
「デニムセラー」店主・栗原健治さん|「日本の素晴らしいデニム商品を貯蔵する場所」として、厳選した国産デニムなどを扱い、YouTubeでもデニムの知識を発信している。Denim Cellar. 東京都目黒区自由が丘2-15-24 1F TEL03-5726-9265
そもそもリジッドデニムとは?
縫製時のアイロン掛けの熱による生地の縮みやねじれを防ぎ、安定させるために糊付けされた未洗いのデニム生地のこと。現在販売されているものの多くは一度洗いにかけられているが、自ら初洗いしたい人のためにリジッドのまま販売されているものもある。


未洗いの状態では、表面が糊によってコーティングされているため、縦糸のインディゴの青色が沈んで青黒く見え、緯糸の白が際立つ。水に通すことで糊が落ち、縦糸が膨張してインディゴの発色が強まる。また、防縮加工されていないデニムに関しては、ファーストウォッシュの際に繊維がほぐれて目が詰まり、大きく収縮する。


ワンウォッシュした際に縮むのは生地だけではない。綿糸で縫製されている場合は縫製糸も縮むため、周辺の生地も収縮する。いわゆる“パッカリング”だ。特にチェーンステッチで仕上げられた裾は、斜めに細かく絞られた状態で収縮し、波のような独特の色落ちを生む。また、糸の収縮に伴い、裾幅もわずかに狭くなる。
リジッドデニムを買う際に気をつけるべきこととは?
未洗いのデニムは、ワンウォッシュや防縮加工された製品とは異なり大きく縮む。知らずに購入すると、穿けなくなり泣くハメに……。もちろん製品によって縮率も違うが、大まかな縮み幅や注意点を押さえよう。
LVCの場合


ウエストは-3cm、レングスは-5cmになっている。
これだけ縮むのが生デニム。ウエストは1〜2インチ大きめのサイズを、裾上げは洗ってからが安心
リジッドのジーンズをあえて洗いにかけず、しっかりとアタリを出しながら穿き込む強者もいる。ただし、洗ってジャストサイズに縮めてから穿く方が、自分の体にもフィットし、生地のダメージが減って圧倒的に寿命が長くなる。穿きたいジーンズの縮率の目安を店員さんに聞き、縮んでジャストになるサイズで買おう。

ウエストは3〜5㎝ほど縮む。指でつまんだ際に親指の第1関節分(約2.5㎝)の余裕がある状態が目安。

レングスは洗濯で5〜8㎝ほど大きく縮むため、かなり長めの丈で選ぶ必要がある。裾上げには注意。
防縮加工のデニムも

[リー]のジーンズは、防縮加工が施されたモデルが多く、未加工のものに比べると縮みはかなり抑えられている。そのため、初めてリジッドデニムを購入する際にはサイズ調整がしやすくおすすめだ。
購入後のファーストウォッシュはどうすればいい?
リジッドで穿いたまま風呂に入り、縮ませて自分の体にフィットさせるという手もある。そんなロマンも魅力的だが、ここでは簡単な糊落としを紹介。ジーンズはラフに扱うほどいい色落ちになるそうだ。


洗いジワを防ぐために裏返して畳んだ状態でネットに入れ、洗剤を入れずに通常コースで洗濯する。干す際も紫外線で変色しないように裏返しのままがいい。なお、縦型洗濯機はたっぷりの水で洗うため一気に大きく縮むのに対し、ドラム式は少ない水で叩き洗いするため縮みが緩やか。ドラム式を使用する場合は、3回は洗ってから裾上げに出すのがベター。
その後の洗濯、なるべく色落ちさせたくない場合は…

定期的に洗うとジーンズは長持ちする。なるべくこれ以上色落ちさせたくないという段階になると、デニム専用洗剤が吉。特殊配合で色落ちを抑える。BONCOURA JABJAB 3960円
ビッグジョンのリジッド製品から育てるべきリジッドデニムを2本紹介!
日本のセルビッジデニムの礎を築いたビッグジョン。その系譜を受け継ぐリジッドモデルから、栗原さんが信頼を寄せる2本を紹介。

5角形のホームベース型のブランドシンボルには「人々に喜ばれ、愛されるジーンズを世界の5大陸に発信する。」という意味がある。これにちなみ、世界5大陸から厳選した綿を独自にブレンドした特別な1本。

日本のセルビッジジーンズの先駆けとなった存在。約10%という非常に高い縮率で縮み、リジッドデニムの真髄を体験したい人には最高峰のモデル。意図的に捻れており、洗濯で元の状態に戻るという画期的な仕様。
穿き込み開始! 洗うも洗わないもアナタ次第
ヴィンテージのような色落ちを求めて洗わずに穿き込むか、長期的な着用を見越して生地を傷めないように定期的に洗うか。長らく穿いたうえでの軌道修正はほぼ不可能なので、穿き始める前にどちらかの選択を。

穿き込んだのはこちら。
【定期的に洗うナチュラル派】3年(週2)5回ごとに洗濯

定期的に洗うことで生地がリセットされ、アタリのコントラストが弱まる。デニムならではの綺麗なブルーの褪色も魅力的。

定期的に洗うことで生地がリセットされ、アタリのコントラストが弱まる。デニムならではの綺麗なブルーの褪色も魅力的。
【なるべく洗わないメリハリ派】1年(毎日)洗濯は1回のみ

洗わずに穿き込むとインディゴの色は黒く沈み、皮脂汚れや酸化で黄ばみ(熟成)が生じる。まるでヴィンテージの風合い。

洗わずに穿き込むとインディゴの色は黒く沈み、皮脂汚れや酸化で黄ばみ(熟成)が生じる。まるでヴィンテージの風合い。
(出典/「
Photo/Kazuya Hayashi Text/Joji Sakaguchi Special thanks/Kenji Kurihara