【愛車図鑑】「1993 Porsche 911 Carrera2(ポルシェ911カレラ2)」クルマ好き垂涎の空冷ポルシェの名作。

これまで何台ものクルマを乗り継いできた、世界一の眼鏡屋と称される「グローブスペックス」代表の岡田さんが辿りついた答えは、希少なボディカラーを纏う「ポルシェ911カレラ2」だった。

極上の空冷ポルシェと過ごすことで、何気ない時間が最高に楽しく。

「グローブスペックス」代表取締役・岡田哲哉さん   大学卒業後、銀行へ就職した後、眼鏡の業界へ 転身。1998年渋谷にグローブスペックスをオープン。2017〜’18年にかけて、世界最大級の眼鏡展MIDOにて世界一の眼鏡店として「Bestore Award」を2年連続受賞

岡田さんが本格的にクルマに乗りはじめたのは、1980年代のニューヨーク転勤時代にまで遡る。

「クルマがないと生活が成り立たない環境だったので、お金がない中で車両を探して乗り回していました。当時のニューヨークは今では考えられないような治安の悪さで車上荒らしどころじゃ済まないほど荒れていました。信じられないかもしれませんが、クルマを壊されないようにドアを開けっ放しにして停めていました(笑)」

その後、日本に戻ってから岡田さんの現在に繋がるカーライフがはじまった。

「以前はウィンタースポーツを楽しんでいたので、クルマを選ぶ基準は山に行けることが前提。ですから、ポルシェという選択が生まれたのは、ウィンタースポーツを辞めて都内での移動が中心となったことがきっかけでした」

岡田さんのポルシェ歴は2000年頃に購入した新車のボクスターからスタートした。

「ボクスターは3台乗り続けて、十分いいクルマだと思っていた一方で、どこか物足りなさを感じていました。そう思っていた矢先、ご縁があって、この『911 カレラ2(タイプ964)』を譲っていただくことができました。非常に状態がよくて、走行距離も2万7000㎞と申し分ありませんでした。人生の相棒と出会えたと言っても過言ではありません。このまま大切に乗り続けようと思っています」

希少なマリタイムブルーが映える極上の空冷ポルシェ964タイプ。

岡田さんが所有するのは1993年製の「ポルシェ 911カレラ 2(964タイプ)」。1989〜93年の期間で販売されたこのモデルは、911の3代目にあたり、空冷搭載エンジンとしては最後から2番目となる。伝統的なフォルムはそのままに、当時の最新鋭テクノロジーを採用していたことから非常に乗りやすかったこともあり、爆発的なヒットを飛ばした。

単純なスペックだけで比較すれば最新モデルに劣ることは言うまでもないが、補って余る魅力が空冷時代の911にはあると、オーナーたちは口を揃えていう。ほぼ手直しをせずに乗れるコンディション、2万7000㎞の走行距離という好条件のほか、この個体の購入の決め手となったのは、マリタイムブルーと呼ばれるボディカラーにあったという。

エンブレム

比較するものが見当たらない911特有の構造はボディのあらゆる角度から見受けられる。岡田さんは特徴的なリアフードにエンブレムを取り付けて遊び心を加えている。

ライト&カラー

空冷エンジン時代の最後から2番目のということもあり、ライトを含めクラシックの名残を残す。岡田さんの一番のお気に入りは、希少性の高いマリタイムブルーのボディカラー。

コクピット

前オーナーが大切に乗り継いていたことがインテリアの状態からもうかがえる。人間工学とモータースポーツに基づいたコクピットは安全性と快適さが備わった空間となっている。

肩肘張らずに自分らしいスタイルでポルシェ911との有意義な時間を過ごす。

クルマに乗る際、着こなしを特別意識することはないと話す岡田さん。とはいえ、運転が不快にならないようにレザーソールの靴はなるべく避けるようにしていたり、この時期は車内にアウターを入れるように心がけている。そんなこだわりのファッションも拝見!

トゥータルのスカーフ

トゥータルのバンダナ柄のスカーフでVゾーンを上品にアレンジ。ダッフルコートなどの厚手のアウター同士をレイヤードでも重苦しくならない印象を演出している。

サイ スペックスのサングラス

アパレルブランドのサイとグローブスペックスとのコラボレーションから生まれたブランド。日差しの強い日のドライブには欠かせないアイテムとなりつつあるお気に入りの1本。

ハートマンのバングル

ウィーンの直営店とグローブスペックスのみで購入できるハートマンのバングルを着用。シンプルで合わせやすいデザインに加え、水牛の角を使用した独特の質感がポイント。

クラークスのデザートブーツ

ドライブの時の足元はラバーソールのシューズが基本だという岡田さん。定番中の定番であるクラークスのデザートブーツも着こなしのセンスひとつでここまで新鮮に映る。

(出典/「Lightning 2020年2月号 Vol.310」)

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

革ジャン好きなら一度は通るべき! 「No,No,Yes!」の最上級オーダー“アルチザン”とは?

