でも、しっかりとライフスタイルを持った人たちはそんな迷いはいっさいなし。それぞれの人が自分たちの「好き」を空間で表現する。そんな達人たちのひと癖もふた癖もある居住空間は、部屋やガレージ作りの教科書になるだろう。
今回紹介する、井坂迪詠さんは、元来のアメリカ好きに加え、造園業という職業がプラスされたことで、自然とこのようなオールドアメリカンファーマーのスタイルが確立されていったという。
1930年代のアメリカンファーマーが現代に甦る。
2011年に不動産関係の仕事から脱サラし、木更津に引っ越して田舎暮らしと共に造園業を始めた井坂さん。「もともとアメリカンカルチャーが大好きだったことに加えて、学生時代に建築の勉強をしていたので、今の自宅はアメリカの小学校をベースに自分で設計しました。それをギュっと縮めたような造りになっています。よく見るとココは廊下や下駄箱のスペースだなということもわかりますよ」
そこに造園業のエッセンスが加わって現在のスタイルが出来上がっていった井坂さんのご自宅がこちら!
造園業の仕事スタイルが色濃く反映された自宅。
テーブルはもともと自宅のテラスデッキに使っていた古い建材を流用。そこにヴィンテージの棚を組み合わせると写真のスタイルになるのだ。
事務デスクの横には、高さ4mはあろうかというフランスゴムの木を一本丸ごと家のインテリアに。これぞ造園業を営む井坂さんだからこそできる匠の業と発想だ。
家の壁面に飾ってある絵は、パームスプリングスの売り出し中の若手アーティストによるモノ。このタッチが気に入り、現地で根こそぎ購入したそう。
ガレージから植物を運ぶ井坂さん。ラジオフライヤーやヴィンテージ缶に収めた植物、サイドのスコップなど、ルックスはまさにアメリカ農園そのもの。
日本とはとても思えない自宅ガレージ。
井坂さんが営むオーシャンズガーデンのガレージ全景がこちら。普段はこの中で造園作業をしたり、右奥のテーブルで来客と打ち合わせしたりといった用途で使用している。
ガレージ内の脇にはこのようなヴィンテージのレジも置かれている。横にささったアイアン花瓶のドライフラワーとの相性もバッチリ。
看板が示す通り、ラックには“OCEANSIDE COFFEE”と描かれたオリジナル紙コップを収納し、来客があった際にコーヒーを差し出している。
いかにも造園業を営む井坂さんらしいセレクトの絵。アメリカで見つけた瞬間に、絵が自分を呼んでいるように感じたとは本人の談。
自ら造り上げた自慢の自宅のテラス。
ファイヤーピットで焚き火をしているテラスは、仕事でウッドデッキをつくった建材の余りで製作。車輪をリメイクしたアイアンの照明など、アイデアにも富む。普段は友達を招待して月に2~3日ほどBBQを行ったり、モーニングコーヒースポットに活用している。
「ガレージのテーマは、’30年代のごく普通のアメリカ農園の作業風景です。流行りを追うならインダストリアルや’50年代のピカピカした内装のスタイルがありますが、ウチはあくまでも造園業で植物を育てる職業なので、こういうファーマーズスタイルでいる方がナチュラルだと思っています。家具もオールドアメリカンで揃えて統一しました。合わせて自宅の庭も、カリフォルニア州パームスプリングス地方のようにして仕事のスタイルを反映させました」
この背景には決してブレない職人の仕事スタイルがあった。
【DATA】
エリア:千葉県木更津市
敷地面積:1320平方メートル
間取り:5LDK+ガレージ+ウッドデッキ
築年数:約7年
居住年数:約7年
(出典/「LIGHTNING 2018年12月号 Vol.296」)
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