コットン生地の味なシャツを狙いたい
今回ピックアップするのは、ハーレー乗りの大定番であるワークシャツ。現行ではタフなコットン・ポリエステルのT/C素材が主流になっていて、人気であるが、ヴィンテージで探すのであれば、旧きよき時代の綿1
00%に絞るのがオススメ。1970年代になるとワークでもミリタリーでも速乾性があり、タフで安価なコットン・ポリエステルが台頭する。そのため狙うのであれば、自ずと60年代以前のものになる。アメリカでは数々のワークウエアメーカーが存在し、さまざまなワークシャツが生まれてきた。デニムジャケットやパンツと違い、大定番的なモデルはないが、シャンブレーシャツはさまざまなメーカーから出ており、ミリタリーでも米国海軍が採用するなど、最もメジャーな存在だろう。
そんな中でも、アメリカの三大デニムブランドであり、ワークウエアメーカーとしても大成した「リー」のシャツを推したい。リーは1889年に食品卸会社としてスタートしたが、1911年に仕入れていたワークウエアの納期が遅延したことをきっかけに自社生産へとシフトする。そして1913年にはオールインワンタイプのワークウエアの名作「ユニオンオール」を開発し、大ヒットを記録した。
そして1920年代になるとカバーオールの名作である「J-91」や世界初となるジッパーを用いたワークウエアである「ウィジット」、そして「101」の原型となる「カウボーイ」などを立て続けにリリースし、ワークウエアメーカーとしての地位を確立させた。
シャツに関してはハウスマークタグの付いた個体が出てくるので、このころには間違いなく生産されていた。ただシャツは当時の感覚だと下着。まだTシャツ1枚で歩くような時代ではなく、肌着がシャツであった。
そのため人前で見せるものでもなく、カバーオールやワークパンツに比べると見どころとなるディテールが少なく、チンストラップや変形ポケット、ウォバッシュなどは、高額であるし、タマ数も本当に少ない。そうなると戦後の方が一気に数が増えるため、それを狙うのがいろいろな意味で都合が良い。
今回のリーのワークシャツは、生地にさまざまなバリエーションがあり、コカ・コーラ社から制服としてオーダーされていた通称「コカ・コーラストライプ」など、ユニークなモデルもあり、探す楽しみがある。
今回はオープンカラーというちょっとした変化球。オープンカラーは戦後にカジュアルウエアやリゾートウエアとして人気を博したデザイン。ワークシャツもその流れを及んでおり、コットン100%でオープンカラーは今の流れにもぴったり。そして価格帯も同年代のデニムに比べれば安価で、気兼ねなく買えるのも魅力。この個体のように当時の刺しゅうが施された1点物もあり、サイズも豊富。最良の一着を探し出してほしい。
50s Lee Work Shirt

タグのデザインから1950年代と判別できるコットンツイルのワークシャツ。貴重なデッドストックで紙のフラッシャー付きという完璧なコンディション。胸にはチェーンステッチでスクール名と支給された人のネームが入った1点モノ。デニムのバックポケットを彷彿とさせるポケットのデザインやオープンカラーの仕様もポイント。3万800円
【ポイント①】オープンカラー

カジュアルシャツやリゾートシャツに使われるオープンカラーは、戦後に流行したスタイル。台襟が不要なことからワークシャツでも取り入れられた。数は開襟仕様の方が少なく、人気が高いので狙いたいところ。
【ポイント②】豊富なサイズ展開

このシャツに関しては半ソデなので関係ないが、リーのワークシャツは、着丈とソデ丈の長さが3サイズ展開されており、オーダーメイドしたようなサイズ感を得られるというコピーのフラッシャーが付く。
【ポイント③】チェーン刺しゅう

チェーン刺しゅうもアメリカを代表するカスタム。パッチなどもあり、1点モノ感が出るので、グッドデザインがあれば買っておきたい。また後年になると普通のポケットになるので、この意匠も当年代の特徴だ。
【ポイント④】マチ付き

60年代ごろまでサイドシームの下部に補強を意味するマチが付き、年代判別するポイントになる。また70年代に入るとコットンポリエステルが主流となるので、マチ付きでコットン100%は古着市場で人気。
(出典/「
text&photo/S.Sato 佐藤周平 問い合わせ/ミスタークリーン TEL090-2206-1755 https://kurikurivintage.shop-pro.jp