世界一のバーテンダーが思い描いた居酒屋は、そのドリンク、フード、世界観と、すべてに圧倒される。

酒場、居酒屋と聞けばサラリーマンの憩いの場所というイメージをまっさきに思い浮かべるだろうけど、そんなイメージとはまったく違う居酒屋が奥渋谷に生まれた。手がけたのは世界一のバーテンダーとしてそのテクニックをバー「THE BELLWOOD」でふるうアツシさんなだけに、既存の居酒屋のイメージ良い意味で裏切ってくれる圧倒的な空間に仕上がっている。大人がカッコつけたファッションで行きたくなる空間は、東京の酒場シーンに一石を投じる新たなカルチャー発信場所になることは間違いない。

海外各国での勤務経験を活かした新しい居酒屋のカタチが「IZAKAYA」だった。

数々のカクテルコンペティションで優勝経験もある、まさに世界一のバーテンダーでもあり、ASIA’S 50 BEST BARSにも選出される「THE BELLWOOD」を運営するアツシさんが生み出した新しい酒場のテーマは「居酒屋」、それがここBW CAVE(ビーダブリューケイブ)だ。

「居酒屋っていういわゆるなイメージをまったく違ったカタチの世界で表現したかったんです。居酒屋のようにお酒やフードは楽しめますが、いわゆる日本的な居酒屋ではなく、世界観のあるカッコいい場所に居酒屋をしてみたくて」という思いが始まりだった。

クラシカルな空間には、ところどろに昔ながらの欧米の酒場カルチャーに起因するアートワークが描かれる。この空間にあるアートワークや店舗のロゴなどをデザインするのはデザイナーでありアーティストのL.さん。それぞれのアートをハンドペイントで仕上げている。

英語の「A Man Cave(男の秘密基地)」というキーワードになぞらえた店名の通り、店内には数々の遊び心や、オリジナルのお酒の数々、そして渋谷の予約困難店である居酒屋「酒井商会」の店主である酒井さんがプロデュースする酒場料理を楽しめる。

そのストーリーは、ニューヨークの古びたビルのフロアに日本人がアメリカ人たちを相手にした居酒屋を出したら? だという。だから洋だけではなく、和の要素もしっかりとちりばめている、まさに新感覚のスタイルで「IZAKAYA」という表現にふさわしい仕上がりに。

場所は行列ができる異色のバーとして有名なTHE BELLWOODの隣。秘密基地をイメージしているので、残念ながら看板は存在しないというのも遊び心だ。

カッコつけて行きたくなる居酒屋があってもいいというアツシさんの新たなる挑戦で、奥渋谷の夜はまだまだ深い時間まで楽しめそうだ。

バーTHE BELLWOODに続き、ここをオープンさせたアツシさん。海外でのバーテンダーとしての経験をここ奥渋谷で表現している。「THE BELLWOODは本格的なバーですが、ここはそんなバーカルチャーの入り口にもなる酒場です。カッコイイ居酒屋があってもいいんじゃないかという思いで、空間も妥協せずに作り込みました」

タップマティーニが楽しめる異色の居酒屋。フードメニューも和洋折衷の極み。

ここでは「とりあえず生ビール」ではなく、生ティーニと名付けられたオリジナルマティーニを「とりあえず」のカタチで提供する。ビールのようにタップで提供するスタイルが新鮮。もちろん、ビールもクラフトビールを中心にセレクトされたメニューがそろう。フードは渋谷の酒井商会とのジョイントワークで、和洋それぞれの要素をアレンジしたオリジナルメニューがそろう。そんなスタイルの居酒屋なんてここしかない。

タップで提供される生ティーニはオリジナルのハウスブレンドで4種類用意。写真の生ティーニはその中でも基本といえるクラシック。生ティーニは一杯1100円から
クミン、山椒、フライドオニオンなどを使ってオリジナルでブレンドしたスパイスをたっぷりとからめたBW’sスパイシーチキン。このスパイスだけでも販売してほしいと思うほどお酒が進む。900円
マグロとカカオのセビーチェは新鮮なマグロの赤身の上に生海苔と和歌山の湯浅醤油が開発したカカオ醤(ジャン)をアクセントにする。海の幸とカカオの香ばしさが鼻に抜ける異国情緒たっぷりのおつまみ。1200円

店内の隅々のL.さんのアートワークが存在する。

店内には多くのアートワークやアンティークの小物などがセンス良く置かれる。これらはすべてデザイナーのL.さんによるプロデュースで、アツシさんとコンセプトワークのミーティングを重ねながら導き出した空間。欧米の酒場カルチャーを熟知しているからこそ生み出せる雰囲気は唯一無二の世界観を創り出している。

ここのメインキャラクターとして生まれたピンクの象をモチーフにしたキャラの名前はAL(アル)。酔っ払うと夢でピンクの像が見えると言われる英語独特の「Seeing pink elephants」という表現をモチーフに考案された
酔っ払って視点が定まっていない様子を描いた4アイズと呼ばれるアメリカ生まれのキャラクターも壁に描かれる。クラシカルなバーカルチャーをモチーフにしたアートワークが至るところにペイントで表現される
アメリカのイラストレーターであるトニー・サーグが手がけたヴィンテージのカクテルナプキンは額装して壁に。その奥にあるオリジナルのスウェットは各2万3000円
入り口のドアを開けると床にはバーカルチャーにまつわるキャラクターが出迎えてくれる。無機質なフロアにもしっかりと遊び心でアクセントを加えている
ピンクの象や青いネズミが見えたら酔っ払い確定という逸話をモチーフに、さり気なくトイレの窓に描かれた青いネズミ。欧米の酒場文化に詳しい人や外国人ならその遊び心に気がつくはず

【DATA】
BW CAVE
東京都渋谷区宇田川町41-29-2F
18時~24時 月曜定休
https://www.instagram.com/bw_cave

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
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