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「Air-King(エアキング)」ってどんな時計?
数多くあるロレックスのオイスターケースを使ったモデルの中でも、直径34㎜のものはバリエーションも豊富で着け心地も良く、オススメのものが多い。中でも注目したいのがロレックスのモデルでは最古のペットネームといわれるエアキング。自動巻きでノンデイトの3針というのが基本スタイルだが、稀にデイト付きも存在する。
1958 AIR KING Ref.6552 Cal.1030
バブルバックの名残が感じられるデザインのエアキング。こちらもこの時代だけの特徴的なホワイト文字盤で、アルファハンド&ブルスチール秒針とクラシカルな1本。参考商品(スイートロード TEL044-544-8177)
1960s AIR KING Ref.5500 Cal.1520
アップライトのクラウンにアラビア数字のインデックスという珍しいダイアルパターンのエアキング。’60年代初めまでの最初期デイトナ”ル・マン”を彷彿とさせる艶のあるホワイトダイアルも特徴的。69万8000円(クラウンマニアックス トウキョウ TEL03-6260-9913)
1962 AIR KING Ref.5500 Cal.1530
アイボリーの文字盤に三角形のインデックスが特徴的。6時位置側にPRECISIONなどの文言がないのも珍しい。参考商品(リベルタス TEL06-6643-9455)
1967 AIR KING DATE Ref.5700 Cal.1520
エアキングのデイト付きはレアな存在として知られているが、何よりそのミラーダイアルとなれば、希少性は数倍に跳ね上がる。しかも極上のコンディションをキープしている。個人私物
1972 AIR KING Ref.5500 Cal.1520
最も一般的なエアキングらしい精悍なマスクの1本。この無駄のないシンプルなデザインこそ、エアキング最大の魅力なのだ。参考商品(ダズリング TEL03-3475-6677)
「Air-King(エアキング)」ラバーの愛機をチェック!
ロレックスでペットネームが付けられた最古のモデルというだけでも魅力的だが、やっぱり気になるのが愛好家たちの生の声。ということで、ファッション業界で活躍する「エアキング」ラバーたちから、愛機との出会いやその魅力などを徹底的に伺った。
「FIRST ARROW’S」代表 伊藤 一也さん × 1974 ROLEX AIR KING
仕事も遊びもとことんまでこだわりの男・シルバーアクセサリーブランド「ファーストアローズ」代表の伊藤さんが愛用するのはロレックスのエアキング。
時計はスタンダードなものがお好みなのかと思いきや、実はこのエアキングも普通の代物ではない。ロレックス愛好家ならお気づきの方もいるだろうが、エアキングには文字盤がブラウンのモデルは存在しないのだ。
しかも針やインデックスは18金メッキで、文字盤の下部には自身のブランド「ファーストアローズ」のロゴが、これもメッキであしらわれている。
これは2011年にファーストアローズが15周年を迎えた記念に、文字盤と裏蓋にロゴを入れた1970~’80年代後期までのエアキングを15本限定で発売したのだが、その時に合わせて自分用に作ってもらったものだそう。
「当時のエアキングはアメリカの会社とダブルネームを作っていて、それをイメージしました。販売したものは定番の黒ですが、これは自分用なんで思い切り遊びました。”フジツボ”って呼ばれるGMTマスターの色合いと同じにしているんです。誰が気付くんだっていう、さりげないこだわりです」
しかも、1974年製は誕生年。これも狙って探したという。そこまでこだわっていながら、バイクに乗るときはもちろん、作業時もつけっ放し。
「ベルトは3回交換して、オーバーホールもすでに2回。バイクやクルマと一緒で古いものは手がかかりますね。まあ、Gショックばりに気にせず使ってるものもあると思いますが(笑)」
愛用しているのは……1974 ROLEX AIR KING
ロレックス・エアキングをベースに文字盤やインデックスのカラーをカスタマイズ。正規品としての価値はなくなるが、世界に1本だけのオリジナル品だ。
裏蓋にはファーストアローズのロゴと “15th Anniversary”の文字、そしてファーストサンプルを表すシリアル 00 / 15が入る。
本物だが文字盤のリダン(書き直し)加工がなされているので、ロレックス本社での修理ができなくなるが、修理店でオーバーホールも可能。「ぶつけて焦るくらいなら着けないほうが方がいいので、ガンガン使ってますね」
フォトグラファー 宮前 一喜さん × 1990 ROLEX Air-King
ロレックスといえば、エクスプローラーやサブマリーナー、GMTマスターなど、いわゆるスポーツモデルと謳われるモデルが大本命だと言われている。とはいえ、それらのどのモデルよりも早い1940年代に登場し、ペットネーム、つまりモデル名が文字盤に表記されたモデルがエアキングであること、そして、いまもなお、その歴史が途絶えておらず、同一モデルとして最も長い歴史を持つ伝統的な1本であることを忘れてはいけない。
「30歳になる節目でロレックスを買うことだけは決めていました。年齢に特に深い意味はありません。強いて言うなら、自分への褒美? けじめ? 決意? のような漠然とした感じです。なので、買うモデルも決めていたわけではありません。
ただ、いろんなモデルを見てきた中で、自分の腕のサイズに似合うもの、ケースサイズが小ぶりなものを。というのが、1番大きかったですね。そうなると、エクスプローラーかエアキングか、はたまたアンティークか。必然的に絞られてきます。
自分の生まれ年というのも一瞬、頭をよぎりましたが、あとは腕に着けて見てどうか。一番しっくりきたのがコレだったんです。派手さこそありませんが、ロレックスの中でも特に長い歴史を持つこと、そして流行りものの域を越えて、何十年経ても着けていられる。そんな1本だと思っています」
購入後、3年が経過し、日に日に愛着が芽生えてきているというエアキング。ロレックスきってのロングセラーを持つことの意味、そして時計と向き合う正統派な姿勢を感じさせてくれた。
愛用しているのは……1990 ROLEX Air-King
長い歴史を誇る中で、幾度の改良が施され、さらには、数年前に1度、文字盤からモデル名が消えてしまうも再び復活したシンプルフェイスのエアキング。
2016年のフルモデルチェンジに伴い長年の伝統を誇った34ミリの小振りなケースサイズから40ミリへと変更されたエアキング。ロレックスの意匠であるオイスターパーペチュアルを搭載したベーシックな1本.
純正ブレスレットも年代によって多少改良が加えられている。宮前さんのエアキングは1990年製のもの。コンディションも抜群だ。
いかがでしたでしょうか? 廉価版と思われがちなエアキングですが、実は今人気を集めている時計たちより前に誕生した古参というのも心惹かれるポイント。歴史感じる1本とコレクションに加えてみてはいかがでしょうか?
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(出典:「別冊Lightning Dear my Watch ディア・マイ・ウォッチ」「別冊Lightning ヴィンテージウォッチの教科書」「Lightning Archives ROLEX」「Lightning 2019年11月号 Vol.307」)
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