雑誌「2nd」の看板スタイリスト・吉村祥吾の「撮影前夜、事務所にて」第2回

  • 2025.07.26

『セカンド』の看板スタイリスト吉村祥吾さんが一体のコーディネイトを組むまでの、理論と感覚が入り混じる紆余曲折を、文字化するスタイリングドキュメンタリー第2回。前回はこちら

スタイリスト・吉村祥吾さん|1986年生まれ。2016年より『セカンド』で継続的にスタイリン グを担当。普段着のマイルールは「TPOに合わせて、靴から決める」

「セバゴ」のデッキシューズを使って自由にスタイリングする

今号の特集内のアメリカの老舗シューズブランド「セバゴ」のタイムレスな魅力を深掘りする6ページ。大々的に扱うのは初めてのため、『セカンド』らしさを意識しつつ自由に組んでもらった

編集部 今回は「セバゴ」のデッキシューズを使って自由にスタイリングを組んでほしいというお題でした!

吉村 たぶん昔見た広告ビジュアルの影響なんですが、僕のなかで「セバゴ=海」のイメージがあるんですよね。だから今回は「背景に海を感じるようなコーディネイトにしよう」というコンセプトから考えはじめました。

編集部 セバゴの特集ページでは、ローファーとデッキシューズを使って2体組んでもらいました。

吉村 前号(5月号「アイビー&プレッピー特集」)の流れもあって、ローファーをアイビー、デッキシューズをプレッピーにしようと思いました。どちらもあくまでトラッド感を残した街着としての提案にしたかったので、「学校の帰りに海に寄る予定がある」くらいのイメージで組んだと言えば伝わりますかね(笑)。

編集部 確かに、いずれのスタイルも避暑地っぽい雰囲気でしたね。今回フォーカスするのはデッキシューズのスタイリングのほうですが、すんなり組めましたか?

吉村 海っぽさというイメージから、アノラックパーカは即決しましたね。インナーに合わせるシャツは、最初はブロードの予定でした(❶)。シャキッとしていて涼しげだし、軽やかな雰囲気に合うかなと思っていたのですが、アノラックのカラッとした質感にマッチしたのは、ブロードよりもむしろオックスフォードの方でした。そのぶん、堅い雰囲気になりすぎないよう、キャッチーなカラーリングのものを選んでアウターの色味と馴染ませました。

編集部 シャツの下にポロシャツを持ってきているのもプレッピー的ですね。

吉村 ニットよりも凹凸感のある鹿の子を選んだのは、先ほどと同じ「質感を合わせたい」という理由ですね。ポロシャツの色味に関しては、インナーとして使うポロシャツは白やペールトーンなど薄いカラーを選ぶことが多いです。基本的にVゾーンのインナーは、ミドルレイヤーやアウターより薄いカラーのほうが収まりがいいと僕は思います(❷)。ケースバイケースではありますが、白シャツのなかにネイビーのTシャツを着ていたら違和感ありません? ネイビーのシャツに白のTシャツのほうがやっぱり馴染みがいい。

編集部 着る人のキャラとか着せ方によるかもしれませんが、トラッドに関して言えば特にそうかもしれませんね。

吉村 ショーツもシャツと同じ理論で、最初は光沢のあるコットンツイルのもの(❸)を合わせようかと考えましたが、アノラックに馴染ませるべく、洗いざらしっぽい質感のショーツにしました。

編集部 そこにスウェードのボートシューズを合わせることで、海でも街でも軽くなりすぎない、トラッドかつ大人っぽい雰囲気に仕上がりましたね。

吉村 今回はアノラックに全体を馴染ませる方向性ですべてのアイテムを選びましたが、たとえばインナーをブロードシャツ、ニットポロシャツ、コットンツイルのショーツにして、アノラックやシューズだけ凹凸感のある質感でハズす、というまとめ方でもバランスよく収まったと思います。

❶ブロード生地の光沢が上品。「❸で挙げているショーツと合わせるのであれば、むしろこっちですね」

❷ポロシャツの色味について。「グリーンはプレップな印象ですが、インナーとしては濃すぎですかね……」

❸しっかり光沢感のあるコットンツイルのショーツ。「このハリ感であれば、ブレザースタイルに合いそう」

(出典/「2nd 2025年6月号 Vol.212」)

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