ボバーとチョッパーの違いとは? レース由来のボバーに対し、チョッパーはストリートから誕生

ボバ―とチョッパーの違いは、レース由来のボバーに対し、チョッパーはストリートから誕生したもの。ハーレー乗りなら知っているとは思うが、具体的にはどんな違いがあるのか詳しく答えられない人もいるのでは。ここではなかなか解説の難しい2つのスタイルそれぞれについて掘り下げて解説する。

ボバー|短いリアフェンダーのレーサーを真似たスタイル

1930年代、アメリカのレース団体「AMA」は、世界恐慌などの影響で落ち込んだバイク人気を再び盛り上げるべく、「クラスC」を設立。“競技者はエントリーするバイクに乗ってサーキット会場に向かうこと”をルールとして定め、バイク人気を再燃させようと試みたのだ。結果、当時の市販車とは異なった雰囲気のレーシングマシンが多くの人の目に触れるきっかけになった。レース車両の多くは軽量化のためにリアフェンダーを短く切り落としていたのだが、これが16世紀ごろ、競走馬の尾をバッサリ切った「Bob」を彷彿とさせることから、このスタイルを総じて「Bobber=ボバー」と呼んだ。そんなレーサーを真似たカスタムが1940年代に大流行したのだ。

車両製作/ハマーサイクル
TEL029-824-3393
http://www.hammer-sycle.com/

ボバー人気に貢献した「Cクラス」のルール

アメリカのレース団体「AMA」が、“サーキットに自走で参加すること”をルールに定めた「Cクラス」を設立。これによって多くの人にボバースタイルが認知されていったのだ。

【特徴①】レーサーらしい前傾姿勢に欠かせない低いハンドル

【特徴②】レースイメージの強いマフラーに交換

【特徴③】名前の由来にもなったショートテール

【コラム】当時人気の高かったお約束パーツがこちら

ハーレーカスタムの歴史は古く、H-D社がパーツ&アクセサリー部門が1912年に独立し、1915年にカタログを発売したことから始まった。だが、ユーザーが本当にカスタムを楽しめるようになったのは、第2次世界大戦後のまさしくボバー全盛期。多くの社外メーカーがこの時代に誕生したのだ。

当時はもちろん、現在もその界隈で人気が高いのが、1945年創業の総合パーツメーカー、フランダース製のハンドルやライザーだ。

当時のモデルは当然ながらロッカークラッチ&ハンドシフトだが、その時代の最先端が、足でシフト操作を可能にするB&Hシフター。

チョッパー|ボバースタイルが全米へ波及し個性的なカスタムに発展

第2次世界大戦終結後の1940年代後半、エネルギーを持て余した帰還兵たちがバイクに目をつけ、それをボバーにカスタムして乗る行為がアウトローのカルチャーとして根付いていた。そんな若者たちが戦地で見たバイクや、戦後アメリカに輸入された「BSA」や「トライアンフ」といった英国車に影響され、英車のフロントまわりやタンクを流用したり、自ら1インチ径のパイプで作られたイスの脚などを転用して作ったハンドルなどを取り付けるようになると、それまで流行していたボバーから、より軽快でスリムな「チョッパー」へと人気が移り変わっていった。この写真の車両は、現代に製作された車両だが、まさにボバーがチョッパーへと移り変わっていく過程を想像させる一台だ。

車両製作/シックスモーターサイクル
TEL072-924-7540 http://www.shix-mc.com

時代と共に装飾性を高めていった

社外パーツメーカーの誕生により、カスタムが身近なものになったこともあって、べイツ製などの小ぶりなライトや、小排気量車から流用したタンク、そして英国車からサイクルフェンダーを流用するなど、ボバーは軽くスタイリッシュに、そうして現在でいうところのオールドスクールチョッパーに進化していった。そしてよりド派手に、装飾性を極めた結果、ロングフォークに辿り着いたのだ。

オールドスクール
現在のシーンで最も人気のスタイル。旧車をベースに、スリムな外装とエイプハンガーに交換すれば大体サマになるが、この車両は排気量を1340㏄にアップして走りにもこだわった、ボバーのDNAが息づく仕様だ。

車両製作/Chopperdaves Casting Co https://chopperdaves.bigcartel.com

ロングフォーク
オールドスクールから装飾性を高めたスタイル。この車両は映画『イージー☆ライダー』に登場したもので、14インチオーバーのフロントフォークや天高く伸びるシッシーバー&マフラーでインパクト抜群!!

見た目と走りを両立した新しいスタイル

派手さこそが正義だったロングフォークとは異なり、不良や走り屋が好んだのが1960年代ごろより発生したフリスコ。警察などの追手から逃れることを目的としているため、走りに重点が置かれていた。また、チョッパーが過去の物となった1994年に、「ウエストコーストチョッパーズ」が創業すると続々とネオチョッパーを製作しブームが再来。こちらも“しっかり走れる”ことが基本だ。

フリスコ
アウトローバイカーが警察から逃げやすいよう、スリ抜けしやすい高さのハンドルや、カーブでステップを擦らないように高い位置に装着したという逸話をもつスタイル。高性能な足まわりに交換するのもアリだ。

車両製作/コズミック
TEL022-352-4322 http://www.choppercity.jp/

ネオチョッパー
ロングフォーク的シルエットながら、正しいディメンションや強度を考慮して製作することで、走りが楽しめることが基本。各部にビレットパーツをあしらって高級感あふれる雰囲気に仕上げることもお約束だ。

車両製作/セレクテッド
TEL03-6424-8265 https://www.selected.co.jp/

(出典/「CLUB HARLEY 2026年6月号」)

この記事を書いた人
ポイズン雨宮
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ポイズン雨宮

真性バイクオタ

単気筒や2気筒のいわゆる“エンスー的なバイク”が大好きな真性オタ。中でも70sアメリカを感じさせるモーターカルチャーを特に好む。XR1000と1969年型カマロを所有し、その維持に四苦八苦しつつも実は喜んでいるドMでもある。カフェレーサー好きでもあり、フェザーベッドフレームのH-Dを作りたいと絶賛夢を膨らませ中。
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