  • 2026.06.01

「世界にひとつだけの革ジャンを作る」。それは、レザーラバーの憧れだ。革好き注目のブランド「No,No,Yes!」が誇るオーダーメニューの中でも最上級に位置する「アルチザン」とはいったいなんなのか? その正体に迫る。 革ジャンの伝道師・モヒカン小川が実際に“アルチザン”を体験 これは単なる革ジャンの話...

日本人に最適化された新作の“JAPAN LIMITED”に注目!「MOSCOT」現代に引き継がれるアメリカンクラシックのDNA

  • 2026.05.20

1915年にNYで創業し、アイウエアデザインの王道を形づくった「モスコット」。多様なデザインで溢れるいまこそ、伝統に裏打ちされたクラシックな佇まいに惹かれる。 新作の“JAPAN LIMITED”のラインナップを紹介! 2016年よりスタートした“JAPAN LIMITED”は、インラインにはないノ...

働くヒトとヴァーグウォッチ。【vol.01靴磨き職人/「Chett」店主・大平雄太さん】

  • 2026.05.21

「Time is Money」=「時は金なり」。自身の仕事に誇りを持ち、日々働く人々は有限な“時間”というものを重んじ、身につけるプロダクトにも徹底的にこだわる。アンティークウォッチの旧きよきディテールを備えながら、手軽かつデイリーに使うことのできるヴァーグウォッチはそんな彼らの心強い相棒となる。 ...

夏を彩るカラーゴールド。「市松」定番の18金シリーズはカラバリ豊富で夏に欠かせないアクセサリー

  • 2026.05.18

湘南に工房を構えるオーダーアクセサリーブランド「市松」。1997年に創業し、その2年後から27年も続く定番の18金シリーズは、カラバリも豊富で、いまや欠かせないブランドの顔だ。プロダクツとしての魅力だけでなく、夏の装いにも重宝する。 「市松」の定番、特別な5色の18金 「酷暑日」という言葉が新たに発...

Pick Up おすすめ記事

ロンドン生まれのアイウエアブランド「CUBITTS」が日本に本格上陸! 人気の秘密に迫る。

  • 2026.05.19

英国・ロンドン生まれのアイウエアブランド「キュービッツ」。日本へ本格上陸したばかりでまだ多くを知られていない、その全容を紐解く。 ロンドン生まれ質実剛健な実力派 2013年にロンドンで創業、2025年に日本へ本格上陸を果たした「キュービッツ」。本国では、新鋭ながら圧倒的な知名度を誇り、ビスポークも手...

落語家たちが洋装に身を包む会、第4弾! 落語会「師匠お似合いですよ」の舞台裏で注目の落語家たちをSNAP!

  • 2026.05.18

アメカジを提案するファッションブランド「ゴールデンベア」が主催する落語会、その名も「師匠お似合いですよ」。弊誌も師匠方のスタイリングを担当。第4回目となる今回も大盛況でした。楽屋裏で撮影したみなさまの素敵な着こなしをお届けします! 落語家たちが洋装に身を包む会「師匠お似合いですよ」の舞台裏に潜入! ...

夏を彩るカラーゴールド。「市松」定番の18金シリーズはカラバリ豊富で夏に欠かせないアクセサリー

  • 2026.05.18

湘南に工房を構えるオーダーアクセサリーブランド「市松」。1997年に創業し、その2年後から27年も続く定番の18金シリーズは、カラバリも豊富で、いまや欠かせないブランドの顔だ。プロダクツとしての魅力だけでなく、夏の装いにも重宝する。 「市松」の定番、特別な5色の18金 「酷暑日」という言葉が新たに発...

アイヴァン史上初の完全復刻。“ヒストリック コレクション”誕生の裏側に迫る!

  • 2026.05.22

「アイヴァン」2026年春夏の新コレクションとして突如発表された“ヒストリック コレクション”。これまでにもアーカイブを現代に甦らせる試みは幾度か行われてきたものの、どれも細やかなアップデートが施されていた。文字通りの“完全復刻”は今回が初となる。 アイヴァンには立ち返るべき原点がある どこぞのヴィ...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。