サーフィンやスケートカルチャーのメッカ、南カリフォルニア・ニューポートビーチを発祥にするブランド「SABRE(セイバー)」だ。ゆえに横乗り、ミュージックなど、ストリートカルチャーの影響も色濃い。
そんな同ブランドの今季のコレクションにはアメリカ好きなら「おっ」と思わずにいられないネーミングもつけられている。
というわけで、デザインを手掛けるブルック・マクレガー本人を直撃。セイバーの魅力を聞いてみた。
クルマ、バイクとアイウエアは切り離せない。
「セイバーは南カリフォルニアで生まれ育ったブランド。カリフォルニアのクルマやバイクのカルチャーは、いつもボクの創造力に大きな影響を与えてくれるんだ。今季のコレクションに影響を与えたのは、もちろん’70年代のマッスルカー。旧いクルマやバイクはちゃんとマメにメインテナンスしてあげなくちゃ動いてくれない。そういった部分も含めて旧いモノの魅力だったりするんだ。そんなところが好きなんだ。マッスルカーやバイクを見てると自然とアイウエアのことを考えちゃう。真っ白なTシャツとデニムのように、クルマ、バイクとアイウエアは切り離せないものだからね」
バイクでヘルメットは被らなくともなくてもアイウエアの着用義務があるアメリカ。ヒストリックなフォトでも必ずアイウエアを目にする。そんなリアルからの影響も大切にしながら現代に表現する、ライフスタイルのカウンターカルチャーであり続けることがセイバーのコンセプト。
「カスタムの手法でマッスルカーからモールディングを廃してシンプルで美しいボディラインを強調することがあるでしょ。その感覚に影響されて、今季から表側にあったブランドロゴを排除したんだ。サングラスのモダンにあるゴールドのアクセントをアイコンにして。サングラスのクラシックな形状とデザインがより印象的に映えるようになったんじゃないかと思ってるよ」
カルチャーを反映するというブランドコンセプトは、デザインの手法にも取り入れられている。セイバーはそんな文化を持ったアイウエアといえるだろう。
ここからは今季の新作に名付けられたマッスルカーと合わせて新作アイウエアを紹介していく。
1.SABRE/RAMBLER(ランブラー)
シャープでクールな二枚目ウエリントンタイプというよりも、エッジを効かせながらもハントメイドで複雑な曲面を持たせて仕上げたアセテートフレームの表情は、’70sマッスルカ―のごとく骨太で男らしいという表現が似合う。1万2960円
AMC・ランブラーとは?
アメリカンモーターズが販売した小型車。基本的に野暮ったいデザイン。モデル末期にマッスルなグレードも用意されたため、ダサカッコ良さに魅せられるファンも多い。
ディテールをチェック!
モダン部分のエンドにはゴールドメタルのアイコンが配される。シンプルで魅力的なフレームを強調するため、今季コレクションから表側のブランドロゴは廃された
2.SABRE/NOVA(ノバ)
太いブロウラインは目力とスクエアさを強調するイメージ。オーバーサイズに設計されたフレームは肌に当たる部分は手作業によるなめらかな曲面が与えられ、インパクトと掛け心地を両立する。1万5120円
シボレー・ノバとは?
シボレーの小型車。ゆる~いアメリカを体現するクルマだったが、’60年代後半からマッスル化をたどる。が、カマロの人気には勝てず、当時も今も色男に敵対する3枚目的な存在。
▼こちらのチェック!
3.SABRE/TORINO(トリノ)
メタルブリッジとアセテートのコンビネーションは、あたかもクロムメッキに囲まれたフロントグリルのような印象だ。人が良さそうに見える繊細なシェイプだが、エッジ―なのはカウンターカルチャーを表現するコンセプトゆえだ。1万5120円
フォード・グラントリノとは?
フォードの中型車としてマッスルカーの時代を担った存在だが、これまたマスタングの知名度には遠く及ばず。現代では映画の影響もあってダサカッコイイ存在に。
4.SABRE/CUTLASS(カトラス)
クラシックでゴージャスなサーモントブロウはサイドにボリュームを与えてタイムレスな雰囲気に。ブロウラインのエッジの効いたシェイプが掛けた時にイメージを大きく変えることを実感するはずだ。1万5120円
オールズモビル・カトラス442とは?
基本的にシボレー・シェベルの兄弟車だが、高年齢層向けに豪華さを加えた生まれながらのオヤジグルマ。渋さの光るマッスルとしてファンには一目置かれる存在。
5.SABRE/IMPALA(インパラ)
レトロなキャッツアイタイプのシルエットはブロウラインにメタル素材を挟んだアクセントを加えてクラシックな時代感と一筋縄ではいかない気まぐれな雰囲気を強調する。まさにツーフェイスな性格。1万5120円
シボレー・インパラとは?
シボレーの最上級フルサイズとして登場。ローライダーのベースにされているイメージが強いが’50年代は優美な姿であった。クロムで縁取られたテールの形状が印象的。
(出典/「Lightning 2017年9月号 Vol.281」)
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