレックスのオイスターケースを使ったモデルの中でも、直径34㎜のものはバリエーションも豊富で着け心地も良く、オススメのものが多い。中でも注目したいのがロレックスのモデルでは最古のペットネームといわれるエアキング。自動巻きでノンデイトの3針というのが基本スタイルだが、稀にデイト付きも存在する。
中古市場で注目を浴びる「エイジング」という新しい価値。
この10年で世界的に注目されるようになったのが、ダイアルが個性的にエイジングしたロレックスだ。この手のロレックスの魅力は、オンリーワンであること。同じエイジングはひとつもなく、個々でその表情が異なる。
現在の中古市場では綺麗なコンディションのものを探している方と、より個性的なエイジングを求める方とで、二極化。10年位前からトロピカルと呼ばれる日焼けしたダイアルは、コレクターの間では知られた存在で、色が変わっているからという理由で、1割くらい値段が高かった。それが海外で盛り上がっていき、日本も影響を受け、どんどんと高くなってきている。
ただ強くエイジングしているからといって、どれでも高額になるわけではない。詳しくは下記記事をチェック!
(出典:「別冊Lightning Dear my Watch ディア・マイ・ウォッチ」「別冊Lightning ヴィンテージウォッチの教科書」「Lightning Archives ROLEX」「Lightning 2019年11月号 Vol.307」)
Text/T.Itakura 板倉環、H.Shibayama 芝山一、S.Sato 佐藤周平、K.Osawa 大沢圭、T.Tokano 戸叶庸之 Photo/K.Miyamae 宮前一喜、T.Tawarayama 俵山忠(Seven Bros.Pictures.)、T.Sasai 笹井タカマサ、M.Watanabe 渡辺昌彦、S.Oura 大浦真吾、S.Kai 甲斐俊一郎、K.Hayashi 林和也、N.Suzuki 鈴木規仁、N.Hidaka 日高奈々子